表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

1 拓海と美奈子



「美奈子、俺と付き合ってくれ!」


「……ごめん、やっぱり拓海のこと幼馴染としてしか見れない。」


「そ、そっか。」


また玉砕してしまった。


俺は浅川拓海(あさかわたくみ)。高校二年生。


自慢じゃないが、身長は平均より高く成績も学年で五位以内をキープ。


スポーツも大体得意、女子からも何回か告白されている。


その告白を断っている理由が、今目の前に居る俺の幼馴染、高田美奈子(たかだみなこ)


長い黒髪、キリっとした目つき、整った顔立ち、自分に厳しく人に優しい、高校生にして抜群なスタイル、長所を挙げればキリがない。


家が近所で、幼稚園の頃から仲が良かった。


家族ぐるみの付き合いもある。


幼い頃は友達として大好きだった。


小学校高学年になると、一人の女の子として意識し始めた。


その頃から多分好きだった。


美奈子に好かれるため、勉強に運動にと努力した。


身嗜みにも気を使い、女子から告白されるようにもなった。


中学一年生のころ、ハッキリと自分の気持ちを自覚した俺は、一度目の告白を実行した。


「家族みたいな感覚しかない」という返事だった。


まだ努力が足りないと思い、自分磨きに必死になった。


中学では成績はトップ、バスケ部ではキャプテンも務めた。


そして中学卒業の日。


二度目の告白に踏み切った。


返事は変わらなかった。


この時の俺は自分磨きに必死で、美奈子との距離を縮める努力が足りなかったと思い、高校も一緒だったので、美奈子と出来るだけ一緒に過ごせば変わると信じて行動した。


休みの日には一緒に出掛けようと誘い、学校のある日は朝家まで迎えに行き、学校では昼食を一緒に摂り、放課後は出来るだけ一緒に帰った。


そして、今日。


三度目の正直を信じての告白。


だが、ダメだった。


どうすればいい?


どうしたら、美奈子は俺を男として見てくれるんだ?


一体何が足りないんだ?


わからなくなっていた。


三度目の告白から2か月後。


「おはよう、美奈子。」


「おはよう、拓海、ちょっと話があるんだけど……。」


「うん?なに?」
































「私、彼氏が出来たの。」















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ