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37 独りぼっちの星

今回は独りぼっちがテーマです。

異世界に住む悪い奴らを豪快に一掃しますよ。

お楽しみに!

ヒジリとヒイロは既に【始まりの洞窟】の入り口近くの大きな広間のような空間で待っていた。


「誘拐犯発見!ロリコン確定だよヒー君のバカ!」

「何やってるのよ~ヒデにー‼両手に知らない幼女を連れて!」

「あわわわあわわ・・・違うんだ!アイに頼まれたから・・・」


ニヤニヤしながら俺の周りを二人してぐるぐる回って冷やかしている。

人化したダンジョンコア幼女たちは今にも泣き出しそうだ。


俺がかばってやらなくちゃ!


ここに転移すぐに罵られた俺は無罪を主張したいので、頭に血が上りワナワナと震えていた。


「アイちゃんが言った通り興奮してるわね。彼女さんは大変だね」

「そうなのよ。ヒー君は欲しがり好きだから。たいへんよ。ほんと、星狩りなのねウフ♡」


意味がわからなかったけど、嬉しそうに【始まりの洞窟】ダンジョンコアをヒイロが俺に渡したとき意味がわかった。


そう・・・・やっぱり・・・・

エネルギー過剰状態でダンジョンコアを人化させろということだろう。


ここは期待どおりに俺の思いをのせて人化させてやる!

「俺の熱い思いを込めて・・・俺のすべてをぶちまけてやる・・・おおお!どうだー」


「ヒイロさん・・・お兄ちゃんってこんな感じ・・・」

「いつもは淡泊なんだけどね。でも、むきになると凄いのよヒー君は♡キャハ♡」


なんだろう・・・溢れる想いがこころの声として出したばかりに・・・

SAN値が削れる・・・


いやダンジョンコアにどんどんエネルギーを取られる感じがした。


早い早すぎる!こんなの初めてだ・・・あっという間に・・・


ダンジョンコアが人化した。


「彼女さん。ヒデにーってこんなに早かったの?あーあ、ぜーぜー言っちゃってスタミナ切れ?」

「相性が良かったのかな・・・でもがっかりだよ。ヒー君のバカー!」


何だろう、復活ってこんなに早くできるものなんだろうか。俺の闘志に火をつけやがって・・・見てろよ!


俺は再び瞳に炎が燃え上がった。エネルギー回復・・・いや!違う!エネルギー満タンだ。


「おにーちゃん無理しないでね。ほら、いきなり立つとふらつくんだからね」


かわいいーなー・・・俺・・・ロリコンって言われても気にするのはやめよう。

この子は優しく気が利くダンジョンコア幼女に育つかもしれない。

俺の腰を精一杯押してくれるダンジョンコア幼女のおかげでエネルギー過剰になりそうだ。


「ヒデにー。無理するなよ。腰がフラフラだよ。頑張りすぎー。次があるんだかねー」

「回復したふりして・・・頑張ろうとするヒー君・・・す・て・き・・・惚れなおしちゃう」


「おいおい、いい加減にしてくれよ。どうせアイに言われたんだろう。次何すればいいかを聞いてるか!」


俺は少し怒ったような強い口調でいった。

・・・・でも少し口元が緩んでいたせいで・・・クスクスと笑われてしまった。


「フフフ・・・【聖なる泉】にいって温泉でも入って回復してなよ。ダンジョンコアちゃんたちとちょっとの間だけど別れるのは、ヒデにーにはつらいかな」


「フフフフ・・・私たちは【始まりの洞窟】でのやるべきことはやったからね。多分この星がどうなるかが決まるから・・・」


「おいおい、教えてくれよ!何が決まるんだ」




ヒジリはいい加減面倒くさかったのか、目じりをヒクヒクさせながら、転移魔法陣を展開した。


「安心してダンジョンコアちゃんは送り届けるからね」

「おいおい、待ってくれヒジリー・・・・」


ダンジョンコア達を抱っこしている二人はうれしそうに手を振っている。

人化したばかりのダンジョンコアは俺にしがみつこうとしたが、その前に俺は転移させられた。


はーあ。俺のしらないところでことが進んでやがる・・・

なぜだろう・・・・俺がエクストラハードモードで転移したからかな?


多分ダンジョンコアのアイの司令何だろうな。信頼されてるよなー。羨ましいなー・・・


やっぱり異世界でもポッチになっちゃうなのかなー・・・


いや!羨ましくない!当然の結果だろう!


ヒジリはエクストライージーモードでヒイロはイージーイージーモード!

俺が絡むと難易度が上がっちゃうんだよなー・・・


そうだ!ここは露天風呂に入ってゆっくり考えるかな。って、おい!


「聖なる泉に水がなーーい!!」


なんだこの状況は!既に特殊部隊のテントも一つもない。

氷河も流れ込んでいた小さな小川もなくなっている。


氷雪の荒野だった景色がただの荒野になっている。マグマがそこらかしこで上がった景色もない。熱風と黒い火山灰混じりの蒸気吹き込む風がもない。


ただクレーターのような死の星の兆候のような光景という幻想的な景色だけが広がっている。


各地に散らばったダンジョンの力でも・・・この星はやはり蘇らないのか・・・


でも、信じるしかないよな。ダンジョンコアのアイたち必至でこの異世界を守ろうとしてるんだ。


ボッチなのはこの異世界に来て以来だな・・・しょうがないなー。初心に戻ってやらかすしかないよな。


だって俺はエクストラハードモードで降り立ったパンドアラークの始まりの魔法使い!


露天風呂がなかったら作ればいい。


お湯も水がなければ水を見つけてひけばいいし沸かせばいい。

温泉見つければラッキーだ!


さぁ、行きますか!


俺はプラネットイーターに変身する。キングスライムなんか目じゃない!荒野一面を覆う大怪獣のような姿に変わる。


ウ◎トラ◎ンや惑星侵略する大型戦艦が来てもなんでも食べ尽してやる!


そんな意気込みで荒れ果てた大地に溶け込んで言った。


聖なる泉のダンジョンは宇宙に飛び立ったので、まるまるダンジョンの去った穴が開いた状態であったが、俺は穴の底の位置まで大地を食いつぶしてやった。


それにしても可笑しいことがある。


俺がくり抜いていた邪神の神殿とそれに連なるラストダンジョンまで無くなっている。


ここで思い出した俺はマグマに囲まれていた。竜人村の地下にあった邪神の虚城があるかを確かめるために更に大地を喰い尽す。


何処にもない。心配になり、荒野を囲んでいた山脈を全て食べ尽した。


やはり何処にもなかった。それどころか、ところどころ大地はひび割れ地下水も一切見つからなかった。


あるのは大地から噴き出るマグマと水蒸気爆発。空から飛んでくる黒い噴石が更地にした大地にぶつかり、埃を舞い上げる。


雨が降れば少しはこの大地から響きわたる大地の悲鳴が幾分和らぐだろう。

救いがあるとすれば逃げまどう人も獣もいないことだ・・・・


風がふくたびに寂しい・・・ような気がする・・・虚しいような気がする・・・


でも、最後にみんなで入れる露天風呂を作ることを希望にして大地を貪り続けた。


味も感じられない大地にプラネットイーターの存在の価値を考え始めたとき俺の中に疑問が浮かんだ。


味のない大地・・・おかしい・・・虫一匹もいない大地・・・あるのは鉱石類のみ・・・


枯渇した湖の跡地のような場所に横たわる枯れた水の中で沈んでいた古木の中にも虫一匹もいなかった。


以前死滅していた星とはいえ、蘇った星には虫ぐらい湧くだろう・・・


生命の女神と虫使いのオヤジが何かしたのか・・・


もう・・・俺の出る幕はないのか・・・そんな思いが胸の中のめぐる。


林や平野に広がる草木も噴石の影響でところどころ燃えている。助からないとわかっているのは植物だけなのであろうか。


この星に死の病気が広がるようだ・・・


そんなときプラネットイーターの俺にあらたな能力が目覚めた。


この世界にある全ての植物、カビやウイルス、そして微生物のようなものまで記憶が一斉に流れてきた。


この星の環境に適した生命の源を補完できる機能を持っている。

それどころか精霊や聖獣や神獣・妖怪のような物まで生みだせるようになった。


俺自信がノアの箱舟のような存在になったのだ。


あーあ。さすがエクストラハードモード。

異世界の攻略終了?終了間際でのニュースキルの発現・・・

やってられない。


そんな時だった。俺の頭の中に響きわたる声・・・・


知的生命体からの通信だった。


今さら感もぬぐえないが、ほとんどダンジョンマスタールームにいた俺だったが、ようやく大暴れをしている状況で連絡を入れてきたのだろう。


「ようやくつながりましたねヒデオ。あなたにどうしても伝えなければならない連絡がありました。パンドアラークはあなたがいる異世界から撤退をします。あなた達の魂の安全だけは保証します。パンドアラークからの加護は・・・・渡し忘れました・・・以上」



エッ・・・何々なに?加護なんてあったの?渡し忘れた?

だから俺のステータスが当初から変だったのか・・・今さら見る気もないけど・・・


ドMの縛りプレイぐらいなんてどうでもない。エクストラハードモードの俺は不動心をモットーにしないと。


魂の安全か・・・この星・・・丸ごと食べ尽そうかな・・・ハハハ

乾いた笑いが大地には響かない。


それよりパンドアラークの撤退となるとこの星は本当にもう終わりかもな・・・


空に広がる黒い雲から雷がそこらかしこでほとばしる状況になっていた。


この星には俺しかいない状況になっているのかもしれないな・・・


宇宙に上がったダンジョンにみんなは魔法で転移したのかな・・・


俺も戻ろうかな・・・・それとも・・・・オヤジのところにいって避難の手伝いをした方がいいのかな・・・


ヤバい思考がネガティブになっている!


そんな時だった・・・食べ喰い尽し、削りとった大地からワラワラと黒いオイルのような物が湧きあがった。


海底神殿の横にあったピラミッドの中で見た奴ら・・・怨念の塊・・死の軍団が続々と現れたのだ。


この星の最後のあがきなのか?それとも今まで押さえていたパンドアラークの呪縛が解けたのか、死の軍団はつぎつぎ湧きあがり黒い津波のような波状攻撃を仕掛けてくる。


いくら物理無効な俺でもこの数はさすがにまずい。


多分、この星の各地で死の軍団が湧き出ているのであろう。まさか俺の大事な者達まで・・・

そう考えた瞬間、プラネットイーターのこの体が光だした。


一瞬だか怨念の塊の出現が止まった。そして死の軍団の動きが鈍くなったきがする。


俺はもう一まわり大きくなって本体を分散する。

大地に溶け込むために・・・


そのときだった、俺の思考にまたもテレパシーが・・・


********マスターナイスです。各地にピンポイントメティオ攻撃を行ないます********

********こいつらは各地に出てるのか。俺に発生源を教えろアイ。醇滅してやる******

********了解しました。発生源数4562ヶ所。p1地底1.2km真下。p2・・・*******

********アイ!醇滅させるといってるだろう。俺をダンジョンに!*******

********マスター本気ですか?死ぬ可能性もありますよ。でもマスター素敵!*******


これだけのやり取りでアイはわかってくれた。


巨大なプラネットイーターをキャトルミューティレーションするラブダンジョン。


プラネットイーターの俺は光に包まれながらゆっくりと上空に上がり続ける。

その間に俺はアメーバーのように分裂をしていく。1体が2体、2体が4体と・・・


次第に大気がなくなり暗い雲も遥か下に見える。


氷の結晶のように俺の体も堅くなるようだ。それでも俺は分裂を繰り返す。


無重力状態になってくるとダンジョンがもう眼前に見えた。


俺は分裂をやめてキャトルミューティレーションの光線から一斉に飛び出した。

宇宙空間に飛び出した分裂したミニプラネットイーターたちは体を一気に広げる。


衛星軌道上に散らばる分裂ミニプラネットイーター。無重力空間を無数に漂う。


さあ準備OK!俺がアイにテレパシーで通信しようとしたときには始まってしまった。


ピンポイントメティアブローション


ブヘッ!

******マスター4562ヶ所同時メティオ始めます********

******ギョエーーこっちが声をかけてから始めろよギャーー********

******頼みましたよマスター遊んできてください*******


ダンジョンからのアイとの通信にかすかに聞こえるヒイロの声が・・・・

あーあ・・・いやな予感がする。


分裂体の一体が反応した・・・

やらかしたーーーーやらかすと思ったよ!


魔神ヒイロがメティオに乗ってるー!!!


恐怖の大魔人が地上に降り立っちゃうぞー!アンデッドでもなんでもいいから!怨霊ども逃げろー!逃げてくれー!世紀の愉快犯がお前らの大切なものをおかしつくすぞー!

その彼氏も同伴しますよー!


さぁ始めようか・・・


ドッッッカァーーーーン!!


この日・・・この星は大切な何かを蹂躙された・・・・・かもしれない。

4562ヶ所にわたる隕石がこの星に偉大なクレーターを残した訳ではない。

隕石の勢いで地下まで進み、呪の大地を丸々喰い尽したような痕跡だけが残った。


さらに星を一周するようなレーザー光線が上空を蹂躙したため、空に逃げ場を求めた者達は滅殺されつくされたのだ。


静かになった大地に生える雑草の如くはいでた俺は分裂体を呼び寄せる。

でも喰意地の張った俺は散らかした隕石と怨霊たちまで綺麗に掃除しながら本体に戻った。


何だかんだ本体に集まっていくプラネットイーターの一体にバテきったヒイロがピースサインをしながら俺と合流した。

俺は人間の姿に戻りながらバテバテのヒイロを背負う。


「テヘ!楽しいね。久しぶりに私たちに喧嘩を吹っ掛けてきたね」

「やっぱり異世界にきても俺たちは無敵だね。ヒーちゃん」


ブォオーン!

アイのホログラムがいきなり現れた。

優等生のヒイロを背負った俺は真っ暗な大地を歩きながらアイと話をする。


「マスターどうしますこの星・・・とりあえずの驚異となる敵はいなくなりました。避難を終えておりますし・・・氷大地に覆われた自由浮遊惑星に戻しますか?」


「このままだとどうなるんだ・・・アイ」


「光もなくなったこの星は火山活動が終われば、この大地は氷に覆われ、大海の水も少なくなり氷に覆われます。大気もだんだん気体から固体になり空気が少なくなります。個体になった大気に覆われる獄寒の大地には生命の住む余地は一切なくなります」


立ち止まった俺は星を眺めた。同じようにヒイロも上を向いた

「ヒー君。この星・・・私たちがいなくなったら独りぼっちにまたなっちゃうよ。かわいそうだよ。新しい太陽さんと会えないかもしれないよ」


「ヒイロ・・・俺はこの星を食い殺そうとしたのかな・・・」

「ちがうよ。ヒー君は治療したのよ。悪い寄生虫を取り除いただけだよ」

「すいません。マスターご提案があります。この星を私たちにいただけませんか」


アイは訳のわからないような提案をした。

考えがあってのことだろうがこの後の無茶な注文で俺は死にそうになってしまった。


「アイ。ダンジョンコアのお前が神の加護もない死の星に住みたいのか」

「神なら作ればいいんですよ。進化させればいいんです。ですからこの星をダンジョンにしましょう」


エーーーーーーーー!


この星、全部をダンジョン化するのかよー!


「ひくわー。規模が間違ってるだろ。ダンジョン星なんか聞いたことないぞ。せめて流れ星をダンジョンにしろよ」


「自由浮遊惑星も流れ星も変りませんよ。というわけで手伝ってください。早くプラネットイータに変身してくださいね。それともその邪神様をみせびらせたいなら裸のままでもいいですけど」


「服をきてなかったら早く着替えるように行ってくれ!」


突然ヒイロがキャトルミューティレーションで天空に上がっていく。


エッ!エッ‼どういうこと!

俺は動揺しながらも再びプラネットイーターに変わったのだ。


ホログラムのアイは俺を誘導するようにしながらこの惑星自体を攻略することになったのだ。

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