4 VS 美奈子
吉岡と会った翌日。
美奈子から呼び出しがあった。
『夜7時に公園に来て』
もうパパ活なんて止めてくれるんだろうか。
どんなに俺が心配していたかわかってくれたんだろうか。
吉岡と別れる決心がついたのか。
そんな事を期待して、公園に向かった。
「なんで雄二を殴ったりしたの!!!」
え?
「だ、だってアイツに言われてパパ活なんてしてたんだろ?だから」
「余計なお世話だって言ったよね?!!!」
「け、けど、アイツはもう美奈子に強制はしないって……。」
「私は強制なんてされてない!!!私の意志でやってた事なの!!!」
え?何言ってんだよ、美奈子。
「雄二が大変な思いしてるんだから、彼女の私が助けるのは当たり前でしょ?!他人のアンタが余計なことしないで!!!」
他人……。
「いい?次余計な事したら、アンタの事許さないから!!」
「そんな…。美奈子、俺はただお前が心配で……。」
「何度も言わせないで!!余計なお世話!!!」
美奈子はそう言って帰って行った。
他人……。他人なのか。俺は。
何だったんだ?今までの俺たちの時間は……。
俺は美奈子の事を大事に思ってた。
美奈子はそうじゃなかったんだな……。
……けど!それでも!!!
美奈子にパパ活なんて止めさせたい!
美奈子にとって、俺は他人。
だったら、美奈子の家族に何とかしてもらうしかない。
美奈子の両親に話そう。
俺は美奈子の家へと向かった。
美奈子は家に居た。
美奈子の両親に家に上げてもらい、全てを話した。
話している最中、美奈子は今まで見た事のない鬼の表情で俺を睨みつけていた。
「美奈子!!何考えてるんだ!!!」
「何でそんなことしたの!!そんな彼氏なんてすぐに別れなさい!!」
「……お父さんもお母さんも関係ないよ。私が好きになったんだから!」
「そんなろくでもない男とは今すぐ別れろ!!俺は許さんぞ!!」
「そうよ!お母さんだって許さない!!」
「許してもらわなくたっていいよ。」
「美奈子!!!」
美奈子の両親でもダメなのか?
「拓海君、教えてくれてありがとう。後は、私達家族が何とかする。」
「ええ、そうね。拓海君ありがとうね?」
そうして、俺は美奈子の家を出た。
家を出る直前、美奈子がボソッと呟いた。
「絶対に許さない。」