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諮問会4

なんか、どこ出来ればいいか分からなくなってきたので、ぶった切ります。

「……失、念?」


信じられないとばかり出された鳥谷の声は、この場のほぼ全員の気持ちをよく現していた。流石に、これは、ない。


要は思わず周りが震え上がるような、地の底から吐き出されるかのような声で、発言者を見据えた。


「美奈は、このままじゃ自分も友も俺の部下も牢でのたれ死ぬ羽目になるんじゃないかと、見つかったら自分がどうされるかも不安な中、決死の覚悟で俺のところまで来たんだぞ? それこそ藁にも縋る思いで必死になって、結城と五十嵐だけは助けてほしいと、震えながらも懇願してきたんだ。……それが、たかだか監査で叱られるのが嫌だったから、事実確認もせず遊んでた、だとぉ?」


いつもは、公式な場では「私」の一人称が、すっかり「俺」になっている。


「い、いえ! 一応、自身の知り合いに、本日地界人を連れてくる予定の人物に心当たりがないかを聞いて……、いえ、はいぃっ」


慌てふためき、フォローをしようとした二番隊副隊長だったが、要の視線に晒され、途中で言葉を飲み込む。今下手に動いたら殺される、それしか考えられなかった。


メデューサに睨まれたかのように直立不動で動かなくなってしまった自分の副隊長を見て、二番隊隊長がふぅ、と庇うように前に出る。


「すまない。そちらについては、本人にもペナルティを科すようにしているし、一旦後にしてもらえるかい?」


「あ、あぁ。すまん」


怒りを静めた要を見て、副隊長が息を取り戻す。それをちらりと確認しながら、二番隊隊長は肩をすくめた。


「いや、そちらの気持ちはよく理解できるんでね。こんな場じゃなければ、本人呼んで、徹底的に絞るのもありかと思うんだが、今は本題を片付けなきゃならないんだ」


「そうだな。じゃあ、続けるか。……美奈は『風』を抜け出した後、北へ行きつつ、俺がどこにいるか分からないかと、それっぽく見える建物を調べていったらしい」


「それっぽい建物?」


「住居に見えず、ある程度大人数を収容できる大型、同じような役割の者達が一堂に会していそうな建物、だと」


「そりゃまた……、大雑把だな」


それには、要たちも同意する。


「あぁ。本人は、目的地がどの辺りにある、どんな特徴の場所なのか、全く聞いていなかったからな。『北』だって『風』に似た雰囲気の建物で、周りに住宅街らしいものはない、見張りが門にいる場所って言ってたくらいだ」


要の言葉を、鳥谷がつぐ。


「美奈は、大きめな建物を見つけては中の様子を覗いていたらしいんですが、夢追人の集まりらしい場所は見つけられなかったそうです」


「で、困ってどうしようかと思っていた時に、隊長という呼び名が聞こえたそうだ。疲れていた美奈が、俺が何の隊長なのかを樹の上から観察してたところを、捕まえた」


そう考えてみると、美奈の運も相当なものだ。偶々俺が、外に出たタイミングで近くにいたんだからな。


「こっちも捕まえてどうするか、と考えてたところ、俺が結城の上司で、探していた人物だと分かった美奈に、助けてくれと縋りつかれて、事情を聞いた」


「それによると、結城さんが何の脈絡もなく『北』に連れて行かれ、戻るのを待っていたら、同じ様な集団が、自分達をも投獄した。訳は誰も教えてくれなかった、と言っていたため、ひとまず比較的楽に解放できそうな二人の方を先に助け出しにいったんです」

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