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―少女―
「あはは、そんなこともありましたね」
「あの時は、大変だったんだぞ、反省しろ」
今は、質問メインでは無くて、竜神様と話すことがメインのような気もするけれど、結局のところ、何かを教えてもらいに来ている点では、あまりかわりないかもしれないです。
「そうだぞ、まさか漏らすとは思っていなかったからな、というか漏れそうなら我慢などせずに私に言ってくれればよかったのに」
「だから、ごめんなさいってば」
「だいたい西瓜の食べ過ぎが原因だろう。だから腹に水が溜まって我慢できなくなったに違いない。それに、西瓜には利尿効果もあるしな」
「その時は……まだ小さかったからですってば、西瓜はきっと関係なかったですって」
内容らしきないようもない、雑談に……雑談に……えっと……そう、花が咲いています。咲き誇っています。
「それよりも、今日は何が分からないんだ?」
「うーん……この問題が分からないです」
それと、竜神様に、宿題のお手伝いをして貰ったりもしています。
そして、今日も、私は、宿題のお手伝いを竜神様にお願いしました。
私は、日が落ち切る前に家に帰りました。
今日の宿題も終わったので、家に帰ったら、あとはご飯を食べてお風呂に入って寝るだけです。
今日もものすごく楽しかったです。ヤバかったです。
竜神様はヤバいという言葉はものすごくヤバいと言っていたので、ヤバいです。それくらいヤバいので、きっとヤバいんでしょう。
あれ?
まったく意味が解らない。
まぁ、きっとヤバいんでしょう。
いみじくヤバいんでしょう。
竜神様は、「いみじくヤバい」という言葉を流行らせようとしているようなのですが、竜神様自体、流行の発信源にはなれそうな気がしないのですが、どうやって広めるつもりなのでしょう。
私を経由して広めるのなら、それはそれで無理な気もします。
なぜなら、私も発信源には、なれないような人ですから。
「おじいちゃん、おばあちゃん、おやすみなさいです」
外から、にわとりさんの泣く……あ、鳴く声が聞こえてきます。
そう、みなさん知っていましたか? 鳥さんとかが声を出すときときは「泣」という漢字を使わないで、「鳴」という漢字を使うんですよ。
にわとりさんは元気に鳴いてくれていますが、あいにく今日は大雨のようです。こう言った日は流石に、竜神様の元へ行けないので寂しいです。
これだけふっていると、明日も行けないかも……はぁ……ゆううつです。
「はぁ……」
心の中だけでついたつもりのため息は、いつの間にか口からも出ていたようです。そんなこんなで、朝から沈んでいると、私の部屋のふすまが開けられました。
開けたのはおばあちゃんです。ということは……
「ごはんができたよ」
やっぱり。お婆ちゃんは朝ごはんの支度を終えると、毎朝私の部屋まで呼びに来てくれる。寝坊しそうなときは、おばあちゃんの声で起きる日もあります。
「はーい」
私がそう返事をすると、おばあちゃんは襖を開けたままにして、先に食卓へ戻って行きました。
それにしても……ぐっとたいみんぐ。
朝起きたところに朝ごはんがあるとうれしいですよね。いいですね。きっと今日は一日いい日に……ならない……竜神様に会えないんだった……
が、がまんです。こういう時こそ、がまんが大切です。
私はおばあちゃんが作ってくれたご飯を食べて、学校へ行く支度は……昨日の内二済ませておいたので、すぐに学校へ向かいました。
こんなどしゃぶりの日でも、スクールバスは動いているので、学校には行けます。
ああ……竜神様もバスとか用意してくれたらいいのに……