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数百文字の物語

私の幸せ

掲載日:2025/08/17

 昔よく読んでた絵本を読み返した。

 少女が小さなどらごんのお友だちに


「あなたはわたしの宝もの。幸せそのものなの」


 そう言って、抱きしめる終わり。

 懐かしいな。


「あんたたちお風呂入ったのー?」

「今入るー」


 お母さんに言われて、わたしはソファを立つ。


「ねーちゃん、後でゲームの対戦してー」

「いいよー」

「姉ちゃんが風呂出たらお前もすぐ入れよ。ゲームはその後な」

「えー」


 お父さんに駄々をこねようとする弟の後ろを通り過ぎて、わたしは絵本を本棚にしまった。



「あったか〜」


 浴槽が狭いから、膝立てて半分寝転ぶみたいになって肩まで浸かる。


「……いーい湯ーだーな」


 絵本を読んで昔を思い出したからか、そんな歌が出てきて、歌詞が分からなくなったから後半鼻歌で続ける。


「幸せ、かぁ」


 ぽつりとこぼれた。

 小さい頃から、小さなどらごんを女の子が抱きしめるシーンが大好きで、よくそこだけ眺めていた。


「私の幸せって、なんだろう?」


 考えてみる。ゲーム? 漫画? スポーツ? それとも、ご飯やお菓子? ……もし世界で一つだけしか幸せを選び取れなかったら、どうするかな。私は――

 それまで自分のことしか考えていなかったのに、不意に家族や友達のことが出てきた。


「あ、そっかぁ……」


 わたし、意外と……というか、それが一番大切だったんだ。うん、そうだなぁ。もし他の全部がなくなっても、私は大切な人たちを選ぶな。普段気づかなかったけど、こんなに私、みんなのこと大切だったんだ。こんなに愛しいって気持ち、あったんだ。

 そう思ったら自然と頬が緩んできて、いつの間にかそこには涙が伝っていた。







読んでくださりありがとうございます。

作中の絵本はこちらの三枚目の絵をイメージしています。

https://www.pixiv.net/artworks/112389449

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