果物のために
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日間ランキング8位とは…
正直ここまでくるとは思いませんでした。
ありがとうございます!
宿で精神、体力、共に回復した紅一。
空は晴れており、雲1つない実に気持ちのいい朝だ。
ルーナ達は疲れが溜まっていたのか、まだぐっすりと眠っている。
紅一は一人先に起きて、水で顔を洗うため宿の裏の井戸に向かう。
ロップ村の朝は早いらしく、朝早くから人々の声がちらほら聞こえる。
昨日の晩御飯の野菜は美味かったな。
作った奴に聞いたら、全部この村で採れた野菜らしいし、買っていくか。
何となく村を歩いていると、昨日ペコペコ宿を紹介してくれたオヤジっぽい獣人が今日も畑仕事をしている。
こちらに気づいたオヤジっぽい獣人はこっちに手を降る。
「おー、あんちゃんら昨日はゆっくりと休めただか?」
「ああ、何より晩御飯の野菜がみずみずしくて美味しかった。ありがとう。」
「んだー、喜んでもらえて良かっただー、なんてたってあの野菜はおらんとこの野菜だかんな!」
自慢の息子のように胸をはるオヤジ。
自分の野菜が美味しいと褒められて嬉しくやい農家はいないものだ。
「本当か?なら少し売ってくれないか?」
「もちろんだー、あんちゃんはオラの野菜の味を分かってっからな!」
オヤジの獣人からロップキャベツ、レニーレタス、ロップトマト、後見たことのない、でっかい水菜のような野菜などたくさん買うことができた。
そしてそれを丁寧にアイテム袋に入れる。
「ほえー、すんげー便利な袋だなぁ~。」
「魔物が出たぞー!戦える奴は武器を持って女子供は避難しろ!」
若者の言葉によって、平和な朝に緊張感が走る。
腕に自信ある男共は剣や、斧、弓や農具を持って慌ただしく向かう。
女子供は急いで避難する。
「また出ただか。最近は魔物が多いだ。」
「大丈夫なのか?」
「わかんねぇだ。いつもならゲルドさんがいてくれっから、安心なんだけどな。今はビストリアに呼ばれていねぇんだ。」
「そのわりには呑気だな。」
「まあー、最近は腕っぷしのある若者さんも増えたし、丁度あんちゃんもいるしな。」
ニカッと笑うオヤジの獣人。
「俺がかー?」
「何いってんだー。迷いの森さ抜けてきた癖に大丈夫ださー。ほら次はいい果物育ててっとこ紹介してやっから。」
「わかったわかった。美味しい果物安く紹介してくれよ。」
仕方がない美味しい果物のためだ。
最近は肉ばかりで飽きていたところなので、野菜や果物を手に入れるのは必須だ。栄養面でもな。
村を出て声のする方向に向かうと空き地のような所で、若者達が3体1ずつで3体の魔物を囲み善戦していた。
Eランク オーガ
LV25
HP65/120
MP35/35
ATK98
DEF72
AGI45
HIT40
INT25
属性 なし
スキル
肉体強化1
斧術1
他のオーガレベル差は多少あったが若者達でも問題無さそうだった。
結構強いな若者達。ゲルドって奴に鍛えられてるのか?
皆レベル30くらいあるじゃないか。
何もしないのもあれなので、援護のつもりでピンポイントに3体のオーガだけに威圧を発動させる。
突然の強者からの威圧により明らかに、怯え動きが悪くなるオーガ達。
それをチャンスとみて、一気にそれぞれ攻撃を叩き込んでいく若者達。
次々と地面に沈むオーガ。最後の1体をもうすぐ倒せそうな時に、紅一は新たな魔物の接近に気付いた。
「バオオオオオッ!」
低く唸るように声をあげる魔物が近づいてくる。
Cランク オーガジェネラル
LV42
HP380/380
MP120/120
ATK370
DEF330
AGI250
HIT200
INT180
属性 なし
スキル
肉体強化3
斧術2
棍棒2
剛腕2
統率2
あっ、ちょっとこいつ強いな。
先程のオーガよりも二回りも大きく、肌は黒く顔つきもより凶悪になっている。
手には新しい血で汚れた斧を持っていて、より一層に迫力を増している。
自分の実力に自信があるのかドシドシと力強く歩く姿には自信のようなものがある。
「おい、あれオーガジェネラルじゃないか?」
「何でそんなやつがこんな所に!今はゲルドさんもいないんだぞ!」
さすがにオーガジェネラルはキツいのか、ジリジリと距離を取る若者達。
「おい、あの黒いのは俺がやるから、さっさとそいつにトドメをさせ。」
「あ?あんた誰か知らんがいけるのか?」
「任せろ。」
「わ、わかった!おい!俺達はさっさとコイツを倒してあの兄ちゃんを援護するぞ!」
「「おお!」」
紅一が一人走り出すと、オーガジェネラルは馬鹿な奴が一匹餌になりにきたというように顔を歪める。
ふん、残念だが今回はお前が獲物だ…。
自慢の剛腕による斧で、紅一を叩き斬ろうと振りおろされるが、紅一はあえて飛び込み斧を持つ手をつかみ受け止める。
自分の力が自慢だったのか、そんなことがあるはずが無いと言うようにさらに力を込めるがピクリとも動かない。
「力比べは俺の方が上みたいだな。」
ニヤリと笑い、オーガジェネラルの顎を蹴り上げ、浮き上がったオーガジェネラルが落ちて来たところで腹に、硬化と剛腕を発動させた右ストレートを撃ち込む。
腹を突き破り、重い音が大気に響く。。
そのまま吹き飛びオーガジェネラルは沈黙した。
オーガを倒した若者達が音を聞きつけて近寄ってくる。
「おい!兄ちゃん1人で倒したのか!強えーんだな!」
「全くだ!ゲルドさんみたいだったな!」
「ああ!」
「とにかく皆無事で良かった!」
「全くだ!」
「おい、兄ちゃん一緒に飯食おーぜ!」
「おう!助けてもらった礼だ!奢るぜ!」
「そうだな、連れのガキも連れていっていいか?。」
「おう!兄ちゃんの連れなら構わねえよ!じゃあ、後で酒場に来いよー!」
村の近くで若者達と別れ一度宿に戻る紅一。
すでに、魔物を倒したことが伝わってるのか、嬉しそうに喜ぶ獣人達。
宿の食堂に入ると、やっと起きてきた様子のルーナ達3人が席に座ってミズヲ飲んでいる。
「おはようございます。コウイチさん。」
「おはよ~。お兄ちゃん。」
「あんた朝早いわね。」
何となく眠そうな3人。
どうやら、魔物の騒ぎにも気付かず寝ていたようだ。
呑気なものだ。
「いや、もう昼前だぞ。」
窓を覗き、本当だ。と呟くロッテ。
「それにしても今日は外が賑やかね。何かあったの?」
外ではオーガ3体とオーガジェネラル1体が現れたというのに死傷者無しで軽くお祭り騒ぎだった。
「ちょっと魔物が出てきただけだ。」
「「え?」」
「いつのまにそんなことが…起こしてくれてもよかったですのに。」
「えー!兄ちゃん戦ったのー!?」
「まあ、少しな。」
「えー!僕見たかったなー!ねえー、お姉ちゃん?」
「な、何で私に言うのよ!」
「だって、お姉ちゃんも見たいでしょ?ちゃんとお兄ちゃんの戦うところ。」
「べ、別にそんなことないわよ。」
「ロッテさんは素直じゃないですねー?尻尾はこんなに素直なのに。」
起きてすぐなのに元気にはしゃぎだす3人。
やはりコイツらが集まると騒がしい。
それからは、ルーナ達を連れて酒場へと向かった。
酒場へ入ると、すでに出来上がっている男達に、待ってたぞと出迎えられた。
トトやルーナはオーガを倒した若者達からオーガジェネラルの時の俺の話を聞き盛り上がっている。
ロッテも興味ない振りをしているが、耳がピクピク動きしっかり聞いている感じだ。
たまには、こんな大勢でわいわいと食べるご飯も悪くないと思った。
その後は、オヤジに美味い果物を栽培し売っている獣人を紹介してもらい、たくさん果物を買い込んだ。
その獣人も丁度次の村へ果物を売りにいくと言うので乗せてもらうことになった。
「んじゃあなー!ありがとよー!あんちゃん!ゲルドさんに会ったらよろしなー!」
「兄ちゃんまた来いよー!」
走り出した馬車に乗った紅一達をわざわざ見送ってくれるオヤジや若者達。
ゲルドは誰かは知らないが、また寄れたらいいなと思う村だった。
修正がきくかわかりませんが
せめてもう少し分かりやすいように、読みやすいようにしていきたいです。
作者は初投稿で豆腐メンタルなので、暖かい目で応援お願いします。




