魔術は平気そうです
どうも、にっしーです
ブックマーク数が、10を超えたみたいで、ありがとうございます○┓
滅茶苦に茶嬉しいです。
感謝を込めて、今日はもう1話投稿、とかはしません。申し訳ありません○┓
それでは続きをどうぞ。
―――とある神界―――
「カイルさん、まだ、思い出さないのですか?私の事だけ?え?もう三歳になりましたよね?教会で何時でも会えるって言いましたよね?何故ですか?私の事が嫌いなのですか?嗚呼神よ、どうかカイル様に記憶の、ここでの私との記憶を思い出させてください…お願いします…………………………………………いや、まてよ?私が神様なんでしたよね!?って事は、私がそれやればいいのですね!」
どうやらこの神様は、一瞬言葉使いが怪しくなる程度には思い出してもらえないのがショックなようだ。
この神様が、変に贔屓するのもそう遠くなさそうな…
「カイルさん!いや、カイル様!私、直ぐに思い出させてあげますね!」
設定も何もかも忘れて、なりふり構わなくなる未来しか見えなくなってきた女神メリルダだった。
―――カイル視点―――
「ふぁ〜朝だっっ!!??また、頭が!割れる!今度は!何なんだ!」
神様の我儘で久し振りの激痛に襲われるカイルがいた。
暫くすると、カイルがもう一度目覚めた、およそ半刻程振りのお目覚めだ。
「はぁーー……メリルダめ……申し訳ないのはあるが、これは酷いだろ…」
そう、先程の激痛は女神メリルダの我儘が引き起こしたものだ。詳しく言うと、メリルダが何時までも自分の事を思い出してくれず、全然逢いに来てくれないのが気に食わなかったため、強制的にメリルダとの神界でのやり取りを思い出させたのが原因だ。
久々に、急にあの激痛で流石に耐えられなかったカイルが、また気絶した。もう二度とないとは思うが、全力でやめて頂きたい。しかし今回は、それほど多くの情報量でもなかったため、ちょっと声に出して、少し気絶するだけですんだ。
「まったく…今日から魔法の勉強なのに朝から酷い目にあったな…」
そう言いつつ、朝食のため、一階へと降りる。すると、先程起きたばかりなのか、少しウトウトしているベリーが、椅子に座っていた。が、カイルを見つけた瞬間…
「お兄様!お、おはようございます!昨日はよく眠れましたか?ベリーは今日も夢にお兄様が出てきて幸せでした!」
さっきまでの眠気など一瞬で彼方へと飛ばし、えへへーと笑うベリー。今日も朝から可愛いなぁ、さっきの事はお咎めなしにしよう。うん。と、微笑むカイル。
完全に顔が兄を通り越して父のそれである。
ベリーと一緒に屋敷の庭で魔術師の団長さんをまつ。名前なんだっけな、リリム…さんとかだっけ?そんなんだよね?
すると門の方からフードを深くかぶったいかにも魔術師って雰囲気の人がやってきた。会う人皆その人に一礼していく。あ、この人がそうだね。そして俺の前まで来て、一度礼をしてから喋り出した。
「貴方達がカイル様とベリアス様ですね、私は第一近衛魔術団団長リリムと申します。今日からは貴方達に魔術の訓練をつけさせていただく者です」
うーん、何かちょっと暗いイメージのある人だな。フード取らないし。まぁいっか。
「はい、よろしくお願いします。俺がカイル、こっちが妹のベリアスです」
そう言って挨拶をし、ベリーを紹介すると、リリムに一礼した。可愛いな。二歳とは思えん。
「ありがとうございます。では、何処か木陰にでも移動しましょう。そこで、先ずは知識を身に付けていただきます」
「わかりました。ベリー、頑張って勉強するんだよ?」
「はい!お兄様!頑張ってお兄様を支えられるようになりたいです!」
木陰に移動し、早速リリムさんから魔術について教わる。
魔術によって起きる現象は、全て魔力によるものらしい。そして、それにはイメージする事がとても重要で、そのイメージよって同じ魔力量でも威力、精度、効果等全て変わってきてしまうという。そのため、一般的には呪文が使われるという。なので、教える際は基本的に、呪文を教えて、その結果どうなるのかを実際に見せていくのだそう。そうする事で、あの呪文を唱えれば、ああいう結果になると分かっているので、スムーズに魔術が使えるらしい。ま、よく分からんだろうが。
じゃあ、教えてもらえないような魔術はどうやって覚えるのか、それは魔術本を見て術の名前と、呪文と、起こる現象をきちんと理解しないといけないらしい。なので小さい頃は慣れさせるために呪文と結果を教えて、こういう事が起こるのは分かった、なら別の呪文で違う結果が生まれたりしないか、というふうにイメージ力を強めていくらしい。こうしてイメージ力を高めておけば、本を読んだ時に、現象をイメージしやすくして、新しい魔術を覚えていくらしい。よく、分からんだろ?
ま、皆も忘れてるかもだけど、俺、前前世が誰だか知ってるよね?魔術を使うくらい余裕余裕。でもまぁいくらか前の事だからな、何か新しい知識や魔術があるかもしれない、なんてことも無かったよ。何ならシリウスが使ってた魔術、他のみんなは知らないまである。それもうオリジナルじゃん、シリウス凄いな。ま、ベリーの為だから付き合うけどな!
と、そんなこんなで知識の勉強は終わった。それでこの後どうするのか聞いてみた。
「たいした自己紹介もしていませんでしたね、申し訳ありません。何か聞きたいことはありますか?魔術の事でなくても構いませんよ」
おぉー、そんな事言うとは思わなかったな。さっさと終わらせてさっさと帰りたいのかと思ってたよ。そこで、ずっと気になっていたことを聞いてみることにした。
「じゃあ、リリム先生、先生は何でずっとフードをかぶってるんですか?」
「まさか、それを最初に聞きますか…まぁ言ってしまったものは仕方ないですし、周りに誰もいないのでお答えします。私は所謂忌み子という者です」
そういってリリムさんはフードを取った。すると、現れたのは綺麗な顔に、綺麗な黒髪の美女だった。確かに他の妖狐種と同じ耳や尻尾はあるが、そのどれもが黒かった。金色で無いのを見るに、恐らくは忌み子と言われる理由はそれなのだろう。俺はまったく気にならないが。
「黒い髪、なんですね…?」
ベリーがそう言うと、リリムは少しビクリとして、俯く。
「そう、この色のおかげで今まで色々なことを言われてきました。ずっと独りでした。ユリシアは、普通に接してくれましたが…。お二人も、黙っていて申し訳ありませんでした。嫌なら嫌と言っていただければ、他の者と変わります」
そう言って、悲しそうな顔をする。そんな顔が似合うわけもないのに。第一俺は黒髪は違和感なんて全くない。確かに狐は金のイメージが強いが、黒は黒でいいと思うんだが…
「いえ、リリム先生、少なくとも俺は、黒いからどうとかこれっぽっちも思ってませんよ。何なら親近感さえありますが」
「べ、ベリーも!黒いのとか、忌み子とか、よく分からないので!気にならないです!」
全く出来た妹だぜ!空気が読めるなぁ!
「しかし…」
「俺らもこう言っているんだし、いいじゃないですか。俺らの前でくらい、気にしない時間があっても、いいじゃないですか。その方が、気楽でしょう?」
「はい…ありがとう、ございます…」
そうお礼を言って涙するリリムさん。いくら実力があろうと、いくら慣れているといっても、やはり独りでいるのは辛かったのだろう。だから、ユリシアさんの存在はとても大きかったのだろう。そんな存在が、二人くらい増えても良いのではないだろうか。そして多分、お母さんとお父さんも全く気にしないと思う。てか、リリムさんが近付かないだけで、話しかければあの二人なら普通に接するはずだ。そんな小さい器の持ち主ではないからな。自慢の両親だし。
「そういう事なので、これからもよろしくお願いしますね、リリム先生」
「はい!私、精一杯頑張りますので!二人の先生を、やりたいので!これからも!よろしくお願いします!」
今までのが嘘のように元気になるリリムさん。うん、こっちの顔の方が可愛いよ、よく似合ってる。いい事をした気分だ。
「それでは、今日はこのくらいにしましょうか。俺、この後行きたい所もありますし。」
「そうですか、なら今日はここまでということで、明後日からも、楽しみにしてますね」
「そうですね、楽しみにしてます」
「ベリーも!楽しみです!」
「リリム先生、今日はありがとうございました」
「いえ、私の方こそ、ありがとうございました。それではまた」
そう言って帰っていくリリムさん。その後ろ姿は、なんだか嬉しそうだった。
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