最初の人生
どうも初めまして、にっしーです。
あらすじを考えるのが一番苦手です。
今回この作品が初めてとなりますので誤字脱字等読みにくいことが多々あると思います。その際は遠慮なく申し付け下さい、出来るだけ直していこうと思います。最初の頃は文法や表現の仕方、キャラの個性がぐちゃぐちゃになっているかも知れませんがおいおい直していこうと思います。ですので、気になるようでしたらその際もご指摘お願いします。
「お主も逝ったか…」
そこはとても広く、見渡す限り何も無い草原だった場所。
その日は天気がとても良く、日向ぼっこには最適になるはずだった場所。
そしてそこに佇む老人は立つのを止めて、共に戦った戦友だったモノの隣に腰を下ろし言った。
「なぁ、コレには本当に意味があったのかのう?」
しかし誰からの返事もなく、風の音だけが聞こえる。
「あれだけ多くの人が戦って、仕えるべき人も戦友も部下も失って、沢山の人が死んでいった中で何故儂だけが生きておるのかの…」
「こんな事が本当にあるなんて、なかなかに信じられんわ…」
その老人は誰もいない場所に向かって呟いていた。否、先程まで戦友がいた場所へと向かって呟いていた。戦友が死んだのは知っているが、やはりこの歳になると一人は寂しいのだ。たとえ間もなく自分も戦友の後を追うと分かっていても、寂しいのだ。だから独り言が増える。この歳にして、この状況で、寂しさを覚えた。そんな戦争になった。
これは考えずとも分かる、歴史に名を残す戦争だと。この場所以外ではまだ戦闘が続いているのだとは思うが、この戦場だけを見ても規模と壮絶さがしみじみと伝わってくる。これだけの戦をしていて歴史に残らないはずがなかった。
―――戦争の発端となった話をしよう。
この大陸には異なる知性を持った種族が、いくつか存在していた。
主に人族·獣人族·エルフ族·ドワーフ族·魔族が存在し、他にも人口は少ないが種族がいくつか存在している。後は大した知能は持たないが魔物がおり、これらは大量の数がそこらじゅうに生息していて冒険者や商人、時には一般市民までもを襲う。
この種族の中でも魔族という者は血の気の多い者が多く身内以外の種族とちょくちょく、小競り合いから大戦争まで様々な戦闘を繰り広げていた。しかも魔族の個々の能力がとても高くどの種族と争っても対等以上に戦えてしまうのも大きな要因だった。
そして、今回は類稀に見る大戦争だった、そう言うのも、魔族が多くの魔物を従えて来たのだった。これによって今まで喧嘩を売られた種族とその近くの種族とで相手をしていたのだが、魔物を従えたことによって、魔族以外の種族が束になってギリギリという規模にまで拡大していった。
どうやら魔族は魔物達の長となるようなモノと意思疎通をし、他種族という名の餌を与え従えていたよだ。魔物達は魔族の指揮の下計画的に行動する事で、今までよりも遥かに多くの餌を得ていた。それにより今回の大規模な戦争を行っていたのだった。
そして話は老人に戻る―――
ここに居る老人が参加していた一つの戦闘は恐らく、この戦争全体を見ても一番の大きな戦闘だったと思う。それこそ、この一戦で勝敗を分かつと言っても過言ではない程の。
総数は連合側は全体の約半数、魔族側は約七割の数で、本来は勝利出来る道理は無いのだが最強と言われているこの老人とその仲間達が居たこと、魔族側がこの老人達を甘く見ていたのが今回勝てた一番の理由だった。伊達や酔狂で最強のなを有しているメンバーでは無いのだ。しかし、最強の名を欲しいがままにするのもこれで最後のようだ。
「そろそろじゃな…」
「間もなく後を追うことになりそうじゃ」
そう呟いた時、連合側の兵士と思われる一団がやってきた。
「こ、これは…いったい…」
そうして、あまりに酷い戦場の惨事を目の当たりにして、驚きを隠せずにいた団長と思われる人物が戦場の真ん中で地面に腰を下ろす老人に気が付いた。
「し、シリウス殿!?ご無事ですか!?私は第十五大隊隊長メルギンと申しま……シリウス殿、魔力が尽きて…おい!誰か衛生兵を直ぐに寄こせ!」
「よい、もう助からん…それよりこの戦場は我々の勝利だ、お主らははやくほかの戦場の援護に行け」
「シリウス殿…」
間を開け、メルギンと名乗った団長がが吉報を告げる。
「戦争は我々の勝利です…しかし貴殿等のご活躍がなければ…それに我々も生き残ったのは全体の一割程です。それで…『獣王』様と『皇帝』様は何処へ…」
「その二人なら華々しく散って逝った…およそ十万の兵を、他の戦場に回すためにな…」
「私の戦っていた近くの戦場が、急な援軍により勢力を増し形勢を逆転させることが出来たと言っていましたが、それが理由でしたか…そのおかげでエルフ族の長を救えたと喜んでいましたが…」
獣王と皇帝は他の味方の部隊が危機的状況と知ると直ぐにその命令を出した。エルフの族長が居ると知っていて下した部分は大きいがそれでもそう易々と自分の身は二の次に出せる命令ではないだろう。しかしこの二人は瞬時に判断したのだ、自分達よりもエルフ族の方が遥かに長生きであり、この酷い戦いを後世まで残せるのはハイエルフであるその長だけなのだ。シリウスもそれは理解していたが、それでも主を失ったのは辛かった。
「儂も居たのにすまぬ。遺体は残っておる、回収しておいたから手厚くもてなせ。ちゃんと、戦友の所へ送ってやるのだぞ。儂もそろそろ会うことになりそうじゃ、その時にこの吉報は報告しておいてやる」
その言葉を聞いた者達は静かに頬を濡らし、メルギンが代表して綺麗な敬礼をしつつ言った。
「はっ!残ったの者達を総動員して必ずや盛大に送り届けますっ!」
各種族の長は血筋も去ることながら戦闘能力がとてつもなく高い。長とはいえ稀に表立って戦闘行為を行う者もいる。そういう時は決まって多くの兵や民の為に闘う。少数ながら精鋭揃いの側近を隣に残しその者らと共に最後の戦闘を行うこととなる。その場合このように残された者は全員が参加するのを義務付けられ(断る者も居ないが)、盛大なセレモニーを行い、畏敬の念と嗚咽をこらえた笑みを天へ届ける。
「エルフ族の『族長』殿も必ず参加してくださるでしょう。貴殿等は我々の誇りです」
「そうか…」
その返事を聞いて安心したシリウスは、これで最後と思い目を瞑る。それに気付いたメルギンがはっ、っと息を呑む。
「シ…リウス殿?…どうか安らかに、お眠りください…」
そしてシリウスは二度目となるメルギン達の綺麗な敬礼を受け、長い長い永遠の眠りについた。
お読み頂きありがとうございます○┓。
これからの主人公の事は少ししか考えていませんが、なるべく矛盾しない様には頑張っていきたいと思います。笑
なので何かありましたらよろしくお願いします。
それから、投稿頻度は早くないと思いますのでその辺はご了承ください。
どの位続くか分かりませんが、これからもよろしくお願いします。