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今までにない自分  作者: にごらせ生茶
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気になる存在①

 女の子はあまりの湯気に咳き込んでしまったが、咳が収まるとまためげずに食べ始めた。


 とても心配そうに男子学生たちは女の子の方を見ていたが、なんともなさそうだと分かると汗を腕で拭いながらまたラーメンを少しずつすすり始めた。


 店主も女の子がむせたので心配そうに見つめたが、無事と分かると何度か気にして女の子の様子を見ながらも仕事に戻っていった。


 (・・さすがに・・この暑さでラーメンは暑い・・。・・ラーメンも熱い・・とにかく暑い・・でも味はおいしい・・)


そう思いながらもどんどん勢いで麺をすすった。


 体中から汗が噴き出してくるのが分かった。額からも汗がどんどん流れてくる。目の前にティッシュの箱があったが空箱だった。食べながら腕で汗を拭って麺をすすった。


 女の子は男子学生たちが気になり麺をすする合間や、麺をすすりながらも男子学生たちをチラチラと見ていた。男子学生たちも汗だくだ。


 男子学生たちも女の子の様子が気になっているようでチラチラと見ていたが、次第にはっきりと見るようになってきていた。


 4人ともひたすら麺をすすることはやめなかったが、この暑さで誰も来ていないラーメン屋に、日中の最も暑い時間帯にあえてラーメンを食べに来ているというお互いの存在を不可解に思っているらしい。


 男子学生たちは麦わらの女の子のおしとやかな感じだったところからスイッチが入ったような勢いの食べっぷりを横目に見ながら自分たちも負けじとラーメンをすすった。


 「・・あの~・・今日、とっても暑いですよね? ・・何でラーメンなんですか?」


 口を押さえながらも、もぐもぐとさせて、女の子が箸を少し休めて、男子学生たちに思い切って話しかけた。


 「・・えっ、あっ、・・いや・・、なんか、ものすごく暑かったんですけど・・色々ありまして・・。・・ラーメンが食べたいということに・・」


 口をもぐもぐとさせながら一番近くに座っていた男子学生がまさか話しかけてくると思っていなかった女の子が話しかけてきたので驚いてしばらく目を見開いていたが、じっとしばらく女の子を見つめ、それからは視線をあまり合わせずにとぎれとぎれにそう答えた。隣に座っていた男子学生の二人もそのやりとりに無言だったが加わっていた。


 「・・こんなに・・暑いのにですか? ・・普通は冷たいものとか食べませんか? ・・苦しくないんですか? ・・汗だくですよ?」


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