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勇者召喚された魔皇帝  作者: 錬金王
フォーレン王国召喚編
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冒険者ギルド


俺は城門を出ようとしたところで門番の男に声をかけられた。


……晴れ渡っていた俺の空に突如曇り空が覆い被さった気分だ。

何か嫌味でも言われるのだろうか。


「おい………アリス王女様からだ。中には青銅貨二十枚、銅貨二十枚、銀貨二十枚、金貨十枚が入っている」


と小さな布袋を渡してくる。その小さな布袋にはとてもそれだけの貨幣が入っているようには見えない。


何でこんな小さな袋に入るんだ。魔法か何かか?


お金はこの先必要なのでもらっておく。門番の男の話を聞く限りでら、つまり日本円になおすと青銅貨は十円、銅貨は百円.銀貨は千、金貨は一万円で、その上に百万円の白金貨があるってことだな。案外分かりやすい。


「ありがとうございます」


「確かに渡したからな、王女様に感謝しろ。じゃあいけ」


さっさと出ていけとばかりに俺を追い出す門番。


そして、俺は城を出た。






城門を出ると、そこにはたくさんの人々で賑わう姿が見えた。


馬車がすれ違えるほどの整備された一本道。

武器や防具や物を売るもの、屋台を出して客を呼ぶもの、食堂のような店で注文を頼む声。流石は王都、店が集まっている。


王が冒険者が集まるギルドがあるって言ってたな。そこを目指すとするか… その前に、何も食べてないな。まずは飯にするか。いずれはこの世界の料理も作ってみたいものだ。


期待を胸に膨らませて、軽い足取りで歩き出す。


いい匂いがする屋台の方につられ歩く。俺が目につけたのは、厳ついオヤジが焼き鳥のような肉を焼いているものだ。


「オヤジ、これは何の肉だ?」


「お!小僧! 知らねぇのかい? これはロックバードっつう魔物の肉だよ。うめぇぜ? 一本銅貨二枚にしといてやるよ」


見た目通り豪快そうなおっちゃんだで、鉢巻きがよく似合う。


「魔物か、やっぱり食えるのもあるんだな。よし! 決めた! オヤジ二本くれ!」


「あいよ!ちょっと待ってな!」


焼き上がるまでただ待っているのも暇なので、オヤジに聞く


「オヤジこの近くに冒険者ギルドはあるか?」


「何だあ小僧、冒険者になるのか?」


「ああ、そうだ」


「そんな細い身体で大丈夫か? ギルドならほら、あそこに青い屋根の建物が見えるだろ? このまま道を真っ直ぐ行けば着くぜ。ほら、肉だ」


オヤジが指差す方向を見ると、木製の屋根が青いでかい建物が見える。

肉を受け取り、かわりに俺は銅貨を五枚渡した。1枚多いのは道案内のお礼だ。


「ありがとな。また来るよ」


ロックバードの肉を二本頬張りながら俺はギルドへと向かう。


ロックバードの肉を食べ終えた俺はもう一度、自分のステータスを確認した。


クロキ・コウイチ


種族 人間 男性 16歳


HP28/28

MP34/34


ATK13

DEF10

AGI15

HIT8

INT12


属性 闇魔法 ???? ????


スキル

隠密3

料理5



ステータスはやはり低いな。MPが少し多いが、属性は闇だけだ。????は知らん。


…そもそも、魔法ってどう使うんだ?わからん。


幸いスキルには『隠密3』があり、『料理5』もあるから一人でも困らない。


『隠密』で気配を消しつつ、単体を仕留めてレベルを上げていくのがいいだろうな…。なら武器は取り回しのいい短剣ような物の方がいいな。防具は動きやすいものにしよう。


俺はさっそく武器屋を見つけ、包丁より少し長めのような『ソルジャーナイフ』を買い、隣の防具屋では、防護服として、魔法が附与されたフード付の『黒のローブ』を買った。防刃、魔法防御機能もあり、ダメージを受けても少し軽減してくれるそうだ。それに色を変えれる機能付きだ。


俺は気に入ったのでこれを二着も買った。


予備の『黒のローブ』は何故かお金を入れていた、小さな袋に入った


おそらくアイテムボックスのような役割の袋なのだろう。


いいものをくれた王女様に感謝だな。


『ソルジャーナイフ』は一般兵士が使うようなナイフなので銀貨二枚と安かったが、『黒のローブ』は流石に高くギリギリまで値切った結果でも、金貨10枚全部と銀貨10枚が飛んでいった。


武器は良すぎても、今の俺じゃ扱えないが防具は別だ。ケチって死んだなんて間抜けなことにはしたくないしな…。


装備を整え歩いたところで、冒険者ギルドの前に着いた。


「………近くから見ると以外に大きいんだな」


屋根が青く、木製の二階建てである。ドアは外され外から中が少し見え、昼から飲んでいるのか楽しそうな声が聞こえる。


………ドアは皆が壊すから外されたんだろうな………。



そして、俺は冒険者ギルドに入った。


入った瞬間に何人かに見られたりしたが、興味を無くしたのか絡んだりすることもなく、馬鹿騒ぎしている。


受付のような所にいる、艶のある黒髪ロングヘアーの美人の受付嬢さんが、一人暇そうにしていたので話を聞きにいく。


受付嬢はこちらに気付くと、見事な営業スマイルをしてくれた。


「初めての方ですね、依頼でしょうか?冒険者登録でしょうか?」


「冒険者登録をお願いしたい」


「わかりました。ではこちらの書類をお書き下さい。名前と年齢、使える属性、武器さえ書いていただければ他は結構です。代筆はいりますか?」


「いや、大丈夫だ。読めるし書ける」


「わかりました」


………そういや、何で異世界なのに言葉もわかり、文字も書けるんだ? 明らかにこの世界の文字は日本語にしか見えないんだが。案外昔の勇者様とやらが日本人だったのかもな……。


書きおわり、書類を受付嬢に渡す。名前はフルネームにすると勇者と間違われそうなので「クロキ」だけにする。出身地などは書けなかったが大体書けた。


「……クロキさんですね? 適性属性が闇属性とは人間族にしては珍しいですね。では、このプレートに1滴血を垂らして下さい」


差し出された針でプレート血を1滴足らすと、プレートが光りコウイチの情報が書き込まれた。


「はい、こちらがギルドカードです。身分証明にもなりますので、無くしてしまわれると再発行に銀貨三枚頂くことになりますので、無くさないようにお願いします。冒険者についての説明などは必要でしょうか?」


「頼む」


「わかりました。冒険者にはランクがF、E、D、C、B、A、AA、S、SS、SSSまでランクがあり、それぞれのランクによって受けることが出来る依頼があります。Bランク以上になると、指命依頼なんて依頼もきたりしますが、まだまだ先の話ですね。クロキさんは本日登録したので、Fランクからになります。その他の注意事項や、依頼の受け方はあちらの掲示板でご確認下さい」


そんなに難しいルールなどは無いようだな。


「わかった。ありがとう」


俺は礼を言うと、そのまま掲示板に向かった。


さて、Fランクの依頼は何がある?




《薬草の納品依頼》


十束で銅貨三枚



《力持ち大募集!荷物運び》


半日銀貨二枚



《孤児院の手伝い》


半日銅貨五枚



《街のお掃除》


《迷子の犬》


《人探し》


《食材調達》


他にも沢山ある。さすがにFランク冒険者の依頼だと、こんな簡単そうなものである。


もはや何でも屋だな。……この世界の孤児院が気になるな…。薬草の採取は簡単そうでいいな。


「…孤児院の依頼と薬草の依頼は受けるか。何か討伐系の依頼は無いのか?」


下の方を見てみると。1枚の赤い貼り紙があった。


《ゴブリンの討伐》


ゴブリン一体の討伐につき、銅貨五枚



「………やっぱりこういう魔物がいるんだな」




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