22 秘密の日記
今回は邪神の秘密に触れる回です。
後、主人は・・・多分・・・マザコンの可能性が・・・
「パパ。さっきも教えでしょう。はい、もう一回ね。反復反復」
・・・・・
「あっ!お父さん。そこはですね、少しコツが有りまして、・・・難しいですか。少しレベル落としましょうか」
・・・・・
俺は単に邪魔だと感じて、時間潰そうかと思っただけなのに・・・なんでこうなった!
後悔してもしょうがない。これが俺の運命なら受けてたってやるぜ!
底辺工業高校の一年生を舐めるなよ!キリッ!
今俺は勉強をしている。それも高次元関数に代数幾何に微分積分・・・シュレディンガー波動方程式に・・・・わからない数学から物理、化学、生物学、地学・・・そう、科学一般から美術や音楽、家庭科、保健体育実習まで・・・
一般教育を超えたものを何で異世界で勉強しなければならないの・・・
それも、俺より幼く見える闇の精霊幼女と火の聖獣幼女から教わるなんてありえない。
どうして魔法って難しいの!!精霊魔法や精霊魔術って魔法の中でも高度なものなの?
明らかに難しすぎるよね。
精霊を使いこなせてるヒイロってランクAの学園都市の進学校にいってるからって、こんな大学の専門学部や学科で学ぶようなレベルの学力や知識は持ってないよね。
いや、海外の飛び級するような天才なら高校生になればそのくらいの学力はあるかも・・・・ヒイロも天才だったとしたら・・・ありうるな!
そう言えばヒジリも秘書さんから亜空間世界を利用して2年間、勉強と訓練したっていってたな。
まさか、俺より上・・・・ブルブルブル!
そのときいなかったのは・・・氷の精霊と聖獣と火の聖獣と闇の精霊と聖獣か。
でも、火の精霊少女のエフリートを見れば、勉強しても意味ないのかな・・・
俺が休憩がてらぶつぶつ言っていると、その横で、ヤミちゃんとフェイファが討論している。
「精霊神聖術を極めるなら絶対に応用工学分野の知識も必要よ」
「先に精霊神魔法の基礎をかじらないと無理だよ。だからこそ、声楽と占星学に学芸分野も学ばないと無理よ」
おいおい、どこの異世界で勤勉な精霊や聖獣がいるんだよ。お前らは精霊賢者や聖獣リッチみたいなものを目指してるんか!それとも本気で女神や御使いになろうとしとるんか!
ありえるかも・・・だってここにある資料は・・・・邪神の私物だから・・・
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数分前、いや数年前といった方がいいのかわからんが、俺はダンジョンマスタールームの一部ともいえる、リビングダイニングの横にあるサービスルームのような部屋に入ったことから、俺の悲劇ははじまったのだ。
このサービスルームはまるで倉庫とも、タワーマンションにある、フロア貸し切りのビジネス用フロアのように仕切りもなくただ広い部屋になっていた。
多分、ガーディアンやフロアマスターをダンジョンコアが設置する前の試し部屋のような機能があるんだと思われる。
だがしかし、今このただっ広いこのフロアにあるのは、闇の精霊を解放するときに転送した暗黒神殿にあった封印された8つの部屋の中身といえる物が漠然と置いてあった。
封印された邪神の秘密の部屋をこの漠然とおいてある物で推測すると8つの部屋の目的がなんとなくだがわかった。
1.宝物庫 金貨、貴重鉱石類、宝石類、宝具類、宝剣類・・・
2.魔導図書館 禁忌グリモアール多数、異世界図書類 魔導論文多数・・・
3.書斎 本棚 机 茶器 ソファ テーブル 筆記用具 邪神の日記らしいノート・・・
4.娯楽室 酒類・遊戯用テーブル類 ギャンブル設備 楽器多数 ボードゲーム・・・
5.美容訓練室 トレーニング器具類 測定機器類 リングマット類 ボール類・・・・
6.拷問室 拷問器具多数 拘束道具類 SM道具多数 快楽道具多数・・・・
7.寝室兼浴室 ベット・ランプ等 香具類含む寝室道具多数 浴槽浴室道具多数・・・
8.私室 衣類 食料 化粧類 調理器具 工具 日用雑貨 医薬品多数 不明品多数・・・
8つの部屋の物をざっとであるが見渡して歩いたが、なにせ俺はこの異世界の文字すら読めないので、貴重な魔導書らしき物でも中身の内容がわからない。
情けないが、助っ人を呼ぶことにしたのがいけなかった。
この部屋にある物を守っていた精霊幼女を呼んだのだが、自身が命をかけて守っていた者が無事であった事に感激したのか、泣き出して大変だった。
その上、泣き止むと、紛失した物がないか、壊れた物がないか、一つづつ手にとっては思い出を語るように俺に咽びながら説明していった。
一つ一つ、どれだけ貴重な品々であると、うんざりするくらい聞いた俺は、つい魔がさしたようにヤミちゃんにいってしまったのだ。
「魔法が使えない上に、この異世界の文字さえ読めない俺には、なんの価値がないな」
ついポロっと闇ちゃんに俺の素直な気持ちを言ってしまったことにより、俺の異世界教育が始まったのだ。
言い訳ではないが、猿よりは頭がいい俺でも何せにわかでは文字すら覚えることもできない。なくなく、熱心なヤミちゃんに諭すように話した。
「あーあ、ここの時間が止まれば、俺でもここにある魔導書なんて読めるようになるんだけど、そろそろ、向こうの部屋に戻らないとまずいよなー。そうだよなヤミちゃん」
言葉をしゃべりきったのを確認するように、話終わったとき、俺のズボンを引っ張る者がいた。
ブイサインしている火の聖獣幼女。背羽幼女のフェイファがニコニコしながらグリモアールを持っていた。
「パパ。良かったね。ダンジョンコアちゃんがこの部屋の時間を止めてくれたよ。それにこの本と薬もくれたんだ。【猿より頭がよくなりたい君へ魔術編:日本語翻訳】【浪人の願い:毒劇物の為、最終手段に御使い下さい】」
「ダンジョンコアは絶対、俺をバカにしているよな。いや、バカ扱い!猿枠に俺を入れたよな」
「パパそんなことはないと思うよ。だってダンジョンコアちゃんがいってたけど、パパの体に入っているナノ?マシーン?っていう魔道具を似た物があるから、それを使えば直ぐに賢くなるって言ってたよ。それに精霊用と聖獣用も作ってる最中って嬉しそうに言ってたもん」
ナノマシーンかよ、おいおい、秘書さんかオヤジのどっちかに確実に入れられたな。俺は実験動物扱いかよ。もちろん猿じゃないからな。キリッ!
でも心では泣いた。あー泣いたさ。だけど俺はめげない。だってエスストラハードモードだよ。なんでも想定内って思わないとやってられん。
栄養ドリンクのようにとりあえず、一本いっとくか。
軽さとフットワークの良さが俺の持ち味、直ぐにダンジョンコアの爪の垢ではなく、配給薬を飲んだ。あー飲んでやった。見事に飲み切ったよ。
はい。気絶ー!
やっぱりそうだよね。意識飛ぶ飛ぶ。飛んじゃった。
でも、みなまでいうなよ。
俺はマザコンじゃないからな!母の膝枕が忘れられない訳ではない。
ましてや、寝たふりして美人の母のおっぱいを吸いたかったわけでもないからな。
後悔していたわけではないからな。
でも、たまたま、久しぶりにあって母が恋しくなったかもしれんがな。キリッ!
そして、やっぱり母が木陰で俺を膝枕をしている母がいた。
眩しい太陽の下にでパラソルの下。水着の母がレジャーシートを引いて俺の目覚めを待つように見つめている。
すこし、日焼け留めのオイルの匂いがする。健康的な夏の香り。
少しだけ、濃い目のメークをしている母。
若かりし頃の母なのか、俺が小さかった時、海に連れてってくれた時のままの母。オヤジがいれば夏にいった海の家でくつろぐ家族の風景。
やっぱり、母に会うたび涙が出そうになる。
そしてやさしく俺の胸を摩る。
「痛いの痛いの飛んでけー。悪いの悪いのあっちいけー。ダメなのダメなの持っていけー」
「母上ごめんなさい。また来てしまいました」
「わかっていましたよヒデオ。来た理由もね。そしてパパを許してあげて。あの人は少し暴走しているだけなの」
「母上教えていただけませんか」
「ヒデオ。パンドアラークについてどれくらい知っているのかしら。その答え次第で教えることができるんだけど・・・もう、あまり時間がないわ。ヒデオ、惑星の侵略、植民地政策を調べなさい。それがわかれば答えはすぐよ」
「まって母上。行かないでよ・・・・」
俺は邪神が使っていたベッドの上で目が覚めた。
目を開けた俺は怪しい光に包まれていた。それはベッドの上に魔法陣が描かれており、魔法陣の術が発動していたせいであった。
俺は上半身だけ起き上がり、周りを見渡すと、フェイファと闇ちゃんが俺が寝ているベッドを挟んで魔法を詠唱していた。
「何してるんだ」
俺はキョロキョロして二人に聞く。すると、二人は飛び上がり、ベッドの中の俺に飛びついた。
「パパ。よかった目覚めて。でもすごく効いたでしょう。」
「お父さん。成功しました。この魔導書読んでください。さあ試してみて」
俺は完璧に異世界言語を理解出来た。それどころか、ダンジョンコアと知識が共有しているかのようにこのダンジョンの操作方法はもちろん、あらゆる魔法技術から高次元文明が開発している技術を理解するまでになっていた。
取り合えず、俺には必要ないものだ。だが、古代兵器やオーパーツと呼ばれる物の知識は邪神が所有するアイテムの数々の使用方法におおいに役にたった。
だからといって、理論や知識を知っているからといっても、直ぐに応用や発展させた技術を生出すことはできない。
やはり経験に勝るものはないのだ。俺はもどかしい知識の空白といった知識欲がわいたせいで、闇の精霊と火の聖獣の神化を目覚めさせてしまった。
「パパ。さっきも教えでしょう。はい、もう一回ね。反復反復」
・・・・・
「あっ!お父さん。そこはですね、少しコツが有りまして、・・・難しいですか。少しレベル落としましょうか」
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「精霊神聖術を極めるなら絶対に応用工学分野の知識も必要よ」
「先に精霊神魔法の基礎をかじらないと無理だよ。だからこそ、声楽と占星学に学芸分野も学ばないと無理よ」
といった場面につながっていったのだ。
俺は勉強の合い間に休憩がてら邪神の私物を手に取った。
【邪神の日記帳】
ざっくりであるが、俺は日記帳に目を通した。
内容はこの異世界の成り立ちから俺がこの異世界に来た前夜までが書かれていた。
この異世界は6神がいた。
男神4、女神4の4組のペア神がいた。それぞれの神は1精霊1聖獣、生みだしこの異世界の発展に勤め始めた。
始めの頃はやることが多くて大変だと書かれている。
そして、神は精霊たちにこの異世界に生命を増やすためにある物を与えた。
そう、ダンジョンを・・・進化を急いだ、異世界ではダンジョンがあるのが当然のようだ
ダンジョンは精霊でも生みだせなかった物をこの世界に送ることができた。道具にかぎらず、あらゆる獣や魔獣といった物まで・・・
しかし、どんな生命も自然の環境に適応しなければならず、精霊たちの加護以外でも進化を続ける。生存競争、生存本能はもちろん環境適性にあった個体に生き抜くために進化する。
ある生命体はダンジョンを利用した罠で生き抜き、ある生命はダンジョンの在る階層に墨付き支配をする。そして、精霊の加護を十分活用して、魔法まで使いこなせるように進化した。
自然交配、人工交配、雌雄変異によるハーレム形成などによる種の保存など、それぞれの種の環境適応による種の形成が出来上がった。
このころになると6神はパンドアラークから仮想移民を送らせたりした。そして人工的に作られたこの異世界に合わせた人間と共存させた。
しかし、必ず生物の進化を早ませた付けが来る。理論とはかけ離れた存在の誕生。
それが魔人族と呼ばれる者達・・・もしかしたら、パンドアラークの移民者が後ろ盾になっているのかもしれない。
しかし、想定内として処理しなければならない。それを担うのは神や精霊、聖獣である。
時には、パンドアラークにいる女神に依頼して異世界から勇者を派遣させるようにさせることもある。
そして10数年前にあることが起こった。邪神のパートナーである女神が別のパートナーの女神と失踪してしまったのだ。
昨日まで普通だった最愛の女神が失踪したという事実を受け入れられなかったのだ。
同じようにパートナーの女神に失踪された男神。お互いに寂しさを紛らわすように狂ったように酒を飲み、暴れまわった。
そんな悲劇を見てられない、もう一組の神様達は何かできないか考えた。
やさしい男神は二人の男神の間に入り慰めた。優しい女神は女神達を異世界中を探し回った。
しかし女神達は見つからなかった。
ある時、優しい男神はすさみあれている男神達のつまらない喧嘩の仲裁に入り、命を落とした。
それを知ったやさしい女神は旅から戻り、引きこもってしまった。
二人の男神達はお互いの同郷の女神に逃げられ、憐れんでくれた友と呼べる男神を死に追いやってしまったと、バカな行ないを慰めあった。
そして、邪神は一線を超えた・・・・
はーーーーなるほど!!!邪神は猫じゃなくて、これで男の娘になったのか・・・
そして、男の娘になった神に手を出した、チャレンジャーな男神はどこかへ逃走・・・
で!邪神降臨かー。
昼ドラだよ昼ドラ!凄いねー異世界。広いねー異世界!
あとは・・・・・ペラペラペラ・・・
うーん。この後、パンドアラークに戻ったのか。
でも、やさしい男神が死んだのは悲劇だね。
でも神ってホントに死ぬのかなー。以外とパンドアラークに戻って失踪した女神を探しているかもな。そう願いたいよ。
俺は日記をもとあった、書斎でつかっていそうな机の引き出しの中にしまった。
俺が夢中になって、邪神の日記を読んでいたせいで、ヤミちゃんとフェイファもバリバリと独自で勉強をしている。
よきかな、よきかな。
手持ちぶたさになった俺は禁書指定の図書をあらかた見て回った。
その中でパンドアラークのマル秘マニュアル本のような図書を見つけのだ。
目次を見ると、なかなか面白い。
【パンドアラークの移民移住の手引き】
・移住できる惑星の見極め方
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・開拓方法
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・知的生命体がいた場合の移民移住、侵略侵攻方法。
パンドアラークより高度文明:有 知的生命体の惑星:ケースA~G
パンドアラークより高度文明:無 知的生命体の惑星:ケースH~N
・移民移住した後に知的生命体に侵略された場合
パンドアラークより高度文明:有 知的生命体の惑星:ケースL~R
パンドアラークより高度文明:無 知的生命体の惑星:ケースS~Y
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・想定内事例集
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・緊急トラブルQ&A
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・惑星を放棄する場合
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俺はこのマニュアルをペラペラとめくった。
放棄された惑星の復活方法に・・・・知的生命体の種類・・・平和協定を結ぶケース・・・
特定の条件下で特殊能力を目覚める種族がいる・・・ふーん。ス◎パ◎マンみたいな超能力超人や、ウ◎◎ラマンみたいな存在か。それに知的生命体に寄生する種族は複雑で体力や魔力を増幅させたりする者や高性能な機械文明を有する知的生命体・・・いろいろいるらしいな。
そしていろいろ気になった記事があるが、俺は地球に関することが有ったので目を止めた。
地球のある特定地域では、想像力が豊かで勇者召喚をする人を選出するのにとても優れた勇者になる可能性に満ちた地域がある。
なお、この地域では魔法少◎に選べられる者がいるため、莫大な想像力をエネルギーに変えたり、想像力を糧にするようなパンドアラーク以外の惑星種族からも狙われている可能性がある。だから、その地域から勇者召喚した者は保護対象となっているので注意!
うーん。このマニュアルみたいのが地球側用の異世界侵攻マニュアルみたいのがあったりして・・・・
マニュアルかー絶対あるな。活用してるよ。・・・・絶対制作にもオヤジが絡んでるな。秘書さん達も手際いいもんなー。
それにしても、まさか学園都市が海の藻屑になったのも、いろいろ絡んでる可能性あるかもなー。
パンドアラークの知的生命体にしても、ある程度の情報を俺にくれないと疑心暗鬼になるよ。
母が俺に期待しているのは何か大きな陰謀があって、母も表に出れない理由があることが推測できる。またその大きな影響の為に一枚噛まないといけない状況になっているような気がしたのだ
俺は複雑に交差する思惑を乗り越えるなければならないと感じている。
だから、ダンジョンのセキュリティも上げたことで、さらなる独立性が高まったことにより俺は単独で動くことを決めたのだ。
でも上手くいくはずはないだろう。なにせあのクソオヤジは異世界攻略者だからだ。俺はまだまだ、オヤジを超えることはできないだろう。
それでも俺は自分の目で確かめていくしかない。
エクストラハードモードな親父越えをいつかしてやるぜ!
まってろクソオヤジ!!
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