Prologue 2
『貴女のお爺様が、ワタシと貴女を繋ぎ合わせてくれたの』
そう話すStellaの姿は綺麗な黒髪、そして儚く消えてしまいそうなほどに真っ白なドレスを身に纏っていた。
言葉にならない美しさって、こういうもののことを言うんだろうなって、本能が理解してしまうほどにStellaは美しかった。
それと同時に、消えてしまいそうで壊れてしまいそうな怖さも感じてしまった。
「Stella、貴女はいったいどういった存在……なの?」
我慢できずにそんな質問をぶつけてしまう私に、Stellaはふわりと笑いかけながら答えてくれる。
『ワタシはヒトでありヒトならざるもの。だって、ワタシを形作るモノ全てをStellaと呼ぶのだから』
「なる……ほど?」
正直な話をしちゃうと、Stellaの言っていることは難しすぎて少ししか理解できなかった。
1つだけ私にもわかったことは、Stellaという存在を明かそうとすることが烏滸がましくて、不必要な事だってこと。
そこに存在しているものがStellaだというのなら、それ以上踏み込むことは誰にも許されないんだなっていう見えない圧を感じた。
それよりも、私はもう1つ聞きたいことがあったんだ。
「ねぇ、Stella」
『なに?Spica?』
「なんで貴女は今日ここに現れたの?」
『それは、ね?今日が貴女のお爺様の命日であり、満月の夜だから……って言いたいところだけれど、ワタシは時々この場所で歌を歌っているの』
「そうだったの!?」
『えぇ、そうよ。ここは、ワタシが1番好きな景色なの。ここから見る星空が、ワタシに……Stellaという存在に生きる価値を、存在意義を与えてくれる』
真剣に語るStellaの言葉。私は共感してしまう。
「私も貴女と同じ。ここから見る星空が世界で1番好きだよ」
『ふふっ、ワタシ達は似ているのかも』
「そうだね、歌うのが好きなところ、とか?」
そんな話をしていると、どこからともなくメロディーが流れ始める。
「これは……?」
『これは、ワタシの心が具現化したもの。今の心情を音に乗せて奏でている。それがワタシ、Stellaの楽曲なの』
「心を音に乗せて奏でる……」
『そう、心をそのまま音にしているからこそ、ワタシの歌は聴くヒトの心に響かせることができるの。世界をワタシの歌に染めることができるの』
Stellaはそう語ると部屋を出て花の咲き誇る外へと駆け出していた。
その姿は神々しさすら感じられるほどに綺麗で、そんなStellaを祝福するかのように空には燦然と煌めく流星群が降り注いでいた。
『Spica、貴女もこっちにおいで?よかったら一緒に歌いましょう?』
「私も……?」
『ワタシと歌うのは嫌?』
「そんなわけない!!むしろ私と一緒でいいの?」
『なにを言ってるの?良いに決まってるじゃない。さぁ、ワタシに貴女の音を聴かせて?』
「私の……音……」
そんなことを考えたことは今まで無かった私。改めて言われると、私の音ってなんだろう。ふと目を閉じて考えてみる。
『Spica……?』
Stellaの声がなぜか遠くに聴こえてくる。
深い思考の海に落ちていく。深く、さらに深く。すると、周りの音が全く聴こえなくなってきた。
急に反応が無くなってしまったSpicaを、Stellaは愛おしそうな、優しげな目で見守っていた。
『Spica、貴女もワタシと同じ世界に辿り着いているのかしら……ねぇ、お爺様?貴方という存在が繋ぎ合わせたワタシとSpicaのこれからを、楽しみにしていてくださいね?』
空に向かって言葉を紡ぐStella。その言葉に呼応するかのように、辺りに風が吹き始めていた。
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