表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスメイトを全員殺された俺はその魂を武器にして復讐する  作者: アキライズン
禁幕 その3

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/121

禁話 警告 

警告


この話を読んではいけません。


禁幕は世界観が崩れる危険性があります。


禁幕は本編とは関係ありません。


不快に思う方は是非読み飛ばして下さい。

 

 頭上で爆音が鳴り響く。

 柊木ひいらぎが城に仕掛けた爆薬は、かなり計算されて設置されていたのだろう。

 時間差で爆発し、連鎖反応で城が崩壊していく。


 研究室のモニターから、いずみ柊木ひいらぎの戦いを眺めていた。

 スキルの数だけなら互角かもしれないが、潜ってきた死戦

 が違う。

 柊木がとった最後の手段は正解だ。

 しかし、それでも恐らく、泉が止まることはないだろう。


 カメラが上空からのドローンカメラに切り替わる。

 城の瓦礫から、最初に出てきたのは、やはり泉だった。


『……シャルロッテっ!』


 すでに泉は、柊木ではなく、シャルロッテを捜している。

 血塗れで、ボロボロで、今にも崩れてしまいそうなのに、復讐の炎は揺るぎなく燃えていた。


 地下室に彼女がいることがわかっているのか。

 瓦礫を掻き分け、その入り口を捜している。


「ゾクゾクするわね」


 俺の背後でモニターを眺めていたシャルロッテが、そう言った。

 柊木の幼馴染み、かえでの黒い髪は、すでに金色に変色していた。


「柊木が勝ったらその身体は返すのだろう。変形させて大丈夫なのか?」

「大丈夫。勝てないから」


 モニターの泉を嬉しそうに眺めながら、シャルロッテは笑う。


「彼は私にしか倒せない。そして、私も彼にしか倒せない」

「はっ、まるでロミオとジュリエットだな」


 物語はクライマックスに向けて加速している。

 いつまでも、ランキング上位に居続けることなどできない。

 観測者オブザーバー達は常に新しいものに目を向け、古いものを切り捨てていく。

 もう、シャルロッテはすべてを終わらせるつもりだ。

 そして、最後の相手として、泉を選んだのだろう。

 だったらもうこれ以上、観測者オブザーバー達を喜ばせなくてらいいんじゃないか?


 瓦礫の中で足掻く泉を愛おしそうに眺めるシャルロッテに話しかける。


「なあ、気づいているのか?」

「なあに? ピーーくん」


 俺の名前にピーー音が入る。


「あいつら、この場面も見ているぞ」


 その言葉に、シャルロッテの首がギュルンっ、と真後ろに反転する。

 まるでホラー映画のような、人間には不可能な動きだった。


「警告」


 感情のない声がシャルロッテの口から聞こえてくる。


「このシーンを観てははいけません。禁幕は世界観が崩れる危険性があります。禁幕は本編とは関係ありません。不快に思う方は是非飛ばして下さい」


 棒読みでそこまで言った後、シャルロッテが俺の頭を掴む。

 物凄い力でねじられて、コルクを抜くように頭が首から引きちぎられた。


 シャルロッテが天井に向かって、俺の頭を投げつける。

 仕掛けてあったカメラにぶつかった瞬間に……


 プツンと、すべてが暗転した。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ