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勇者召喚された魔皇帝  作者: 錬金王
ビストリア争乱編
26/40

秘密

2000000pv突破!ありがとうございます。


カーシュのステータス不足部分など修正しました。

「ルーナ様!?」


「カーシュ!?」


驚愕の表情を浮かべるカーシュとルーナ。


俺も何も知らなければ、ん? 二人は知り合いかだったのか? と思うくらいなんだが。

第三王女のルーナを知っているということは、カーシュは王宮の兵士の中での信頼度も高い兵士なのだろう。



「どうしてルーナ様がこんなところに? どういうことですか!?」


すごい剣幕でカーシュがルーナに詰めかける。


「ちょっと! カーシュ!落ち着いてください。ここ廊下ですよ」


慌ててカーシュを落ち着かせようとしているルーナ。


今さらだが、第三王女っていうのは秘密だしな。

とはいっても、今のやり取りで察することも難しくはなさそうだが。


「し、失礼しました。皆様」


「どうしたの? ルーナ。大声出して」


カーシュが軽く頭を下げたところで、ロッテが扉を開け部屋から顔を出す。


「よ、呼び捨て?」


「へ? この人誰?ルーナの知り合いなの?」


ロッテのルーナへかける気安い言葉にピクリと反応するカーシュ。

本来ならば平民のロッテが王族のルーナに会うことすら、普通ならばあり得ないことなのだろう。ましてや、ロッテからルーナに気安く声をかけるなど。


「いいんです、カーシュさん」


「失礼しました」


普段の柔らかい雰囲気とは反対に、毅然とした態度でカーシュを落ち着かせるルーナ。


「え? 何?どうしたの?」


「とにかく、一旦部屋に入りましょう。コウイチさんとトト君の部屋でいいですか?」


「いいぞ」


廊下から俺の部屋に入る、カーシュ、ルーナ、ロッテ。


「私は、そろそろ帰るね? 宴には顔を出してね」


「ああ」


空気を読んでくれたレーナが、入れ違いに部屋を出ていく。


「おい、トト起きろ」


「う、うーん」


ぐったりしているトトを起こして覚醒させる。


ロッテとトトはベッド、俺は木製の椅子に座る。


ルーナとカーシュは立ったままだ。


最初はまだ雰囲気が柔らかかったカーシュだが、今はこちらを警戒する雰囲気だ。


「ルーナ様、いいんですか?」


「はい、私は彼らのことを信頼していますから」


最後の確認をとるカーシュに、ルーナは頷く。


その表情はどこか硬い。


「コウイチさん達には、秘密にしていたことがあります。」


やっとか。旅ももうすぐ終わりで、黙ったまま別れると思ったのだが、何か思うことでもあったのだろうか。


それにしても秘密か。


「実は私は、この国の王。ルーガ=ビストリアの息女。つまり王族なのです」


遂に告白したルーナ。


今まで不安だったことだろう。

王女だとばらして態度を変えたりしないだろうか、裏切ったりしないだろうかと。


「すっごーい! ルーナお姉ちゃん王族だったんだあ!」


静寂した空気を破ったのはトト。こういう時のトトの純粋さは嬉しいものだ。普段はあれとして。


「まあ、私は何となく気付いてたけど、王族とは思わなかった」


「え?そうなんですか?」


「だって作法も綺麗だし、子供にしてはすごく頭もいいし。とても平民とは思えなかったわ」


確かに思うところは結構あったな。

俺としては、ロッテがなんとなく気付いていたのが驚きだ。お姉ちゃんらしく、よく見てたんだな。


「そうでしたか、コウイチさんも気付いてました?」


「まあな。ついでに言うと俺は最初からルーナが第三王女だということも知っていた」


「え? 最初からですか? それにそこまで?」


「お前、どうしてルーナ様が第三王女だと知っている!」


カーシュが警戒し、腰の剣に手をかける。


こいつルーナと会ってから急に態度が変わったな。


ただの元王宮兵士じゃないのか? それともただ忠誠心が高いだけなのか。


そう思いカーシュの鑑定でステータスを覗く。




カーシュ


種族 獣人 男 58歳


LV57



HP1890/1890

MP680/680


ATK1380

DEF880

AGI960

HIT720

INT560


属性 火魔法3



スキル

剣術5

槍術3

体術5

見切り

気配察知4

統率4

教育


耐性スキル

毒耐性2

火耐性2

怯み軽減


種族スキル

獣化



称号 (鬼の教官) (王宮武術) (ビストリアを支える者) (魔物キラー) (元将軍)




元将軍や、教官か。

前線は退いたようだが、今でも現役のようだ。


ということは地位が高く、国の中枢部ということになるな。


なら、ルーナのことをよく知っていてもおかしくはないし、忠誠心も高いか。


「いや、ただ鑑定スキルで見ただけだ」


「鑑定? 獣人にしては珍しいスキルを持っているんだな。念のために俺を鑑定してみてくれ」


俺の返事に納得したのか、警戒を緩めるカーシュ。


俺は先程みたカーシュのステータスを大体知らせると、鑑定スキルを信じてくれたらしい。



「ごめんなさい。今まで黙っていて。コウイチさんは私の命の恩人だと言うのに」


泣きそうな顔で頭を下げるルーナ。

あまり見ていて気持ちのいいものではない。


「……俺はいい。頭を上げろ。誰にでも秘密の一つや二つはある。俺だってそうだしな」


最後の言葉はどこか自分を誤魔化すためなのだろう。



「ロッテさんも、トト君も嘘をついてごめんなさい」


「……いいよ。王族だろうと平民だろうとルーナはルーナでしょ?」


「うん! 優しいルーナお姉ちゃんだよ!」


「で、でも王族の私がいればロッテさん達も危険に巻き込んでしまいます」


「もういいよ。ルーナ。辛かったでしょ?」


ロッテの優しい声を聞いて、安心したのか涙を溢すルーナ。


「はい、辛かった。早く言ってしまいたかった!皆に頼りたかった! でもーー」


「もういいのよ……ルーナ」


ルーナの声を遮って抱きしめるロッテ。


「ロッテよ。さんや君なんて、もういらない」


「は、はい…ロッテ」



今までの不安や感情を吐き出すように泣くルーナを俺達は暖かく見守った。





ルーナが落ち着いてからは、話し合いになった。


ルーナがどうして奴隷商人に捕まったのか。どうして迷いの森にいたのかなど。

ルーナは順番に話していった。


「馬鹿な!と言うことは本当に!」


「どうしたんだ?」


話を聞き終わるなり、急に大声を上げて壁を殴りつけるカーシュ。

お前がそんなことするから壁がへこんでるじゃないか。


「前回の徴兵の時、昔の部下に聞いたんだ。フォーレン王国と戦争が始まるらしいと」




ロッテもお姉ちゃんなのです。



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