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今までにない自分  作者: にごらせ生茶
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男子学生たちの行方②

 麦わらの女の子は何か感じるものがあり、その3人の足取りをじっと見つめながらも2車線道路の信号が青に変わるのを待っていた。


 交差点を斜め方向に見渡すと4車線道路の横断歩道の歩行者信号の青が点滅を始め、赤に変わった。


 自分と同じく信号待ちしていた通行人たちの何人かは、2車線道路の歩行者信号がまだ赤から青に変わる前に横断歩道を渡り始めた。それにつられるようにして麦わらの女の子もゆっくりと動き出した。


 2車線道路の歩行者信号がパッと青になったのを確認し、渡ろうとしている横断歩道の前に先頭の車がきちんと停止したことを確認した。さらに4車線道路から右折、左折車が入ってこないかも確認しながら、横断歩道を左端から右端に斜めに渡った。


 男子学生たちは自分の数メートル先を歩いている。それに追いつかないように、距離を詰めすぎないようにペースを調整してゆっくり男子学生たちの後ろを歩く。


 男子学生たちは暑さのためにだるそうに歩いている。


「暑くなってきたな~、ほんとに行くの? やっぱやめというのも、冷たいものでも・・コンビニでもいいんじゃないやっぱり・・?」


などと会話が聞こえてきている。麦わらの女の子は少し気が咎めたが、会話に聞き耳を立て、なるべく足音を立てないようにして気配を消しながら、男子学生たちの後ろをそろそろとついていった。


 男子学生たちはまだ道を曲がらずにそのまま直進している。少し先に『ひまわり』が見える。『ひまわり』はどうやら営業しているようだ。のれんが出ている。


 麦わらの女の子は次第に男子学生たちの行く先に不安を感じてきた。まったく道を曲がる気配はない。・・もしかして・・この人たち・・。


 「・・冷やし中華とかないの? ・・ない? ないの? ・・この暑さで? ・・まじか・・〝冷やし中華始めませんでした”なのか・・」


一人の男子学生の張った声が聞こえてきた。“冷やし中華とかないの?”と確かに聞こえた気がする。


 そうであって欲しくないと思いながらも次第に麦わらの女の子は確信しつつあった。男子学生たちは『ひまわり』にラーメンを食べに行こうとしているんじゃ? ・・この暑さなのに・・? ・・まさか・・。麦わらの女の子はさらに歩みを遅くしながら、男子学生たちの動向を注意深く伺った。


 男子学生たちは思ったとおりラーメン屋『ひまわり』の軒先まで行って立ち止まっている。しかし、入ることを躊躇ためらっているように見える。その後、間もなく先頭の一人が後ろの二人に背中を押されながら、ガラッと引き戸を開けのれんをくぐって店に入って行った。


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