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5 勇者と呼ばれた聖女

未来聖の異世界転生物語の

はじめのテンプレです。


聖英雄譚のプロローグ



私は未来聖。10歳になる前日、私は聖女に選ばれた。


そして勇者になった。


今、目の前には、忘れ去ろうとした人が立っている。

もう会えないと思っていた優しい兄が・・・


余りの突然の事で夢かもしれない。


本当に夢かも。


忘れたくないという思いが強すぎたせいなのかもしれない。


それとも、新たな生命と運命を私はまだ受け入れず、覚醒したばかりの寝起きような状態だったからかもしれない


頭の中でいろいろなことがフラッシュバックのように浮かび、整理できない多くの情報と混乱に近いような感覚で、頭がボーとしながらも整理をしようとした。


そうだ!あの日、私を運命が呼び込んだ。


― 未来聖回想中 ―


私は未来聖。明日は誕生日で10歳になる。


今日はちょっと早い誕生日を祝ってくれるということで、ママと再婚した義理のパパと一緒に動物園と水族館に連れてってもらえる。


うれしかったのはママがこそっと私にサプライズの予定を教えてくれたことだ。


再婚したママと二人っきりデートするより、もっと家族の絆を深めたい義理のパパはわざわざ、私のために人数限定の動物園のホワイトライオンの赤ちゃんを抱っこさせてもらえるイベントに申し込んだそうだ。


それに、義理の兄も負けずに、新聞配達でためたバイト代で水族館のチケットを渡したそうだ。ママいわく、彼女と水族館デートしたとき入場者100万人目で記念に3人分のチケットを貰ったからたまには父とデートして来ればといってくれたそうだ。


ママは微笑みながら、お兄ちゃんは嘘が下手ねって言った。


私がどうしてってママに聞いたら、私を抱きしめてほっぺにキスをした。


「ヒデ君はね。パパと同じで不器用でやさしいんだよ。そして、本当の家族になりたいんだよ。強く深い絆に結ばれた家族にね。聖にもいいお兄ちゃんができたんだよ」


そういうと、お兄ちゃんがついたやさしい嘘ついた理由を語った。


不器用なお兄ちゃんがついた嘘は、わざわざ水族館のチケットを買ったことの照れ隠しをしたことは私は気にしない。


今時、無料カップルチケットがあたることはあっても、大人2枚子供1人の3人分なんてチケットがあたることなんてないことは、子供の私でもわかる。


でも、ドルフィンタッチのイベント予約をしたことで、私がお兄ちゃんを好きになりそうになったのは内緒だけどね。



多分、お兄ちゃんはママと私だけではなくパパにも幸せになってもらいたいと願っているとおもう。もー本当にカッコつけなんだからお兄ちゃんは・・・


妹心がわかるなんて、ホントできたお兄ちゃん。


だけど・・・


妹の気持ちを遊ぶなんてギルティだよ。


あーあ、彼女さんがうらやましいな。


やばいやばい。話がそれた。


これ以上妄想すると不味いんだから。話を戻します。


えーっと・・・どこまで話したっけ?


そうそう、中学生のおねーちゃんたちも、もうプレゼントを用意してるってママが言ってたけど・・・多分、今日中に慌てて用意すんだろうな。あまり期待するのはやめとこう。


そんなことを思いながらも、その日の朝はママと一緒に早起きをして、お弁当作りをした。


休日なのに、朝から兄も姉たちもバタバタしながらも出かけてしまった。


私とママとパパも戸締りを確認してから、楽しみにしていた動物園と水族館にパパが運転する車で出かけた。


出発して直ぐに、家から近いコンビニでお菓子とジュースを買うために寄った。コンビにの駐車場で車を止めたあとみんなでコンビニに入り買い物をする。パパは商品を選んで購入をママに頼んで、直ぐに携帯電話を片手にもって車に行っちゃった。ママと私はがレジに向かい、ママがカードで支払っていると、なんとなく重そうな荷物を持ったお婆さんが目に入った。


私は一緒にママと車に向かおうとしたが、駐車場に隣接する横断歩道橋の階段の前で大きな荷物を持った腰の曲がったおばあちゃんが肩で息をしながら困っていたように見えたので駐車場を走っておばあちゃんのところに駆け寄った。


私は、お婆さんに声をかけて荷物をもって横断歩道橋を一緒にわたった。渡りきるとお婆さんお礼を言いながら、飴玉をくれた。


本当は、お兄ちゃんやパパが用意してくれた、幸せな時間・・・もっと幸せになる権利ともいえる、家族の絆が深くなるこのイベント。


今日の幸せなお出かけにたいするする喜びや幸運が逃げないように、困っているおばあさんに幸せのおすそ分けをしただけだったのだ。


そんな願掛けが出来たと思いながら、ちょっとうれしくなって走って、またコンビ二の駐車場に戻って車に乗ろうとしたとき、遠くにいるお婆さんの方を見て手を振ろうとした。しかし、お婆さんは歩道の上で倒れて叫んでいた。

「ドロボー!私の大事な物を返してー。引ったくりー!あのバイクを捕まえてー!!」


何も考えず私は走り出してしまった。


私は横断歩道橋をわたらず、思わず道路を横切ってお婆さんのところに向かった。バイクは対向車線なんてかまわず逃げたせいで、トラックが道路に横たわっているお婆さんに・・・キキッツーー!! ドカーン!私は、お婆さんを庇って・・・


あーあ・・・やっちゃった。この地球上で一番幸せな時間を過ごそうとした私に対する罰なのかな・・・


私は転がっている自分の血だらけになった亡骸を、天に上りながらずっと見ていた。


近くにはおばあさんが腰を抜かしながらも必至で誰かを呼ぼうと叫んでいるいる・・・


本当に良かった。おばあさん助かったんだ。


すると足が絡みながらも必至で駆け寄ってきたパパは、私の亡骸を抱えながら私の名前を叫びながら車に走っていく。私の引かれたとこまで来たママは携帯片手に電話と車の鍵を握りしめながらコンビニに止めている車に戻っていった・・・


私はそれを見ながら・・・パパとママが喧嘩しなければいいなー。

みんな幸せになってね・・・なんておもっていた時だった。


空に昇っていく私に突然、真っ白に輝く光に包まれる。


そして、その一瞬の光で私は別の場所に移されたようだった。


ある種のあきらめと神秘的な体験で恐怖はもちろん、臆病な心さえどっかに消え去ってしまったように、大胆になっていたとおもう。


これが好奇心だといえるぐらい、すべての事象を受け入れようとしている私がそこにいたと思う。


あたりをキョロキョロと興味深く見渡していると、いつの間にか、目の前に綺麗なお姉様と呼びたい人が、おとぎ話で出てくるような、王様が座る椅子に色っぽく座っていた。


なんて大人のレディー・・・わたしも、こんな女性になって恋をしたいなーなんて思っていると、ゆっくり、美しい綺麗なお姉様が立ち上がり私の方へ微笑みながらも艶やかに近づいて来た。


そして、私の左頬を優しくか細い柔らかな手で触った。そして、右手で私の襟足から肩にそっと置いた。


美しく可憐なお姉様は知らずに流れていた、左頬にこぼれおちた涙を拭いてくれたのだ。


そして、私の手を両手で包んでくれたお姉様の手はほんのり温かかった。


私は、綺麗なお姉様の胸に飛び込み思いっきり泣き出したかったが、それを見透かしているようなのか耳元で囁いてくれた。


「昔話で出てくる、月に昇ったかぐや姫は人の心がなくなったのよ。あなたはまだ、月に行ったわけではないのよ。だって、まだやさしい心があるんですもの」


そう囁いたお姉様は異世界に転生を薦めてくれた。


どうやら、何かの手違いで運命の輪から外れて死んでしまったようだ。


運命から外れた私を救済してくれたのは、ある異世界を監査・監視している女神様だった。


その異世界は生まれてからまだ十数年しかたっていないそうだが、創造神の存在が感じられなくなり、すでに、魔王が支配する世界になってしまったそうだ。


まだ10歳の私に女神様は異世界の魔王を討ち滅ぼすために、魔物使いの能力を与えてくれた。


でもまだ心配だからというわけではないが、女子小学生を採用して大丈夫なのかを女神さまに聞いた。


すると女神様は印象的なワードでイージーモードってつぶやきながら、一番過保護に死なないように勇者を育てるには教会の保護が一番だと教えてくれた。


私は聖女として、そして魔物使いの勇者として、また光に包まれながら異世界に送られた。


私は少しの間、記憶が無くなっていた。


気が付くと、大理石らしい石の台座に横に寝かされており、シルクのような布が一枚かけられていた。布きれ1枚だけの裸の私は大勢の修道女姿の人々に囲まれていた。


祭壇ともいえるこの台座に、私以外に真っ白なドレスをきた女性が寝かされている。


でも、直ぐにその女性がすでに死んでいることがわかった。


周りの修道女の服を着ている神父らしいお爺さんや、プロレスラーみたいなごっついムキムキの体をした修道女コスプレをしている修道士が奇跡が起きたと騒いでいた。


真っ赤な口紅を引いた精悍な顔立ちの女?の人が声を張り上げた。


「皆の者よ。神の御心として聖女を与えたもうた。ひれ伏し祈りなさい」


後から聞いたら、そっちの組合に所属している疑いがある、枢機卿だそうだ。


私が異世界に降り立った場所は聖なる丘と呼ばれる最初に神様が降り立った場所と呼ばれている場所である。この丘を聖地として教会の神殿を建て、教会の本山にしたそうだ。


私が大理石の祭壇の上に、シルクの布を体に巻き付けながら立ち上がると、皆がひれ伏し天に祈りを捧げ始めた。


そのとき、空が割れて、雲の裂け目から光が差し込み私を照らした。


奇跡がまだ続くことに喜びがあふれるばかりの歓声とともに、教皇らしいき人物とその従者が大きな儀式用の道具を天にかざして聖書らしき経典を唱え続けた。


修道女姿の修道士に囲まれ、聖なる丘を取囲むような群衆を祭壇に立つ私は戸惑いながらも、ペコッとお辞儀をするだけで精一杯だった。


数時間にわたって、様々な儀式が行われたが、私は祭壇の上を右往左往するようにオロオロしているだけだった。


儀式が終わり、祭壇から担ぎ下ろされた私に二人の人物が近づいてきた。


その人物はこの教国に隣接する王国の王様とお妃様だった。

王様とお妃様は私に直接お話をしてくださった。


「神が病弱な私たちの姫の命をもって、この世界に聖女を使わしてくれた」


私は膝まづきながらお話を伺った。


王様とお妃様の言うには、夢で神託を受けた姫君が魔物の驚異に脅かされている王国を救うべく、王家に伝わる秘宝と呼ばれる石像と自らの命をもって勇者を召喚させようとした。


しかし、儀式を執り行うために同盟国である教国に協力を求めたところ、神託が教国にもあったため、勇者召喚した勇者を聖女とする誓いをしたそうだ。


ちなみに男の子が勇者召喚したら、教国は男の娘の聖女になるそうだ。


男女平等な教国の神父や修道士たちは男も女も同じ修道女の服を着ている。


そして、王様とお妃様からは上等な光る糸で編まれている法衣一式とストール、短剣を渡された。


その服を慌てて素裸が見らないようにごそごそを素早く着替える。


裸でなくなりホットした私の後ろから賢者と呼ばれる王国に使える宮廷魔導士が声をかけてきた。


グリモワールと呼ばれる魔導書と杖、そして小さな魔法バックを私に与えてくれました。


私は王様とお妃様と護衛を担っている賢者様にお礼を言った。


相変わらず群衆からの歓声はやまず、それに答えるべく私は群衆の前に立ち手を振った。


すると、群衆はさらなる歓声をあげた。しかし、その声とは裏腹に先、暗く夜のような曇天にかわった。その雲を突き抜けて、飛龍の群れが群衆の真上をとおりすぎ、森の方に向かっていった。


驚き、群衆はおののきパニックをおこして恐怖と狂気が騒乱を起こす。

すると、産卵状態のなった群衆の中から、曇天の空に向かって大きな光の玉が打ち上げられた。


花火とは違う、照明弾のように暗い空にハリのように尽きぬけ大きな音と光で、人々の動きを止めた。


それから、間もなく打ちあがった空から大きな白い獣が落ちてきた。大地に大きなハンマーを打ち付けたかのように落下地点には大地が大きくへこんだ。


すると、群衆の海を二つに割り、真ん中を歩きながら私に向かう一人のボロ布を纏った男がいた。


群衆はボロ布を纏った男が目の前を通ると人々は地面に頭をつけて祈りを捧げ微動だに動かなくなった。


それはまるで、お祈りを捧げる群衆のドミノの様でもあった。


聖なる丘の神殿まで来ると。司祭や修道士はもちろん枢機卿や教皇までがその男に祈り捧げる。


まるで、世紀末に現れた救世主のような光景だった。


そして、ボロ布の男は私の前まで来ると、ひざまづき私の足の甲にキスをした。


そしてゆっくり立ち上がった男は、私の耳に顔を近づけて囁いた。


「神託だ。これよりはじまりの森に向かえ。お前の運命が決まる。荷物をひろいなさい、そして、あそこに落ちた獣を使役しなさい。さあ急ぐんだ!」


あまり急な出来事だったので、私は訳がわからずそのボロ布の男をつき飛ばそうとすると、ボロ布だけが地面にバサッと落ちてしまった。


ボロ布を拾うと光輝く数個の玉といくつかのアイテムが転がっていた。


ハッとしながらも手あたり次第、祭壇ある物まで私は拾っい魔法のカバンに詰め込んだ。そして、聖なる丘をかけおり、大地に堕ちた白い獣の前に立ちはだかった。


その光景を見ていた、王様とお妃様は腰が抜けてしまった。


宮廷魔導師でもある賢者と呼ばれる者は王様と王妃様を守るように防御呪文を発動していたようだった。


私は鼻から思いっきり、空気を吐き出し、そのまま大きく深呼吸して叫んだ。


「私は聖女ヒジリ!勇者である。今、神託を頂きました。私は旅立ちます。あなたは私に仕えなさい」


白い獣はゆっくりと立ち上がり、私をひょいっと咥えて背中の乗せた。


そして、爆音のような雄叫びのように吠えた。


そのまま、大地を蹴り上げ空を駆け上がる。


白い獣は運命にみちびかれたように何も考えずに倒れるまで走り続けた。


西も東もわからない、異世界の空を。


ただひたすら、飛龍が消えていった方向に。


行きつく先が始まりの森だとわからないまま・・・

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