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諮問会1

二人が会議室にたどり着くと、他の隊長や副隊長は全て集まっていた。


「うちが最後か、待たせたな」


一応形ばかり謝ってみせ、始めるよう促す。


「それで、今回の議題に心当たりはあるか?」


どこか胡散臭い笑みを浮かべて聞いてくる第一隊隊長の言葉に、要は首を横に振る。


「こちらにはさっぱり。今回、何の情報も回ってこない状態で突然呼び出されたのでな。正直、寝耳に水の状態でこちらまで来たという状態だ」


肩をすくめつつ答えると、第二隊隊長が後を引き取る。


「では、簡単に説明しよう。ことは、先日行った、地界人の能力テストについてだ」


――やはり、それか。


「君の隊は、地界人の協力者を登録するため、こちらに連れてきた。そして、協力者と共にやってきた少女の能力を調べた。ここまでは間違いがないね?」


微妙にこちらの思っていた趣旨とずれた質問に、内心首を傾げながらも首肯する。

「では、検査員に出した指令を教えてもらえるかい?」


話が更にずれた。一体、何の話をしようとしているんだ?


「美奈に対しての検査は、『力』の保持力および『力』の操作における潜在性だ。本人は気付いていないようだったが、見たところかなりの能力があるように見えたんでな。少し確認させてもらったんだが。……何か問題が?」


あの検査は、別に誰でも気軽に行える程度のものであり、他者に知られたからと言って、何か問題になるようなものでもない。本人の同意を得ずにやったことに関しては、少し問題でないとは言い切れない部分もあるが、協力者の登録に必要な手続きは、隊長の裁量である程度増やすことも出来る。


こんな諮問会を開くほどの問題になることはないはずだが。


「実は、その検査結果を見た検査員が、勝手に詳細検査を行ったんだ」


「は?」


「相手が地界人で、どんな検査が行われるのか知らなかったのをいい事に、それはもう微に入り細に入り、能力を丸裸にせん勢いで調べたようだよ」


呆気にとられる要と鳥谷を、周りがどこか哀れむように見る。


「あいつの能力至上主義を甘くみていたな。……まぁ、我が隊の隊員の恥を出さないように、と六番隊が一丸となって隠していたから、まだお若い三番隊隊長は知らなくても仕方がないが」


歳のいった隊長は、今回の検査員の異常なまでの情熱と、それから導かれた人災とも呼べるほどのあれこれを実際に見、知っている。


特に、自身が能力を有していると気付いていない者に対して、彼は異様に執着するのだ。


埋もれてしまうかもしれない能力を救い出すのが己の存在意義だ、とばかりに、その能力の持ち主自体のことを全く ――いや、能力が本人の心身疲弊により損なわれることは恐ろしいことなので、そういった意味では考えているが―― 考えもせずに、その能力を世に知らしめることに力を注ぐ。


自分の能力に気付いてもいなかった相手は、いきなり見知らぬ他人からストーカーの様につき回され、異様な熱意をこめた瞳で見られ、その能力を ――どう贔屓目に聞いても、お前には能力以外の価値はありはしないんだ、と言われている気になる褒め方で―― 褒めちぎられるのだ。


ある意味、いや正しくホラーである。


彼の褒め殺しにより、自分自身に自信をなくし、生に意味を見失いかかった人物は多い。本人は限りなく純粋に褒めているだけに、相手の心を遠慮なく的確に抉っていくのである。


従って、彼には能力のありそうな者を近づかせるな、と、隊長格の間では言われていることだったが、彼に対して徹底的に情報管理をして、新たなる犠牲者が出ないようにしていたせいで、要が隊長になった頃には、能力高い人に少し大げさに憧れるだけの人、という評価になっていた。


そのため、地界に住む者の能力の有無くらい、別に知られてもそこまで問題にはならないだろう、と思ってしまった要だけを責めるわけにもいかない。


実際、要が命じた検査だけであれば、幾ら値が良かろうと、優秀になり得る素質がある、程度のものでしかない。素質があっても、それを活かせず駄目になる方が多いため、さほど気にしないものでしかなかったのだ。


検査員が、重罪であると分かっていながら、自身の権限にない検査を勝手に行わなければ、何もなかった。


しかし、隠された能力があるならば、それを発掘し、広く知らしめねばならないという崇高なる使命感に燃える検査員は、検査に非凡な結果を見せた被検体を徹底的に調べ上げた。


更に、その結果を遍く知らしめるべく、結果を権力者へと公表してしまった。即ち、統括者へと。

因みに、それぞれの隊長の性格は、こんな感じだったりします。どうでもいいですが。


一:カリスマ。ちょい俺様系で、皆俺についてこいタイプ

二:かわいいもの、小さいもの好き。三番隊隊長を構いたい。隊長にかわいい服を着せたがっている三番隊副隊長ととても気が合う。

三:苦労性。一番若く、見た目がちまいので、地位が高いのに隊長群のマスコット化している。いちいち反応しちゃうので相手がからかうというのは分かってはいるが……。

四:苦労人。隊長内一番の常識人だけに面倒を引き寄せてしまう。不憫。

五:姉御。困ったことは、あたしに任せな!

六:おっさん。大人の余裕で頼られるぜ。

七:面倒くさがり。あ、これ四番隊隊長に押し付けちゃお~っと。

八:熱血。皆でやれば何でもできるよ!

九:ムードメイカー。スキンシップ大好き! 勝負も大好き! 八番隊隊長、勝負だー!


皆、隊長中の隊長なので、能力に疑問を持つようなのは存在しません。コミュ力に問題あるのも存在できません。状況判断出来ない、空気読めないなんてのはもってのほか。全員その地位に見合うだけの力がないと、勝手に消え去るしかない立場なのです。

そんな隊長達は、副隊長も併せて仲が良いです。だって、頼れる仲間だもん。仲良いので、隊長・副隊長しかいない諮問会は、結構皆がラフに話します。だって、話し方より、互いが腹を割って話す方が重要。

もちろん、他の会議では皆きちんとしていますよ。

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