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勇者召喚された魔皇帝  作者: 錬金王
フォーレン王国召喚編
6/40

魔皇帝

紅一はフードをかぶっています。


書き忘れていました。すいません。



「ゴブリンか………だがまずは、Fランクらしく薬草採取にしておこう」


  そう思い、薬草採取の依頼用紙を掲示板から取り、さっきの受付嬢の所に向かった。


  「クロキさん、さっそくご依頼を受けるんですね。薬草の採取ですね。場所はここから、西に歩いて一時間程の森です。あまり奥に進むと魔物が出現するので注意してください。薬草は森に入ってすぐの辺りに生えているので大丈夫です。ところで薬草の特徴はわかりますでしょうか?」


 流石は受付嬢。すらすらと言葉が出てくる。


  「いや、わからない」


  「それなら、この植物図鑑をお持ち下さい。薬草や他の木の実などの情報も載っていますので、よく読んでおいてください」


  「わかった。後、魔物の図鑑とかあるか?」


  「はい、もちろんあります。一応ここら一帯の魔物の情報は載ってますが、無理しないでくださいね。それと図鑑は貴重なので無くしたり、ボロボロにしないで下さいね」


  笑顔でなくすなよ? と念をおされ、何とか頷く。


  「あ、ああ、わかった。気を付けるありがとう」


  俺は逃げるようにギルドを出て、西の森へと向かう。





  ~ギルドの受付嬢~


  あの人大丈夫かしら?


  フードで顔はよく見えないけどあの年齢なのに、薬草も知らないなんて。でも字は書けるし、ちゃんとした装備もしているし、変わった人ね。







 俺はギルドから出ると、冒険者ギルドから西がどっちかわからないということに気付いた。


 そして、何とか通りすがる人に聞き、町を出て森を目指しているところである。


  一応魔物と出くわすかもしれないので、歩きながら魔物の情報を頭に入れていく。


  何となく本屋で読んだゲームの攻略本のような感じだった。


 まず目に止まったのはゴブリンである。


  Fランクの魔物。西の森で出現率が高いが、低レベルである。動きは単調でさほど早くないが、数に警戒するべきである。知能は低い。


  問題は自分の戦闘能力だが、料理は戦闘においては役に立たない。


 隠密は確かに効果はあった。先程の知らない男の横にずっと気配を消すように歩いたらずっと気付かれることもなく、肩を叩いて声をかけると驚かれた程だ。


  しかし、相手に存在を認知されていると特に影響はなかった。



  よしよし、地味だが意外と使えるスキルだ。


  念のための備えとして、他の魔物の情報を読み込んでいくと森が見えてきた。


  …ふー、やっと森が見えてきた。


  魔物図鑑を一旦アイテム袋にしまいこみ、植物図鑑を取りだし、草むらへと入り薬草を探す。


「えーと、確か図鑑によると薬草には黄色い蕾が先に付いているんだな」


  辺りをみると、一本の木の下に黄色い蕾が先に付いている草が一面にあった。他の木の下を見てみると、やはりそこにもある。


  さすがFランクの採取依頼、初心者でもこなせるな。


  そうして、どんどんアイテム袋に詰めて、進んでいく。


  森に誘われるかのように。



  ふと、気がつくと俺は日が沈みかかっていることに気が付いた。


  まずい、薬草の採取のついでに他の植物の観察をしていたら、森の奥まで来てしまった。早く戻らないとマズイ。夜は視界が悪くなり危険だ。


  さっそく急いで戻ろうと行動をおこした紅一だったが、そこで前方の草の茂みが揺れる音に気付いた。


  もしかして魔物か?


 Fランクのゴブリン一匹や、二匹ならやれるはずだ。それ以上は逃げるしかないな。


『ぎゃう!ぎゃう!』


「ゴブリンか!」


  人間の子供のような大きさで肌は緑色、鼻はとんがり凶悪そうな顔をしており、手には木でできた棍棒のようなものを持っている。


 ゲームや漫画の世界でイメージされるゴブリンそのものの姿であった。


  すると、ゴブリンが棍棒で殴りつけようと跳びかかってきた。


  図鑑の通り単調な動きであった。まるで子供が殴りかかったような速さだ。


 俺は余裕の動きで棍棒を避け、すれ違い様にソルジャーナイフでゴブリンの首を撫でるように斬る。


 ブシュウウウウウッ!


  やはり、魔物であるゴブリンでも人間と同じく急所の場所は変わらないのか、勢いよく血が吹き出した。


  ゴブリンはまだ死んでないようか、ピクピクと痙攣している。


  俺はこの弱肉強食の世界に慣れるため、吐き気をこらえて、ゴブリンにとどめをさした。


  すると、頭の中でタラララーンという音が鳴り響いた。


【ーーやっとか】


  今の音はなんだ? レベルアップか?


 それにまた聞こえてきた男の声。


  状態を確認しようとした俺だが、


『ぎゃう!ぎゃう!』


『ぎゃう!ぎゃう!』


  その時、血の臭いに誘われたのか今度はゴブリンが二匹躍りでてきた


 本当はゆっくりとステータスや体の状況を確認したいところだが、魔物が出てきては仕方がない。


  ゴブリン二匹か。今の感じなら行けるか……


  と考えているうちに後方から


『ぎゃぎゃう!ぎゃう!』


  と新たにゴブリンが三匹も現れた。


  不味いな、ゴブリンが五匹もいる上に挟み撃ちにされた。それにまた、血の臭いに誘われて魔物が増えるかもしれん。


  逃走を試みた俺だが、新たに現れた二匹のゴブリンによって阻まれる。


  とっくに見つかっており、スキルの隠密も効果はない。



  覚悟を決め、まずは最後に現れた二匹のゴブリンから倒そうとナイフを構えて斬りかかる。


  一匹目のゴブリンの首を飛ばし、隣のゴブリンを蹴飛ばす。二匹目も木にぶち当たり、がくりと力を無くす。


  そこで不意にドカッという鈍い音と共に背中と右の太股に衝撃が走る。


  どうやら、二匹のゴブリンの棍棒で殴られたらしい。


「ぐ、結構痛いな。レベル1か2の俺じゃ何回もくらうとヤバイ」


『うぎゃぎゃ!うぎゃぎゃ!』


  痛みに歪ませた俺の表情を見るのが楽しいのか、嬉しそうに顔を歪めるゴブリン達。


「まだ、俺は死んでないのに馬鹿な奴等だ」


  ゴブリンが笑い、油断しているうちに近くの殴ってきたゴブリン二匹の首をナイフではね飛ばす。


  そこでさらにもう一匹を木に蹴りとばしたが、まだ生きていたのでとどめを刺す。


  すると、流石に焦ったのか最後の一匹のゴブリンがより大きな声で叫びだした。



『ぎゃう!ぎゃう!ぎゃ~~!』


  危機を感じ、慌てて叫びだしたゴブリンを白刃が穿つ。


 胸から血液を溢れ出し、ずるずると崩れ落ちるゴブリン。


 そこでまた頭の中でレベルアップのような音が鳴った。


 謎の声は聞こえなかった。


「よし、さっさと帰ろう」


  としたところで、俺は不意に熱さを身に覚え、ヒリヒリとする痛みに襲われた。


「くっ!………熱い! 何だ!!」


  俺は警戒し、急いで周囲を確認すると前方から飛んでくる火の玉が見えた。


 慌ててバックステップで後ろに下がると、今まで立っていた場所に火の玉が当たり砂煙を上げる。


「火の玉!? これが魔法なのか!?」


  砂煙が消え、視界がよくなるとさっきのゴブリンより一回り大きい姿が見える。


 手には木の杖を持ち、ボロい茶色のローブを魔法使いのように羽織るゴブリン二体の姿が見える。


  更にその周りには、ローブを羽織ったゴブリンを守るかのようにゴブリンが十体いる。


  「あのクソゴブリンは魔法が使えるのか! しかも絶対にレベルが俺より上だろ?! ゴブリンもまた増えやがって! 召喚初日からこれかよ!」


  半分は自分が悪いせいでこうなってしまったのだが。叫ばずにはいられない。


  くそ! ポーションとか確認して買っとけばよかった。しかもあのクソゴブリンは魔法まで使える上にレベルも高そうだ。高い防御力をもつ黒のローブを買っておいて良かった。


  恐らくはゴブリンメイジの方がレベルが高いのだろう。黒のローブが無ければ瀕死の重症になっていたところだった。


  受け身になると、あっという間に殺られるのでこちらから攻める。


 一気に駆け出した俺は周りのゴブリンを片っ端から蹴りとばし、斬りつける。


  そこで、ゴブリンメイジの火の玉が飛んでくる。


  予想していた俺はそこで横に飛び避ける。


 意外と遅い。俺でも反応できる。


 ………いける!


  と思ったところだが、ヒュンッと空気を切り裂く音が響き、頬に何かで軽く斬られたように血を流す。


  もう一体か! しかも今の魔法は風の刃か! 今の攻撃は危なかったぞ。


  ゴブリンメイジの魔法を警戒しながら、ゴブリンを蹴散らす紅一。

 しかし元々はゴブリン、種族としての魔法適性は低いだろう。

 

  連続で魔法が飛んで来る様子はない。


  やはり、魔法を連続で撃てないようだな。


  ゴブリンの丸太をソルジャーナイフで受けとめ、蹴飛ばし、跳びかかってきたゴブリンをカウンターで斬りつける。するとまた頭の中で音が鳴る。


  それにしても、俺の動きさっきより速くなってないか? 頭の中で鳴り響いた音がレベルアップだとしても、俺のレベルは3… レベル1の時のAGIは確か15… そんなに急激に上がるものなのか?


  疑問に思いながらも次々とゴブリンを倒す。


  もう残っている魔物はゴブリンメイジ二体だけだった。


  最後の抵抗にゴブリンメイジが魔法を放つが、紅一に火の玉や、風の刃の魔法は当たっても、たいした傷をつけることはなかった。


『ぎゃぎゃっ!?』


  何で効かない!? みたいな表情で慌てふためくゴブリンメイジ達。

 確かについ先程まではゴブリンメイジが強者だったが今はその姿はない。


  レベル3にしては、何だかおかしい身体能力だな。


  と疑問に思いつつ、逃げようとする二匹のゴブリンメイジを後ろから追いかけの首を短剣で斬りつける。地面に沈むゴブリンメイジ達。


  レベルアップ音を聞きつつ、俺は急いでこの森を出る。



  森を出る頃には辺りは暗くすでに夜だった。夜の森は昼と違いまた不気味で、奇妙な魔物の鳴き声が時折聞こえてくる。


  周りを見回し、安全を確認したところで俺は心の中で『ステータス』と念じた。



  クロキ・コウイチ


  種族 人間 男 16歳


  LV7


  HP10/87

  MP77/77


  ATK58

  DEF51

  AGI73

  HIT54

  INT74

 

  属性 《闇魔法》

  《火魔法》 (New)

  《風魔法》 (New)

  ????


  スキル

   隠密3

  料理5

  棍棒術1 (New)

  気配察知1 (New)


  称号 (異世界人)・(魔皇帝)・(魔の頂天)



  「……はあ? 称号が……魔皇帝?」



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