第三章 BELL IS RINGING
次の日、また5時前に起き、銃の整備をした。
そして簡単な朝食を食べ、その後以来詳細をもう一度見た。
依頼内容はワシントンタワーからの情報奪還。
情報はタワー中心部、コアブロックにあるマザーと呼ばれるコンピューターに、無題で入っていて、かなりの大容量だから分かるらしい。
だがそれにかけられているプロテクトは、数百ありこじ開けるのは難しい。
報償は、一億。
まあかなり高額なだけあってかなり大変そうだ。
その後、僕は6時ごろ、準備を整えて出発した。
その頃ワシントンタワー2階、居住エリア。
(ここからは別の時間軸で進行します。)
「ふぁーあ。」
とても大きな欠伸とともに、私は起きた。
私の名前は如月 アリス(きさらぎ アリスよ!ちゃんと覚えてね!)歳は15。
肌は白で髪は金。
私は綺麗ってよく誉められるわ!私はMARIAを移植してないけど、使えるわ!何故かしら?このことは誰も教えてくれないの!腹が立つわ!もう!私は今ワシントンタワー二階の居住エリアにいるんだけど、何だか今日は騒がしくて、私達タワーガードグラディエーターは町の巡回をしなくちゃいけないの。
ホント最悪。
それから3時間くらいたったと思うわ(とりあえず私のMARIAはそうだった)。
いきなり緊急戦闘警報が(私のMARIAに)きたわ。
場所は一階の開放区。
まああそこではときどき騒動が起こるけど、戦闘警報が鳴るのは初めて。
だから急いで下へ降りてみると、私は驚いてことばも出なくなってしまっていたわ。
だってそこに広がっていた光景は、……………。
だってそこには警備隊の人達が、少なくとも100人は倒れていて(全員が気絶みたいだったけど。
)、全員がある一点を避けるように、円を描いていたからよ。
その一点には……………、私に背を向けて男が立っていたわ。
鬼のような銀の鉄仮面をして全身黒の革服に身を包んでいて、右手にはまだ硝煙が立ち上る大口径の銃を握っていたわ。
きっとあの中身はゴム弾なのでしょうね。
私は……。
私はこんなときなのに、彼が格好良いと思ったわ。
一目惚れとはこういうものなんだと理解したわ。
彼はクルッと私の方を向きニコッと笑ったわ(感じがしただけだけど。
だって仮面のせいでお顔が見えないのですもの!)。
そして私に背を向けていって行ってしまったの。
その速さは…MARIAでも見えなかった。
その後また別の機動隊が来る気配がしたから、私は彼を追ったわ。
だってこの要塞で狙えるものといったら一つくらいしかないもの。
それは浮揚艦“ガルガンチュア”の設計図。
今製作中の艦で、日本の“ドラゴン”とも張り合えるってきいたわ。
それがあるのは中枢気密ブロック最上級保護区。
あそこはゴム弾なんかで突破できるようなところじゃない。
急いで特別兵士用エレベーターに乗って、中枢に向かう。
かぁーっ。
疲れる!なんだよもう!第1警備破っただけじゃん!なんだってあんな沢山機動隊くんだよ!ムカつく!今僕は最上級保護区に向かうため、上級保護区、第1警備を破ったところだ。
第8ブロックまであるはずなんだけど、これじゃ日が暮れちゃう。
MARIAの第1制限解除しようかなぁ?疲れたしな。
(第1制限っていうのは、僕が自分で禁止している能力で最高身体能力プログラムだ。)まあいいや。めんどくさいし。
「“第1制限解除”」
MARIAに向けてしゃべる。
力が放たれ、体中に“疾風”の力がみなぎる。
時速にして1000km以上。
音速の壁を破り、体に重圧がかかるが、もう慣れたことだ。
伊達に鍛えてるわけじゃない。
全力疾走から天井付近まで一気に跳躍する。
柵の一番上に空いている1メートルばかりの隙間を通る。
それと同じ要領で全ての柵を越える。
目の前にはエレベーターだけがある。
円柱で、天井を貫くその巨大なエレベーターは、何かとてつもない威圧感を感じさせる。
エレベーターに乗り、コントロールパネルにMARIAのコードをつなぐ。
意識でプロテクトを破る。
さすがに負担が大きい。
300のプロテクトを、最短記録1分で破り、エレベーターを最上級保護区に向けて発進させる。
「さあ、ここからが本番だ。」
独りで呟く少しの振動とともにエレベーターがあがりはじめた。