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クラスメイトを全員殺された俺はその魂を武器にして復讐する  作者: アキライズン
第七幕

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73話 誓い

 

「こっちに向かってるゾンビ、どんどん増えてるよっ!」


 宇佐うささんが機械虫を飛ばして、こちらに向かってくるシャルロッテを偵察してくれた。


「今までに倒した魔物が全部ゾンビになってるっ。リザードマンやハーピーまで加わってるよっ!」


 それをシャルロッテが引き連れているのか。

 そうだ。

 彼女が魔物に襲われている所を見たことがなかった。


「どう考えても勝ち目がないよっ! 早く、ここから逃げようっ!」


 確かに、そんな数のゾンビには、勝てないかもしれない。

 それでも……


「……ダメだ。名波ななみさんたちを、このままにしたくない」

「で、でも、もう、名波さんたちはっ……」


 わかっている。

 これはただのエゴだ。

 それでも、ゾンビになった仲間たちを、こんな惑星で放置したくない。


「俺は逃げないよ。そうしないといけない気がするんだ」


 スキルも使えない俺が、大量に押し寄せてくるゾンビに勝てるはずがない。

 それでも、それを率いているのシャルロッテと会話をすることぐらい出来るはずだ。


「みんなは本陣の方に合流してほしい。俺も後から……」

「……また、そうやって、自分を投げ出してっ! 名波ななみさんは、いずみくんに、そんなこと、望んでないよっ!!」


 宇佐さんは今にも俺に掴みかかりそうだった。

 それを佐々ささきさんが後から、押さえている。


「うっさー、やめよう。言っても無駄だ」

「でもっ、さっさんっ!」

「とっきーも予知ができないみたいだし、何が最善かわからない。ボク達は本陣に向かって、助けを求めよう。誰か協力してくれるかもしれない」


「うざっとき」のリーダー格、佐々木さんの言葉に宇佐さんがしぶしぶ了承する。


「じゃあ、俺様も残るわ」

「……鰐淵わにぶちくん」

「仲間をゾンビにされて黙ってられるか。小日向こひなたを殴る前に、あの女に一発、お見舞いしてやる」


 鰐淵くんが拳を握り、バキバキと鳴らしている。


「私も、あんな姿になったななみんを休ませてあげたい」


 名波さんの友達だった野田のださんも残ることになり、テントの中にいる6人は、ちょうど半々に分かれることになった。


「第二部隊の四人はどうするの?」


 隣のテントで休憩している四人は、ゴーレムとの戦闘で疲労が激しい。


「彼らも、本陣と合流を……」

「ええっっ!?」


 いきなり、宇佐さんが素っ頓狂な声を上げる。

 その近くに新しい機械虫が飛んでいた。


「ちょっとまって。本陣、移動してるよ。ここを避けるように、別ルートから砂漠に入ってるっ!」

「あの野郎っ、俺様の第四部隊だけじゃなく、第二部隊も切り捨てるつもりかっ!」


 小日向こひなたくんも、こちらに向かってくるゾンビの集団に気がついたのだろう。

 俺たちがゾンビに襲われてる間に、一気に城を攻め落とすつもりなら確かに犠牲は少なくなる。


 でも、それだけじゃ駄目だ。

 もう、誰も死なせたくない。


『私の内部に仕掛けられた爆弾が爆発すると教会は跡形もなく吹っ飛びます。威力は、そうですね、救世主のみなさまが核爆弾と呼んでいる爆弾と同じくらいものです』


 シャルロッテは確かにそう言っていた。

 上手くやれば俺一人でゾンビもシャルロッテも、すべて片付けることができるかもしれない。


 もう二度と一人で勝手に行動しない。


 そう誓った仲間は、すでに人間ではなくなっているのだから。






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