12 氷の精霊
氷の精霊の進化の回
闇の精霊を救出を急げ
そしてオヤジが異世界を・・・
俺たち氷の双子の精霊たちを置いてラスボスである邪神が住んでいた地に魔法で転移するか迷うっていた。
だって、せっかく一晩休んで回復した俺が、また精霊に力を吸われたら木の精霊と闇の精霊を助けることがさら遅れてしまうからである。
なくなく、氷の双子の精霊には泣いてもらうことにした。しかし、他の精霊たちは氷の双子の精霊にある提案をした。
そして氷の双子の精霊は実行することにした
「氷の精霊の力をあげるために一つになります。そしてみんなに追いつくように進化のスピードは倍にして見せる」
分身がもとの一体に戻ったように、それぞれの大狼のフェンリルにのった精霊は1つになる。
大狼のフェンリルも2頭から1頭になった。でも、大きくなるどころか、小さくなった。しかし、シルバーに輝く毛並みは更に艶やかに変貌した。神狼獣の位が上がったようにも見える。今後が楽しみだ。
俺は少しエネルギーが消耗して、よわよわしく、小さく幼くなった神狼獣を抱きかかえた。1つになった氷の精霊も静かに神狼獣にしがみつきながら眠ってしまったようだ。
俺は幼く小さな神獣を抱きかかえたまま、聖女と攻殻精霊少女隊を引き連れ、ラストダンジョン前に大地に転移魔法で向かった。
そして、俺はまたこの焼きただれている大地に戻って来た。ヒジリは燃えさかる山脈の赤き川の流れのようなマグマに見とれている。
大地に降り積もる火山灰は汚れた都会の雪のように積もっている。ところどころ、大きな岩が荒野に整然と置かれている。星に降り注ぐ隕石のあとのように、クレーターが凍った氷の波紋のような粗々しくも原始の星も連想させた。
しかし、時より混じる、温かく汚れた雨と降り積もった火山灰によって雪の日に乗り捨てられた車のようにも見えた。
俺たちは口を布で覆い火山灰を踏みしめながら、唯一空から光が漏れ、晴天が見える場所を目指した。
そこは俺が人間の体を取り戻した場所。聖なる泉だ。少し、生ぬるく、電気を温びたような風が吹くこの荒野をただ注意深く歩く。襲う者も生きている者がいないこの死の荒野に抗うように。
そして、俺たちは荒野を抜けて光の壁に包まれた緑の大地に踏み入れた。ようやく戻って来た聖なる泉。
泉に駆け寄り聖なる水に喉を潤す聖女ヒジリ。その周りを舞う蝶々。どこから来たのだろう。そして、泉の周りに咲き誇る野花は風の歌を歌うかの様に揺れている。
攻殻精霊少女隊の帰還といえる凱旋に喜びを伝えているようだ。
攻殻精霊少女隊の面々も踊り、歌うかのように変身を解いた。服を投げ捨て、泉に飛び込む裸の少女たち。攻殻武装から神獣に戻った獣たちも互いに聖水をかけあっている。
俺の腕で眠っていた小さな神獣も目を覚ましたようだ。
危険がないか、びくびくしながらも周りを確認しながら、眠そうな目をこすりながら目を覚ます。
綺麗な銀色狼は目覚ましのようにとおぼえをする。
フヲォォーーン!
水遊びをしていた神獣たちもビックリしたようで一瞬、動きを止めた。
逆に幼い銀色狼の背中から飛び出したのはシルバーオーブだった。
そのまま大地に落ちて転がっり聖なる泉に消えてしまった。
転がり沈んだシルバーオーブに気付いた俺は服を着たままダイブした。
深く澄んだ泉の中を落ちたオーブを拾うために泉の奥底まで潜水をした。明かりもなくなるような深い闇に包まれた泉の底に光っているシルバーオーブ。息をこらえてようやくオーブつかんだ。オーブは転がったせいなのかヒビがオーブ全体の表面に広がっている。
俺はボロボロに崩れゆくオーブを濡れている服に突っ込み水面を目指す。
あと少しで水面に近づいた時、俺の服が光った。俺は焦って、水を飲みそうになった。口から漏れ出た空気の泡の量が一瞬俺の意識を遠ざけた。溺れる・・・ヤバい。と思ったとき俺の口をふさぐ少女。
少女は目をつむりながら、必死で俺に空気を与えようとしてくれた。
俺は全身の力が抜け水面にゆっくり浮かんでゆく。意識を戻しながら目をひらく俺は少女の唇を吸い続けた。
少女の舌が俺に入ってきたときは思わず俺も舌を入れて絡ませようとしてしまった。しかし、既に二人は水の中から泉の上に浮いていた。
目を見つめ俺はただ、ありがとうっていってしまった。
照れたようなその裸の少女も赤らめた頬に手を覆いありがとうって目を伏せていった。
空中に浮かぶ二人を襲う巨大な火山岩バリの炎弾!
「不潔‼彼女がいるでしょうヒデにー!」
どうやらヒジリが精霊の力を魔法に乗せて放ったファイアーボールを放ったようだ。
避けた俺は二人で泉に落ちてしまった。
「何するんだよ。ヒジリ」
「キスしてたでしょう」
「ごめんなさい。ヒデオ様から勝手に力を奪った私に責任があります」
そう言いながら、泉に顔だけ出した裸の少女は幼い小さな銀狼のもとに泳いでいく。
銀狼はぺろぺろと裸の少女から滴る水を舐める。すると、どうだろう幼い銀狼は犬耳がある小さな幼い幼女になった。
「「「「「わー凄い」」」」」
精霊たちからも思わず歓声が聞こえた。
裸の少女と狼耳幼女は抱き合いながらも恥ずかしそうに説明した。
「私とこの子も双子だったの。相方が互いにいなくなって・・・つい寂しくてヒデオ様の力を頂いてしまったの」
なんとなく納得したヒジリだが、それを聞いて、裸に攻殻武装に変身した攻殻精霊少女隊は巧みなチームワークで俺のセカンドキスを狙ってきた。
もちろん聖女ヒジリに阻止されたのは言うまでもない。
露出狂の変態少女隊とレッテルを張られた精霊たちはヒジリの前に正座させられていた。
すっかり、服を着た少女と狼耳幼女はあまりの迫力と暴力を行使する姿に恐怖し聖女ヒジリの奴隷のようになっている。
ヒジリは俺にもそのファーストキスはノーカンといってなかったことに強要した。まー当然だ。俺は彼女にヒイロにファーストキスを捧げるつもりだからだ。
あれは精霊の儀式。水中夢の出来事。出来事。と、俺の邪神が反応がなかったからなと自分自身にも納得させていた。
ヒジリも引きずりたくないのか、この地にきた目的を実行しようと魔法のバックからあるアイテムを出して説明をし始めた。
「ほんとなのか、こんなバッタもんみたいなアイテムで」
「これでこの地域は安定いたします」
さすが異世界だ。怪しいアイテムがある。ヒジリはオヤジから出発前にもらったといっていた。
ヒジリはこのアイテムを使えば地殻変動が止まると言った。光の攻殻精霊少女にこのアイテムを持たて調べさせようとしたら、他の攻殻精霊少女たち含め平伏して神に祈りを捧げだした。
ダンジョンのタネと呼ばれるアイテム。
その星のエネルギーを吸収して成長する奇跡のアイテム。例えば、地殻変動で火山噴火や地震が多発している地域でもこのダンジョンの種があれば、自然災害がまったくなくなる。
大気中のイオンまでエネルギーを吸収する力はすべてダンジョンの成長エネルギーに変わる。
小さなダンジョンでもダンジョンコアのもとになるダンジョンの種の性能・性質により最高品質のダンジョンにもなれる。
もしそのダンジョンのダンジョンマスターになれば思い描く理想郷が手に入るとまで言われている。
ダンジョンマスターの思い描いた幻想世界がフロアを占有する。ダンジョンマスターの想像力があればあるほど様々な幻想世界をつくることも可能である。
精霊神を目指す者であれば、ダンジョン都市を創りその都市神として崇められることさえ可能である。
攻殻精霊少女たちにとってこのアイテムの所有をめぐり殺し合いさせることもできるものである。
そんな貴重なアイテムがなぜ、あの脱廃人オヤジが持っていたのは謎だが、この異世界を改変するほどの地殻変動を起こしてしまった俺にはまずこれを利用して、この異世界を救う必要があった。
今にも、光の攻殻精霊少女から奪い、戦争を始めそうなヒリヒリとした空気を感じ取った俺はダンジョンの種を素早くとり上げた。
「戦争の種になるなら俺が食べてしまうからな」
「「「「「すいませんでした。許してください」」」」」
攻殻精霊少女隊は一斉に土下座の後に俺の足に頬を摺り寄せ謝り続けた。
「わかったよ。それよりまず、俺が生まれたといっても過言ではない。この聖なる泉の周辺に結界を作ってくれ。それに、オヤジに言われたように、転移門も作らないといけないからな」
「わかっております。旦那様。我らは忠実なる僕」
「そうそう、闇の精霊を救出しなければならないからくれぐれも勝手な行動を起こすなよ」
ヒジリも少しあきれながらも側いる氷の精霊少女と狼耳幼女に攻殻武装できるか確認していた。
「もちろんです。ヒジリお嬢様。我らは貴方が理想とする容姿になります。DだろうがEHFIカップも思いどおりですわ」
「ヒジリお姉ちゃん。優しくしてくれれば、最新ファッション武装にも洋服にもなれるよ」
ヒジリは多少の面影だけ残しエルフになった。嬉しそうに、巨乳ゴスロリメイドのエロフになった姿で俺にウインクした。
少しだけ、エネルギーを失って若返った俺は、若さゆえに鼻血が止まらなくなってしまったのは異世界に着た後遺症がでたせいだと納得させた。
まさに俺が抱いてたエッチな異世界モノだということはヒジリに悟らせてはいけないのだ。
俺は少し休ませてもらうよといいながら、聖なる泉にダンジョンの種をほおり投げた。
名残おしそうに攻殻精霊少女隊は指をくわえながらダンジョンの種の成長を見守る。そして、しぶしぶ、精霊少女隊はここを聖地にするが如く、結界を広げてゆく。
ヒジリは聖女の力、聖なる泉の結界をより強固なものに変えてゆく。
火の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉を温める。
水の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉を広げる。
土の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉の周りを肥沃な土地に変える。
風の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉の周りの空気を洗浄する。
光の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉の周りの水分を洗浄する。
雷の攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉のエネルギーをダンジョンの種の栄養に変える。
氷のの攻殻精霊少女は精霊の力を行使して聖なる泉の周辺のエネルギーをダンジョンコアのより強固で丈夫な結晶に変わるように強化する。
そして俺は休むついでにスライムに変身して周囲を掃除するように食べつくした。
俺は、少しだけ若返った姿から元の姿に戻るように腹を満たしていった。
この大地にラストダンジョンを超える聖なるダンジョンが出来るころ、この地から始めった天変地異が収束していくだろう。
そして、目の前の山脈にある邪神宮殿に連なるラストダンジョン内に生き埋めとなっている闇の精霊の救出に向かうのだった。
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「未来元帥緊急連絡です」
「わかった。場所を変えよう」
未来英雄の父、未来栄誉元帥46歳、異世界平和維持防衛協力連合軍元帥としてのキャリアは伊達はない。10数年ほど前から異変が起こりはじめた。しかし約10年前に地球に異世界と言われる第3の世界が出現したことを発端に、あらゆる厄災が地球を見舞われるかと思われたが、未来栄誉の活躍により数々国々の危機を救ったヒーローであった。
しかし、あることで愛する妻を失った後なぜか、異世界との調停役として裏方で暗躍することになった。
そして、いつの間にか、異世界平和維持防衛協力連合軍元帥としての地位に至った。今回は表向き日本政府の一員として政府安全保障省のキャリアとして動いている手前、裏の肩書を大っぴらにできない事情もあり、様々なチャンネルを利用した複数の亜空間世界を利用して暗躍しなければならなかった。
「ここなら大丈夫だ。報告したまえ」
「やはり、ユグノアドラシルを狙った可能性が濃くなりました」
「現世と幽世の狭間の境界が薄くなっているとはいえ、まさか竜脈崩壊させ秘密研究機関の中枢である学園都市沈没まで狙ってくるとは、コンカロンオスの使者か?それとも・・・別の力が働いたのか?」
「元帥・・・実はルシヘルイリスの者の残滓が見つかったのです。いかがいたしましょう」
「まさか地球もさらに滅びの道が近づいてきたのかもしれんな。よし、至急、招集させろ」
命令したハルタカは亜空間異世界から戻ると、秘書を呼びつけた。書類の山を胸にかかえた秘書は、こぼれそうな書類の束を一度整えてから机の上に置いた。
「遅くなりました。この異世界の大気成分はもちろん地質調査から例の実験データまで結果が出ました。それにようやく完成いたしました。既にこの異世界用の環境適応ワクチンのアンプルも用意しております」
「ではこの異世界に救世主に来てもらおうか」
「イエッサー」
秘書は敬礼してテントから出ていった。ハルタカも積み上げられた報告書を目を通しながらタバコを咥えた。
「まだ、早い。しかし、急がなければ・・・」
独り言をいったハルタカは複数の指示を書いたメモを残し、この異世界から消えた。
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