第三話【これってどういう状況?】
ここまで書きましたが凄く難しいですね。
もっとスラスラーっと書けるかと思っていた自分が憎い❗
「私が気になったことの説明がついたな。では、私のことも話そうと思う」
この言葉にアイシスは動揺した。正直あちらさんの謎が解けた今、このまま解放されるのかもしれないと思っていたアイシスにとってこの言葉は寝耳に水だった。
(いやああぁぁ聞きたくない聞きたくない!これ聞いちゃったらもう日常に戻ってこれないじゃん!)
そんな思いもパッキリと折られ急に自分語りを始めたレインを止める暇もなくあちらの事情を聞かされてしまうアイシスだった。
「そちらも確信している通りあの森での殺人は私が指示したものだ。しかし、これは不当な殺人ではない。この国の国王からの勅命だった。」
「え?」
てっきりレインの政敵か何かで邪魔者であった彼らを殺したのだと思っていたアイシスは予想外の話に目を瞬く。
「夜会で挨拶はしたと思うが改めて名乗ろう!私はレイン・ダナト。汚職をした貴族やテロリストなど国の敵になるものを殺し、国の繁栄を確実のものにする役割を持つ暗殺貴族、ダナト伯爵家の嫡男だ。そして君はステイメン子爵のご令嬢アイシス嬢だね?」
ダナト伯爵家が開いた夜会に出ているのだから顔も名前も割れているということには驚かなかったがまさか私のような地味顔を覚えられているとは思わなかった。
「えっと、私の顔すごく覚えづらいと思うんですけどわかるんですか?」
とんでもなくすっとんきょうな事を言っている自覚はあったが聞かずにはいられなかった。
「当然さ、私のターゲットはこの国の貴族全員がなりうる。いつかターゲットになるかもしれない人たちを覚えられなくてどうする。全ての貴族の名前と顔は一致させられるさ。」
アイシスは澄まし顔でとんでもなくハイスペックな事を言っているレインに少し引きつつも少し嬉しい気持ちもあった。ほとんどの人から地味すぎて認識されない時もあった自分の顔を覚えてくれている人がいた。それだけで嬉しかった。そして自分がこれまで名乗りさえしなかったのを思いだし慌てて自己紹介をする。
「え、えっと、申し遅れました。ステイメン子爵が長女アイシスと申します。って知っているんでしたよね、
すみません」
我ながらおかしな自己紹介になったことに少し落ち込む。
しばらくの静寂があり、アイシスはやっぱりこの不躾ですっとんきょうな自己紹介がお気に召さなかったのだろうかとビクビクしていると不意に笑い声が聞こえてきた。
「ク、ククク、ハハハ」
「……!?」
突然レインが笑いだしたのだ。アイシスはこの状況がわからずオロオロしたがレインが次に発した言葉に落ち着きを取り戻した。
「いや、両手を縛られて監禁状態の中挨拶をかましてくれた人は初めてだよ。あぁ面白い」
確かにその通りだ。ここはまず名乗るのではなく悲鳴をあげるところだろう。まぁレイン伯爵令息のことだから悲鳴をあげられるリスクを考えてないわけはなく、対策をとられていたわけではあったが。そうしてひとしきり笑ったレインはこの後衝撃の言葉を発した。
「フフ、我が家の秘密を知ってしまった君に選択肢をあげよう。一つ、私の妻になってこの秘密を共有し続けること。二つ、秘密を持ったまま病死する。さぁどちらが良い?」
この究極の選択にアイシスは心の中で悪態をつく。
(話してきたのそっちじゃん!なんでそんなことになってるの?ていうか病死ってなに?さっきのギアスで私のこと殺せなくなってるじゃない。ハッタリ?)
用心深くレインの顔を観察しているとわかっているとでも言いたげなレインは言った。
「ギアスのことかい?あのギアスはあくまでも君が自分の体質を言わないことに対しての誓約であってこちらの用件とは関係の無いことだ。それに、あの森での事を見た時点で君の未来は先程まで病死だった。僕が君を面白いと思ったから生き残れる道を提示したんだがな。さて、もう一度聞こう。妻か病死か選んでくれ」
「……妻でお願いします。」
「賢明な判断だ」
アイシスは心の中でとんでもないことに首を突っ込んじゃったなぁと思いながら深く深くため息をついた。
また今回も読んでくださりありがとうございました。
急な展開ですが許してください。。(〃_ _)σ∥
私にはこれが限界です。(三話目で限界とか言ってる)