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7 旅立ち

まずは闇の精霊を助けるたびに出ます。

「いいのかヒジリ。ほとんどの獣や魔獣はお前を慕っていたのに置いてきて」


「ヒデにーそれは言わないでよ。私だって連れていければ連れていきたかったわよ。でも、いいんだ。この白虎のアイちゃんがいれば。だってモフモフだよ。いいでしょ。」


ヒジリの白虎モフモフ至高発言を聞いて俺より雷の精霊が白虎の毛皮の中から飛び出して妹の頭の上に飛びのって髪の毛ビリビリと静電気で逆立てた。


「聖女様。アイだけでは戦乙女バルキリースタイルに変身できませんよ。聖女様がまだ見たこともない可愛い魔獣と友達になりたくはないんですかね~」


雷の精霊は俺の中で潜伏している中二病ウイルスを活性化させる。


「ヒ・・ヒジリちゃん・・・いや、雷の精霊の・・・ボル・トだっけ・・・そのなんだ・・・バルキリースタイルチェンジとはなんぞ!」


「ヘイ、旦那~!よくぞ聞いてくれました。そう!バルキリーのボンキュボンのアハーンという感じになるんですよ。それも本人もムフーンと言わんばかりの大人の・・・」


ヒジリーパーンチ!!Bohuu!!!


ヒジリは笑いながらも、雷の精霊を白虎に跨りながらボッコボコにしている。


他の精霊たちも、往復ビンタをしているヒジリを見てみぬふりをしながら、こそこそ話をしている。


俺も少し涙目になっている雷の精霊を見ながら同情した。この話は軽く流そうと決めたとき空気を読まない風の精霊が高笑いした。


「どうせ、ビキニアーマーをつけさせたんだろ。ボーは!ハハハ」


ヤバイ!ヒジリの目が逝っちゃってる!ご愁傷さま。


風の精霊を目つぶしで動きを止め、首根っこを掴んで引き寄せた。秒数0.3の出来事だった。


「何か知ってるの?それとも、君は見たのかなー」


「え・・・見てません。見てません。信じてください。ボルト君は過去に聖女が現れて雷の精霊の力を与えるとしたら・・・なんてことを」


「詳しくおしえろ!殺すぞ」


ヤバい人格まで変わってる。あの魔獣にかかわらずやさしい妹が・・・異世界っておそろしいと思いながらも、風の精霊が首をキメられ堕ちるまで聞こうと思った。


風の精霊の足がぴくぴくなりながら、ヒジリの腕にタップをしている。


「教えます教えます。苦しい・・・聖女だけにアマさんだから、尼ゾネスにしてやるんだって言ってたんです。だからビキニアーマーだと思ったんです。バルキリーって、それは・・・ものは言いようですよね。苦しい・・・アッ!・・死ぬ・・・死んだ!・・・・」


俺は大空から落ちてゆくに2つの精霊に合唱した。多分、死でないですけどね。そんなおり、光の精霊がニコニコしながら、2匹の害虫の足首をつかんで追いついてきた。


ヒジリは変身した姿を思い出しているのか、顔を真っ赤にして手を両手で覆いブンブンしている。


「もー絶対変身しないんだから!」


今、俺は大きくなった青龍にのって邪神の神殿に向かっている。俺は小さな玄武を背中に背負っている。でも一番納得はいかないのは、なぜに肩の上に朱雀が爪をたてながらのっていることだ。


光の精霊が雷の精霊と風の精霊を麒麟に乗せている姿は勇ましすぎる。空駆ける麒麟の上に凛々しく騎乗した光の精霊がよりかっこよく見える。でも、ノビているふりをして麒麟に乗れて勝ち誇っている雷の精霊はただでは起きない策士のようだ。


風の精霊が麒麟からも落ちそうになったとき、ようやく俺の肩から朱雀が飛び立ち、落ちた風の精霊を頭から咥えて飛んでいる。


やれやれと思っているのは、光の精霊も同じようで、俺の横に麒麟を並走するように大空をかけはじめた。


「聖女のお兄様。あなたからは我らを創った神様たちと同じ波動が感じられます。これから先、暗黒神殿と呼ばれる邪神様の神殿は多分マグマに覆われいます。邪神の力が宿った貴方様と火の精霊の力だけが頼りです」


この言葉で俺は光の精霊は全て理解しているのがわかった。だからこそ、光の精霊に聞くことにした。


「光の精霊ウィル・・・教えてくれ、この世界に俺とヒジリ以外に転生者はきていないのか?」


「以前はいたんです。あることがあっていなくなったんですが・・・最近、魔王軍の動きが活発になり、勇者召喚を望む者が増えまして・・・それに・・・実は・・・先ほど天界と呼ばれるところから邪神様がいなくなってから、異世界からの転生者と呼ばれる者達の受け入れが禁止されました・・・しかし・・・強制的に侵入を試みる者がいまして・・・」


なんとなくではあるが光の精霊が口ごもっているので何か事情があると感じた。

でも、勇者はここにいる。ヒジリはすかさず光の精霊に聞いた。


「この異世界の強制的に侵入できるの?」


「はあ、始まりの森にあるあの洞窟の更に奥深く、秘密の洞穴から転移していける、はじまりの場所と言われる秘密の森もこの異世界ではないんですよ。その方法ってわけではないが、別世界から転移以外にも、この異世界につながっている秘密の場所を経由すれば可能です。本気でこの世界に来ようとすればやり方はいろいろあるんですよ聖女様。」


俺は一番気になっていることをたずねた。


「地球に帰れる可能性もなくにしもあらずか!俺以外に地球から来ている者はいないのか?」


まだ、聖には話してないが、俺たちが住んで居た学園都市が海の藻屑になった事は伝えていない。


「ヒデにー私を連れ戻しに来たんじゃないのかー。そっか、私と同じでホームシックにかかっちゃったの?寂しくなっちゃったの?ヒジリちゃんがいるから寂しく思わないでよ。それとも・・・アッ!わかったー‼ヒデにーはエッチなんだから~彼女さんに会いたくなったんでしょう!このリヤ獣‼青春豚野郎!リヤ充は死ねばいいのに!絶対私のビキニアーマー姿は見せてあげないんだから」


白虎を操りながら俺の腕に噛ついてこようとするヒジリは、顔を真っ赤にしながらいろいろなことを妄想しているのであろう。俺は近くにいた火の精霊を掴み、白虎の口に突っ込んだ。


「ヒジリ・・・実はお前に話さなければならないことがあるんだ・・・多分父さんも母さんも死んだと思う。俺の彼女も他の人も多く死んだんだ・・・俺たちが住んで居た学園都市が海に沈んだんだ」


白虎と共にヒジリは白目を向きながらフリーズしながら落下を始めた。


光の精霊は雷の精霊をひょいっと投げた。同時に朱雀は白虎を空中でキャッチするようにスーッと降下していく。


雷の精霊の頭がヒジリの頭にあたり、その拍子で白虎の髭をつかんだ。


「「「ギャー!痛ーい!ガオー!!」」」


三者を光が覆う!一瞬、空中でヒジリで静止するように見えた。パッと、電気を纏った光空気を引き裂き、雷が空中にほとばしる。


次の瞬間、水着姿?いやビキニアーマーを装着した俺と背の丈が変わらぬゼブラの肌の美女がいた。


「ヒジリ?アマゾネスになっちゃった・・・」


俺がつぶやきながら朱雀の背中に立って仁王立ちしていた。そのままの体制で、鞭を振るいつつ、朱雀がこっちに戻ってくる姿は・・・アマゾネスというより、バルキリーに近いのかもしれない。


なんといっても網タイツにロングブーツにやられてしまった俺がいた。


俺は鞭を振るっているヒジリの鞭さきを青龍から身を乗り出して掴んだ。態勢を崩して、そのまま聖を強引に引き寄せて抱きしめた。


「ヒジリ・・・そんなに気にするな。俺がいるんだから」


俺はこれ以上、何も言えなかった。聖も少し落ち着いたのか、バルキリースタイルから普通の姿に戻っていた。


でも、その横で雷の精霊がいらないことを俺の背中にいる玄武の横に隠れていた土の精霊に話かけた。


「ムッツリのお前が好きな網タイツとガーターベルトは活かすだろう。今度変身する機会に絶対追加装備するんだって決めてたんだ」


引くひくする聖は、俺ごと青龍から大空へブッ飛ばされた。このまま死んじゃうのかな俺・・・


いつの間にか復活している風の精霊と朱雀が俺たちを救ってくれた。その横で、白虎が雷の精霊を頭からかじりながら謝っている姿でなんとなく許してもいいかなと思った。


その横に青龍にのった聖がすかさず、ごめんなさいと謝りながら俺を迎えにきた。


やれやれとおもいながらも朱雀の背中から青龍の背中に飛び移った。恥ずかしそうにしながらも聖は白虎にも朱雀にも戻ろうとしない。それどころか抱っこといいながら俺にひっついてきた。


聖は聖なりに寂しさを紛らわそうとしているのかもしれない。俺は聖の頭をいい子いい子しながら二人乗りバイクに乗るように青龍にまだがるように聖に促した。


俺に背中を見せている聖は泣いているのか、小刻みに泣いていた。勇気を振り絞りながら俺に聞いてきた。


「ヒデにー。もしかしたらこの異世界以外の宇宙のどこかで、ママもオネー達、それにパパも生きているかもしれないよね」


「多分俺が、転生してきたんだから、どこか遠くで生きているよ。それに、あの親父ならマリがいなくヒジリを向かいにきてくれるよ。ロリセンサーじゃなくヒジリセンサーはおれより敏感だからな!意外とママたちと向かいにくるかもしれないぞ」


俺はそのとき思わずひらめいてしまった。


「ヒジリ。光の精霊が始まりの洞窟から別の異世界にいけるって言ってたよな」


「私は行ってきたよ。すっごい綺麗なところだったよ」


「始まり世界と呼ばれている世界以外の別の世界にいきたいなら風の精霊の住処であるの賢者の塔にも隠し部屋からも行けるよ。それに、他の精霊の住処のダンジョンやラビリンス以外にもあるよ」


土の精霊が当然のことのように言ったことで、俺は閉鎖的な異世界と異世界を繋ぐ技術を駆使すれば地球に戻れる可能性があることの現実的に考えてしまった。


同じように聖も考えたのか、聖が俺に精霊のことを話し始めた。


「ヒデにー。始まりの洞窟で精霊にあったのは運命なんだよ。あのとき精霊が集まったのには理由があったのよ。彼らの住処であるラビリンスやダンジョンがこの世界を襲った天変地異のせいで逆モンスター・スタンピート現象で大変なことになっているのよ」


青龍の背中の先頭に乗っている幼女姿の火の精霊がこっちを向いた。


「逆モンスター・スタンピート現象の原因は聖女様のお兄さんが原因だよ。まあ、そのおかげで私は助かったんだけどね。でも、一番近くにあった、ラストダンジョンはモンスターピートさえできなかったんだから。最強の魔獣軍団はおろか邪神様も、ドラゴン村の人々は残念なことになったんだけどね」


そのときも精霊幼女にひっついている水の精霊はどうやって人間の姿になったかをしつこく聞いていた。


「そうだ、精霊たちも、邪神様からいただいた力で人間の姿にしてあげてくれない。精霊に恩を売っておけば何かと便利だよ」


「わかっているよ。でも、精霊の能力のレベルが落ちるって嘆いていたのはお前だよな。そのおかげで、転移魔法で戻ることができなくなったんだからな」


「だって、行ってきたばっかりでまさか戻るなんておもわなかたんだよ。魔力の総量少し足らなくなっただけだよ。精霊の進化してこの姿になったんだから。他の精霊より一歩抜きに出たと思ってくれたほうが正しいんだから」


水の精霊は羨ましそうに火の精霊幼女の援護射撃をする。

「そうだよ。この次は人間のような姿に進化したんだから、あとは進化の進化とよべる神化・神格化すれば絶大なる力を誇れるんだからね。私たちのような精霊が羨ましがるのは当然なんだから」


ふーんと俺がそんなものかと思っていると、いつの間にか俺が背負っている玄武が小さな頭でツンツンしてきた。後ろを振り返ると玄武と俺の背中の間に卵があった。土の精霊が卵になっている。


何が起きたのかわからなかったが、卵がひび割れようとしていた。


ペキペキペキ・・・


「おい!もしかして土の精霊が卵から孵化するのか」


水の精霊が大声で叫ぶ。


「しまった!青龍を通して俺も魔力を吸えばよかったじゃないか!」


水の精霊は青龍の逆鱗に生えている棘上の逆毛がある中に消えていった。


青龍は一度空中でジェットコースターのように一回転した。


風の精霊も青龍に何が起こったかを見ていたようで、朱雀とともに俺の方に近づいてきた。


「青龍が水のオーブを持っている。あー!!土の精霊もオーブから励起しそうになってるじゃないか!どういうことだよ!」


土の精霊も水の精霊もどうやら、俺の内なる力を吸い取り進化するようだ。幾分、年取る覚悟をもった俺は火の精霊幼女に助けを求めたが、何か嬉しそうにしていた。


「大丈夫、大丈夫、老けないわよ。それどころか逆に若返るんだから。フフフ。ショタもありだわ。ナイスー。土と水の精霊。よくやったわ。そうだ他の精霊達にも声かけようかしら。見た目、幼女の私と、同じくらいになれば・・・私たちはナイスカップになるわ!」


心の声がダダ漏れの火の精霊幼女の首をトンと後ろから手刀をきめて落とす聖女がそこにいた。


「私と同じぐらいに若返れば彼女サンはいらないわね」


おいおい、何、寂しさ余って兄のリヤ充を崩壊させようとする。ホントに俺はボッチ童貞しようとするんじゃない。


もちろん俺はボッチ童貞なんておもってないからな。彼女とは少し遠距離恋愛しているだけなんだから気にしていないぞ。


そんな状況を見かねた光の精霊は少し休憩しようと俺を麒麟に跨がせようとしてきた。


お前もか・・・と思いながらも、青龍と朱雀と麒麟は、休憩をとるためにとある渓谷に降りたのだった。

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