3 VS 美奈子の彼氏
翌日、美奈子の友達に美奈子の彼氏の大学を聞き、写真も見せてもらった。
美奈子の隣で笑っている男は、金色の長髪、目の下には濃いクマ、ヒョロっとしていていかにも不健康そうだ。
名前は吉岡雄二。
なんでこんなヤツが?
長い間一緒に居て、身体も鍛えて、勉強も頑張っていた俺じゃなくてなんでこんなヤツと?
……とにかくコイツに会って話を聞いてみよう。
もし、ホントにコイツが美奈子にパパ活なんてさせてるんだったら、ぶん殴ってでも止めさせてやる!
そう考え、放課後教えてもらった大学へと向かった。
沢山の学生の中からソイツを探すのには苦労した。
探し回る事四日目。
ついにその男を見つけた。
「あの、ちょっといいですか?」
「は?なに?」
「吉岡雄二さんですか?」
「そうだけど?誰?アンタ?」
「俺は高田美奈子の友達の浅川拓海っていいます。」
「へえ。そのお友達が俺に何の用?」
「ちょっとお話があるんで、そこの喫茶店までいいですか?」
「おごり?」
「は?え、ええ。飲み物は奢りますよ。」
「なら、いいか。」
なんだ?コイツ?
喫茶店へと二人で入った。
「で?話って?」
「単刀直入にお聞きします。美奈子にパパ活させてるってホントですか?」
「ああ、まあ、俺カネに困ってんだよね。」
ぐっ!!コイツ!!!
「な!なんで、そんな事を?!」
「なんでって、俺の家貧乏でさあ。大学の授業料までは何とかなってるけど、生活費とかキツイんだわ。」
「だ、だったら自分で稼げばいいだろーが!」
「そうは言ってもよ?俺もバンド活動とか忙しいんだよねー。」
「だからって、何で美奈子にそんなことさせるんだよ!!」
「いや、だってよ?美奈子イヤって言わねえし。」
「アンタ彼氏だろ?!頭おかしいのか?!」
「なにキレてんだよ?お前に関係ないだろ?」
「フザけんな!!美奈子はそんな女じゃないんだよ!!」
「それをお前が決めんの?」
「俺は美奈子の幼馴染だ!小さい頃からずっと一緒だったんだよ!!」
「だから何?ただの幼馴染だろ?関係ねえだろーが。」
ただの……幼馴染……。
「とにかく、お前なんかお呼びじゃねえんだよ。帰んな、坊や。」
「……表に出ろ。」
「はあ?分が悪くなりゃ暴力か?カッコいいねえ!」
「うるせえ。とっとと出ろ。」
裏に連れて行き、二、三発殴った。
「痛えな、おい!」
「もう美奈子にそんな事させんな。約束しろ。」
「へーへー、わかったよ。俺から美奈子には何も強制はしねえよ。」
「もし約束を破ったら、次はこんなモンじゃ済まさねえからな。」
「わかった、わかった。降参!」
「よし、じゃあ帰っていいぞ。」
そう言って吉岡と別れた。