時間の波動性について
2024年memo
要旨:
本論文では、時間の波動性という新たな概念を導入することで、光子の粒子性と波動性の問題に対する新しい解釈を提案する。時間を空間に伝播する波動として捉え、光速をその伝播速度と仮定することで、光子の振る舞いを粒子性の観点から統一的に説明することが可能となる。本理論は、光速度不変性や特殊相対性理論との整合性を保ちつつ、量子力学における光子の振る舞いに対する新たな視点を提供するものである。
序論
1.1 研究の背景
1.2 問題提起
1.3 本研究の目的
2. 時間波理論
2.1 時間の波動性と光速
光速度は約299,792,458メートル/秒とされているが、本理論ではこの速度を時間が空間を伝播する速度と仮定する。質量のない光子は無限の速度を持っていると考えられるが、時間波の影響により有限の速度で移動しているように観測される。
2.2 光子の粒子性と波動性
時間波理論によれば、光子は本質的に粒子の性質のみを持つが、時間の持つ波動性によって移動中にのみ見かけ上の波動性を示すと解釈できる。この理論は、光速度不変性や特殊相対性理論における光速度の性質に変更を加えるものではなく、既存の法則と矛盾しない。
2.3 時間波の性質
時間波は、三次元空間の粒子に影響を与える波動性を持つものとして、時空や次元といった概念でも捉えることができる。時間は同一の系において拡散し、空間を伝播して物質の状態を確定させる。ある地点に時間が到達するまで、物質はその状態を確定しない。この時間の伝播は因果律に反しない。
3. 時間波理論による光子の振る舞いの解釈
3.1 二重スリット実験
光子の動きは時間波の影響を受けて波の性質を持っているかのように観測される。二重スリット実験では、光子が通過する際、状態が確定しておらず時間波の性質を受けている。観測とは光子が動きを止めた瞬間に状態が確定する事象であり、速度を失った瞬間に粒子の性質が確定する。
3.2 光の波長
時間波理論では、光子の波長は時間波との相互作用によって生じると解釈できる。この概念を理解するために、モーターボートの比喩を用いて説明する。
光子の振る舞いは、時間という名の海を移動するモーターボートに例えることができる。モーターボートの出力が高い場合、横から見たボートの上下動は小刻みになる。逆に、出力が低いボートでは、緩やかな上下動となるだろう。
時間波は空間を伝播する波動であり、その先端には時間の伝播速度限界(既存理論の光速)で動く壁が存在する。この壁は何者も超えることができない。光子はこの壁の前で停滞し、時間波との相互作用によって上下動する。この上下動が、光子の波長(または電波)として観測されるのである。エネルギーの高い光子は波長が短く、低い光子は波長が長くなる。この比喩は、時間波理論における光子の波長の解釈を直感的に理解するのに役立つ。従来の量子力学では、光子の波動性は物質波として説明されてきたが、時間波理論ではこれを時間波との相互作用として捉えることができる。この解釈は、光子のエネルギーと波長の関係を、時間波の性質から導くことを可能にする。
3.3 量子テレポーテーション
量子テレポーテーションにおいて光子のスピン方向に相関が現れる仕組みを説明するには、時間波理論とは別の論理の飛躍が必要となる。アラン・アスペらによって行われた量子もつれ状態の光子対を用いたベルの不等式の破れは、非局所性を示す証拠ではないと解釈できる可能性がある。
4. 議論
4.1 時間波理論の意義 時間波理論は、秒速30万キロで移動する物体が、現在では観測できない第三の存在からの影響下にあることを提案し、従来とは異なるアプローチから量子的活動を解釈可能にすることを目的とする。この理論は、光子の粒子性と波動性を時間波との相互作用で説明することを可能にし、量子力学の解釈に新たな視点を提供する。
4.2 既存理論との整合性
4.3 パイロット波理論との違い
4.3 今後の課題
5. 結論
参考文献
de Broglie-Bohm理論: Louis de Broglie, David Bohm
・Interpretazioni della meccanica quantistica con particolare riferimento alla teoria di de Broglie-Bohm Comparsi. Federico 2014/2015
・An experiment to distinguish between de Broglie-Bohm and standard quantum mechanics. Foundations Of Quantum Theory
二重解釈学 (Two-state vector formalism): Yakir Aharonov
・Aharonov, Y., Bergmann, P.G., & Lebowitz, J.L. (1964). Time Symmetry in the Quantum Process of Measurement. Physical Review, 134(6B), B1410–B1416. This foundational paper introduces concepts central to the Two-State Vector Formalism.
時空の熱力学的起源 (Thermodynamic origin of spacetime):
・Thermodynamics of Spacetime: The Einstein Equation of State
Ted Jacobson.
因果集合論 (Causal set theory):