16 ラボ・オブ・ブースト・ホスピタル
あまり深くは語りません
異世界のラブホを楽しんでください。
邪神再誕!
俺の中に眠っていた邪神が目覚める。魔神のエキスを吸い取ったせいか、眠っていた邪神様が目覚めようとしている。
ヤバい。このままでは俺の理性が持たん。どうしたらいいんだ。どうしたらいいんだ。体を制御ができない。力も入らなくなってきた。俺の意識もなくなりそうだ。
このままでは周りに被害が及ぶ。誰か・・・・誰か・・・た・・す・・け・・て
邪神様が・・・邪神様・・・俺の邪神が大きく・・・・ああ・・・すごい
「あのー・・秘書さん。もうそろそろ、その実況やめてもらえますか。っていうより、ようやく彼女とKISS、いや、彼女と再会したのに二人っきりさせてくださいよ」
「いやー。だって、それなりの時間あったのに、着替えもしない変態露出狂のヒデオさんに言われてもねぇ。服着てないのはヒデオさんだけですよ」
うむ、一理ある。でもおれにはいい訳があるぞ。何せ、精霊たちにさんざん玩ばれて、いやエネルギーを吸われまくって、精々温泉で浮かぶことぐらいしかできないんだからな。
でも、綺麗なお姉さんさんが、露出狂の変態というならば、甘んじて受けようどうぞ、もと、もっと!もっと!!
言ってくれさあ、露主教の教主ヘーンタイモウ♡と!
早く、俺を罵ってくれ!お願いだ!
ヤバいホントに魔神の影響なのか妄想が暴走してる。本当に声に出そうとする俺がいる。
それより、ヒイロの目がヤバい。俺と秘書さんがほんのすこし、しゃべっただけで、俺の顔をすぐ両手で頬を押さえて、俺を貪るようにKISSをしつづける。
ヒイロは魔神っというより、淫魔になっちゃったのか。それとも、俺がいつの間にか魅了の力を使ってしまったのか・・・
このままでは、ヒイロの中の魔神が俺の邪神を飲み込んでしまうかも・・・
いかんいかん!まだ妄想が止まらん。
俺はKISSされながらも目を開き周りの状況を観察する。
まず状況を整理しよう。
火山活動は止まり周り山脈から噴き出したマグマは止まり、ダンジョンの種は相変わらず成長を続けているようだ。まだしばらくはオヤジの召喚虫軍はもどってこないだろう。
オヤジは相変わらず結界の外でヒジリに正座させられ嬉しそうにしている。
ボロボロの状態で狼耳幼女と氷の精霊少女が互いに支え合いながらも何かをもって結界の中に戻って来た。
よくみれば精霊少女たちも生傷だらけで、疲れきっている。服もボロボロになっている。
聖獣たちもひと固まりになって温泉に使って、傷をなめあっている。
秘書さんは実況しながらメモ取って指示している・・・???
おいそのレオタードを来ている忍者みたいな人は誰だよ!秘書さん!なんで撮影したり、レフバン取ってるの。音響さんマイクが近いよ!
俺は残り少ない力で、顔をそらしてヒイロのKISSから逃れる。そのままヒイロの体の状態を確認した。
ヒイロの服は既にボロボロで半裸状態。それに肌はいたるところが焼けど状態になっている。生傷のような血のにじむ跡も多数ある。
戦闘の後というわけではないが、最終形態の魔神から、呪を解くような多重立体精霊解呪。
常時、精霊結界にさらされた悪魔を想起させるような強引な魔封じ。
いや、体にも心にもすくう魔神の呪ともいえる魔魂装を強引に剥がしたのだ。
ボロボロになるのは当たり前である。
そんなになってまで、結界の中に入って来て俺の胸に飛び込んでくれたのかヒイロ。
俺はありったけの力で抱きしめることしかできない。
それでも、ヒジリは耳元でひたすら大好きヒー君と寝言のように聞こえるか聞こえないのような囁きでつぶやいてくれた。
それを見ている精霊少女たちはボロボロになりながらフルマラソンをしたかのように腰を落としてぜいぜい呼吸を粗くして何もない空を見ている。
そこにようやく氷の精霊少女と狼耳幼女が肩を組みながら互いに支え合いながら戻って来た。
「お兄ちゃん・・・綺麗なお姉ちゃん。助けて・・・あげて」
ドガ!バタン!
二人は抱き合っている俺たちにすがるように倒れた。ヒイロ腰に手を回していた俺の手に無理やり何かを持たせて倒れてしまった二人は既に気絶していた。
「あらたいへーん!」
と言いながら秘書さんは、ヒイロの首に注射を打って意識を失くさせた。
俺も意識のなくなったヒイロは支え合うこともできずに倒れそうになっていたが、すかさずレオタード隊がヒイロと俺をケガをしないように寝かせる。
「おいおい、秘書さんなんで異世界にキングサイズのフカフカのベッドがあるんだよ!それに、ヒイロになぜ注射を打ったんだ!」
「注射はヒデオさんも打ったでしょう。異世界対策用で危険はないですよ。アッまさか、寝ているまま、襲っちゃいたいんですか。どうぞ、どうぞ!」
「すいません。そんな趣味ありませんから」
「エッつまらないな。度胸がないなんて。これだから童貞は‼ケッ!」
何だろう、秘書さんと絡むと俺が悪い大人になってしまうような気がする。そうか、大人の対応を学べと神様のお告げだと考えることにしよう。まずは軽くスルーしよう。
そうだ!先に言っておこう。俺は根性なしの童貞ではないからな。ただ、愛し合う二人の愛を邪魔されたくはないだけだからな!キリッ!
そんなことより、ヒイロを寝かしてくれた秘書さんはボロボロになった精霊たちに、転移門の封印だけを解くようにいった。
「あなた達も早く回復しないと不味いわね。転移門の封印結界を失くすだけでも少しは楽になるんじゃない精霊さん」
大きく頷いた精霊たちは転移門の結界を解いた。その瞬間、秘書さんとレオタードの忍者風特殊部隊は転移門を通って亜空間異世界に行ってしまった。
いや次の瞬間には戻って来ていた!何をしてきたのだろう??イヤな予感しかしない。
そんな考えを覆すかのように、レオタード忍者風特殊部隊は次々に、ボロボロになった精霊少女たちを担架で転移門をくぐり亜空間異世界に運び込んだ。
秘書さんはニッコリしながら聖獣たちも亜空間異世界に行くように促す。しかし、聖獣たちはおびえていた。
・・・・俺の知らないところで何をしたんだ秘書さん。
聖獣たちが蛇に睨まれたネズミのようになっているじゃないか。はっ‼そういえばヒジリが秘書さんを先生呼ばわりしてたんだっけ。聖獣たちも指導されたんだろう・・・かわいそうに・・・
尻ごみしながら、一番最後に白虎が転移門を通ると、秘書さんが俺に声をかけてきた。
「ヒデ君。亜空間世界にラブホを用意してあるよ。ちなみに鏡張りのマニアックな部屋にしといたからね。ごゆっくりどうぞ。うふ♡」
これは罠だ!絶対、マジックミラーになって撮影しようとしている!
っておい!それより、本当にラブホがあるのか!
いかんいかん。あの秘書さんなら、間違いなく用意してんだろうな。
うわー。入りたくないよ。使いたくなあー転移門!
恐る恐る転移門を体を引きずりながらもよたよたくぐった。
そこには秘書さんが待っていた。秘書さんはコントロールパネルルームに指示をだして調整するようにいっていた。俺に気付いた秘書さんはこっちに向かってきた
「ヒデオ君。亜空間異世界の時間を止めたよ。さあ、このカプセルに入って」
「へ、ラブホじゃないの。あせったー。で、このカプセルは?」
「ラブホよ。ラボ オブ ブースト ホスピタルの略でラブホよ。知らなかった?中は鏡張りの特注品よ。この中に入れば数時間でレベルアップも可能なんだからね」
亜空間異世界の周りを見回すと、すでに精霊たちも聖獣たちまで液体を満たされたカプセルの中で眠っている。
ヒイロは全身ボディースーツを着せられたまま、無重力状態で大きな球体の中で浮かんで寝ている。既にすっかり、傷がなくなったようで顔にあったやけどの跡も消えている。
その周りでは、白衣を羽織っているレオタード風忍者特殊部隊のおね~さま方が取り囲んで何やらメモを取っていた。
多分、俺も寝ている時はこのようにされたんだろうなと顔が真っ青になった。
そんなことを気にしていない秘書さんはカプセルに俺をとっとと突っ込んでカプセルの調整にかかっていた。
「元気になっても、あまり張り切りすぎると、嫌われちゃうからね。若いからってほどほどにしなさいよ。はぁー羨ましい・・・」
俺は最後の言葉を聞き取れないうちに意識がなくなった。でも。意識が戻ったときには、体は軽くなり、邪神の力までもが復活していた。ゆっくりと、カプセルの内側にあった、開閉スイッチを押して俺はカプセルから出た。
そこには仁王立ちをしている、体操着とブルマをはいたヒイロがいた。
よおく見ると、いたるところに絆創膏だらけのヒイロはブイサインをしながら俺に微笑んだ。
「大丈夫ヒー君。元気になった。やっぱり二人の愛の力よね。あんな胸なしの妹さんにはヒー君を癒すことはできないんだからね」
そういうと、ヒイロはなにやら一瞬の光とともに変身をした。
「あ・・・なんでヒイロがヒジリとおなじ精霊武装できるんだ・・・」
「気合いかな?いいえ、愛の力だよ。胸なし妹ちゃんに出来て、超絶いい女の私にできないはずないじゃない。そうだ、ヒー君も変身できるはずよ」
体操服姿だったはずが迷彩服に変わったヒイロの横で親指を立てる秘書さん・・・
まさか、ヒイロに妹との仲をたきつけやがったな・・・それよりまさかヒイロを改造した可能性の方が・・・
変身をといだヒイロの横にはさながら戦隊ヒーロー張りにポーズをつけ攻殻武装をした精霊少女5人が叫び出す。
「われら、攻殻精霊ヒークン親衛戦隊参上!!」
「・・・・・・・」
パチ・・パチ・・パチ・・・
仕込みまで完璧かよ。何だろうこの宗教感までただよう眼差しは・・・・お前たちには聖女がいるだろう・・・いいのか!俺は何も言えないまま固まっている。とりあえず、拍手だけはしといた。
そこにドジっこキャラばりに出遅れた氷の精霊少女と狼耳幼女がおどおどしながら二人してコケながら、二人で俺の邪神につかまった。
っておい!俺ってまだ裸なのかよ!
でも、俺は焦らない!焦らない!・・・・
なんか俺はいろんな意味で異世界に来て捨て去ったみたいだ。
でも、この時だけは、俺も精霊武装を纏いたいと思っている。早く、手を離しなさい。
邪神様が続いて起きてしまうだろう。どうか、まだ眠らせておいてくれ。
「ごめんなさい。ヒデオ様・・・でも、手にしているナイフはあげますから、早く聖獣が宿っている宝石を目覚めさせてください」
俺は思い出した。転移門に入る前にこの精霊少女と幼女から渡された2つのアイテムの存在を・・・
俺はラボ・オブ・ブースト・ホスピタル・・・通称カプセルラブホにそのまま持って入った事を思い出した。
涙目になっている二人をいい子いい子している秘書さんはナイフを俺から取り上げてアドバイスをしてくれた。
「ナイフは預かるわ。その宝石はどうも聖獣らしいのよ。邪神の力を使ってもとの姿に戻してあげてヒデオ君」
「わかりました。秘書さん・・・その前に服を用意してくれませんか。レオタード忍者さんたちの視線まで独占してるんで・・・」
チッ!という声が聞こえてきたのは気のせいだろう。
一斉に目をそらして、いそいそと何かの業務をはじめるレオタード忍者風特殊部隊のおねえー様方はほっといて、俺はヒイロから動きやすそうな迷彩服を受け取って着替えた。
「ヒー君とおそろいね。ペアルックだお」
「そうだね。それより、また、俺はこの宝石に邪神のエネルギーを与えるとまた、ヒーちゃんに迷惑がかかるけど・・・」
「気にしないで。こんども私が回復を手伝ってあげるよ。私にしかできないんだから・・・」
ブツブツ・・・・
また、ヒイロの目がいっちゃってる。俺はこの宝石に力を与えたら直ぐにラブホに直行しようと思った。
勘違いするなよ。ラボ・オブ・ブースト・ホスピタルの事だからな!キリッ!
でも、二人ではいれるかも・・・・いかんいかん。集中・集中・・・
俺は宝石から火の鳥を蘇らせたようにこの宝石に邪神のエネルギーを注ぎ始めた。
しかし、何か足らないのか光るだけで何も起きない。
そこに頷きながら秘書さんが俺の肩を叩いた。
「やはりこのナイフにハメないと駄目ね」
「わかってたのならナイフを取り上げないで下さいよ」
「だって・・・少し調べたかったんですもん」
「可愛く言ったっても・・・あーめんどくさい。何かわかったんですか」
「内緒だよウフ♡」
あー悪い顔してるぞ。秘書さん絶対何か隠してる・・・まさか、人工的に聖獣を作ろうとしてるかも・・・いがいとありうる。でもこれ以上は触れないようにしよう。
俺はナイフにカチッと宝石を開いている待ち手の部分にはめ込み、その状態で力を注いだ。
宝石のはまったナイフは見る見るうちに光ながらグネグネと形を変えはじめた。
一瞬眩しいぐらい光がつよくなったとき、形が定まったようにだんだんと光がおさまった。
俺の手にはナイフから卵にすり替わっていた。
その卵は博物館で見るような見るからに恐竜の卵のようなごっつい硬さの殻で覆われていた。重さも15~20kgもありそうな大きな卵だった。
その卵を見た攻殻精霊少女隊は涙を流しながら喜んだ。
「「「「「闇の精霊ルーちゃんはまだ生きているよー良かった!」」」」」
「これが闇の精霊になるのか?」
「「「「「この子はルーちゃんの聖獣よ」」」」」
詳しく話を聞くと、聖獣は精霊と対をなす存在であり、互いが力を依存する存在と言っていた。だからこそ、精霊の卵になっているのは封印されていることを示唆しているらしい。
そんな和気あいあいとした雰囲気を一遍させるようなことがこれから起こるなんて俺が知る由もなかったわけではない。
なぜならば、この一言から始まったからだ・・・
「良かった。まだ、元気そうね。ヒー君のエステ張りの施術って私にもしてくれるのよね。そうだ、エフリート以外の精霊たちもお願いしたいって言ってたわよ」
「「「「「私たちもいいんですか!あと・・・わがままなんですが、聖獣たちが幼女姿になってしゃべってみたいって言ってるんですよ。ヒイロ様がヒデオ様を説得していただけたら・・・・そうだ!そうよ!もしヒイロ様が装備する武器がしゃべれる様な優秀な武器や防具だったら間違いなくヒジリ様より完璧に使いこなせてるっていえますよね。ついでに火の鳥さんも頼んでみたら」」」」」
なんだこの保育園でやっている学芸会バリの仕込みは・・・・あー俺はあと何回死ぬんだろう・・・・狼耳幼女も俺に笑顔で手を振っている。
やっぱり俺はエクストラハードモードで異世界を攻略しなければならないのか・・・
ああー早く、ポータルゲートを通って異世界に戻りたいよー!!
何度もそんな声が亜空間異世界に響いていたとさ。
お願いだーブックマークと評価をお願いしますだー
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