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クラスメイトを全員殺された俺はその魂を武器にして復讐する  作者: アキライズン
第一幕

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16/121

14話 狙撃

 

「あらあら、私、大ピンチですね。爆発しちゃいますよ?」


 そう言いながら、囲まれたリザードマンから逃げようともしないシャルロッテ。

 だが、前回のゴブリン戦と違い、シャルロッテの周りには俺たち役立たずの第八部隊しかいない。

 誰も彼女を助ける事が出来ないのだ。


「やばいねぇ、爆発かぁ、痛くないといいなぁ」


 背中に背負った田中たなかくんは既にあきらめていた。


 リザードマンの一匹が鋭い牙で、シャルロッテの首に噛み付こうとする。


 ぼんっ、という破裂音。


「きゃあああああ!」


 ぶりっ子の河合かわいさんの悲鳴をあげる。

 シャルロッテが爆発し、すべてが終わったと思った。

 だが、爆発したのは、彼女に噛み付こうとしたリザードマンの頭だった。


「お見事ですね」


 リザードマンの緑色の返り血を浴びても、平然と笑うシャルロッテ。

 続けてシャルロッテを囲んでいたリザードマンたちの頭が次々に破裂して、爆発する。


「なんだっ、狙撃かっ」


 デブの森山もりやまくんがこんな時でも、板チョコをかじりながら叫ぶ。


 第七部隊 隊長 女子 出席番号1番 あかつき 弥生やよい


 姿は見えないが彼女に間違いないと確信する。

 ゴブリン戦の時、暁さんはライフル銃のようなものを装備して戦っていた。

 ゴブリン迎撃数ではクラスでトップだったはずだ。


 ミリタリーオタクでクラスメイトに趣味の合う人がいない暁さんは、いつも教室の隅で一人、サバイバルゲームで使うエアガンを磨いていた。


 かなり離れた位置から狙撃しているのだろう。

 小日向こひなたくんの命令なのか、暁さんの独断かわからないが、それは俺たちにとっても救いとなった。


 岩影に隠れているだけで、シャルロッテを襲っていたリザードマンが次々と倒されていく。


「いやぁ、これはまさに飯うまですなぁ」


 本当におにぎりを食べながら、その様子を見学する森山くん。

 名波ななみさんは、リザードマンの頭が破裂するのを凝視できず、岩影でうずくまり震えている。


「お、おわったのかな?」


 河合さんがびくびくしながら様子を見る。

 シャルロッテの周りのリザードマンは全て淘汰され、残りも川の上流に戻っていく。


 気がつけば、俺達以外の部隊も見当たらない。

 かなり上流まで移動して戦闘しているのだろうか。

 このまま、引き離されるのは、不味いかもしれない。


「みんな、移動しよう。合流しないと取り残される」


 皆で岩影から出て移動しようとした時だった。

 こちらを見ているシャルロッテの額に赤い点のようなものが見えた。


 レーザーポインターだ。


 反射的に俺は叫んでいた。


「伏せろっ!!」


 破裂音と共に、血飛沫が舞い、目の前の景色が赤一色に染まった。




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