表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
質問は竜神様に?  作者: 岩塩龍
きっかけは幼い頃に?
2/17

  ―少女―


 私は今日もおじいちゃんが教えてくれた洞窟に私は足を運ぶ。

 いや、別にお爺ちゃんが洞窟の場所を教えてくれたわけではないから、それだと少し間違っている。竜神様に関係のある噂のような伝承をお爺ちゃんが教えてくれて、私がその竜神様が住んでいる洞窟を見つけた。

 お爺ちゃんが言っていた。

「森の中にある洞窟には、竜神様が住んでいると」と。

「その竜神様は何でも知っているから、どんなことにでも答えられる」と。

 だけど。

 してはいけないことが一つだけあるらしいです。 

「絶対に自分の名前を知られてはいかん」と。

「知られてしまえば、竜神様に食べられてしまうからな」と。

 爺ちゃんは言っていました。

 だから、未だに竜神様は私の名前を知りません。

 一方、私も竜神様の名前を知りません。どうやら、竜神様には名前が無いようです。

 随分と長いお付き合いになると思うのですが、未だにお互いの名前を知らないというのも、それまた妙な間柄だと思います。

 前文で、長いお付き合いと言いましたが、大きいとか長いとか、そういうようなことを自分で言ってしまうと、他の人には小さかったり短かったりと思われてしまうと竜神様が言っていたような気がしますので、具体的な長さで表すとすると。

確か、私が洞窟を見つけたのは、小学校に入学する2年くらい前です。そして、今はもう小学3年生です。

 だから、大体5年くらいのお付き合いになるはずです。

 あれ?合ってますよね。

 きっと合ってるはずです。

 ということで、長いお付き合いになるのですが、お互いに名前を知らないのです、

 なんか不思議ですね。

 私が持っている言葉の数は数少ないので、うまく説明は出来ないのですが、私なりの言葉で説明させてもらえば、好きな料理の名前を知らなかったり、好きなスポーツのルールを知らなかったり、好きな言葉を感じで書けないといったような事々に近いような気がします。

 伝わらなかったりしたらごめんなさい。

 その時は、言葉が増えてちゃんと伝えるようになったときに、また伝えると思います。

 こんな、自分の国の言葉も使いこなせていない私ですが、周りからは頭がいいと言われます。

 自分ではまだまだ頭は良くないと言っているのですが、周りの人は、その年齢でそれだけ出来れば凄いと言ってくれます。

 もし、本当にそうならば、これも全部竜神様のお蔭です。

 竜神様が、色々教えてくれたのから、私がそれを知っているだけです。

 本当の私はそんなに頭が良い人間ではないはずです。

 竜神様とはもっと仲良くなりたいです。

 感謝しても、感謝しきれません。どうやったら感謝しきれるのでしょう。

 何をしても感謝しきるといったような事は無いとは思うのですが、それでも。

 それでも、せめて私の名前を教えることくらいできたらいいのにな……。

 今の私はそう思うのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ