若いっていいねぇ
「若いってい入ってきた」
最近の口癖となってしまった
いくらこの学年を終えてしまうからって、
卒業式のノリで写真を取る必要があるのだろうか
絶対必要ないし、私からしたらくだらない。面倒だ。
若いと全てが楽しいらしい
そして楽しいと感じない私は若くないようだ
友達までパシャパシャやっているようだったので
私は君のいる教室へ逃げた
やっぱり君はそこにいた
彼女の教室では写真撮影は行われておらず、
君と鶯は話していた
「あれ、浅葱と山吹は?」
君はそうやって聞いてきた
「みんなと写真撮影やってる」
私は適当に答えた
私だって取りたい人いるけど、クラスも違うから、話しなんか持ち出せない
「ねぇ、どうしたらいいの!?」
そこに山吹が入ってきた
今日、クラスの男子に告白するらしい
私にはその勇気はない
フラレるのはわかってるし
彼女は結果的に告白しなかったけど、
そんな気は起こせない
やっぱり私は若くないらしい
「若いっていいねぇ」
そう言って私は自分から逃げた