表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/53

質問

『あの、隊長さん?』


おずおずと話しかけてみると、予想に反して大して驚きもせず、少年は答えてくれた。


「なんだ?」


――訂正はされない、かぁ。


やはり、この少年は何かの隊の隊長であることは間違いないらしい。問題は、何の隊長か、だが……。


『いきなり捕まえたり、しませんか?』


どう聞き出すかを考えつつ、会話を途切れさせないように質問をすると、相手は大きく頷いてくれた。


「あぁ、大人しく質問に答えるなら、内容に関わらず、勝手に捕らえたりしない。約束する」


『それは、答えなければ、捕まえる、ということですか?』


「答えられない、と答えればいい」


二人? で話をしている間、少年を隊長と呼んだ女の人はピクリとも動かない。まぁ、鳥が喋っているんだから、驚くのは無理はないが。むしろ、すぐに慣れた少年の方が珍しい反応だとわかってはいるが、あまりにも長い間固まっているため、大丈夫なのか、少し不安になってきた美奈は、話を振ってみることにした。


『……そちらの方も?』


話しかけられた女の人は、はっと我に返ると、慌てて何度も頷いた。


「は、はい。捕まえたりしません」


二人の態度には、嘘は感じられない。美奈は、少し用心しつつも低い枝へと降りていった。


しばし見つめあう。


相手が話してくるのを待っていた美奈だったが、いつまで経っても用件を切り出そうとしない少年に、首をかしげる。


『それで、聞きたい事って何ですか?』


聞きたいことがあったから捕まえようとしただろうに、少年は美奈の言葉に少し考え、結局は簡単に聞いてきた。


「お前、何で喋るんだ?」


想定外の質問だった。やはり、喋る鳥が珍しくないわけではなかったらしい。が、本当は人間だからです、と言っても平気か迷う。……助けを求めるには、言う必要があるのは分かっているが。


『それは……、言葉が分かるからです』


迷った美奈は、一旦あやふやに返してみた。これで、怒り出すようなら、助けを求めるのは諦めた方がいいと思いつつ。


美奈の返事を息を詰めて聞いていた女はがくっと肩を落としたが、少年はやっぱり平然として、いまいち感情の変化が読み取れない。


「お前は、何者だ?」


『それは、言えません』


今はまだ、という言葉をつけようとしたところで、無表情のままぎろりと睨まれる。


――えーん、怖い。なまじ見た目が幼い分だけ怖いよぉ。助けて計人ー!


「何が目的だ?」


心もち低くなった気のする声が、またもや端的に聞いてくる。


『それも、言えません』


段々と逃げたくなってくる美奈だったが、今ここで逃げたら、捕まって鶏鍋にされそうな気がして踏み止まる。だって消されるにしても、消され方は選びたい。頭をかち割られてバラバラ死体なんて冗談じゃない。


びくびくしながら暫く問答をくり返していたが、どうも少年は、何か明確な目的があって捕まえたわけではなさそうだ。


なら、こちらは用があるということで解放してもらえないだろうか? 美奈は、いつでも逃げ出し始められるように構えつつ、自分が夢追人の隊長を探していることを伝えてみることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ