表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第一話

青い空


青い海


白い砂浜


そして・・・


「夏亀君・・・水着どうかなぁ・・・」


「おにいちゃ~ん!!ビーチバレーしよ~」


「あんた、遅いわよ!!それより、私にサンオイルを塗りなさい!!ふん、私の肌に触れるんだから血涙流して喜びなさいよ!!」


「夏君、あそぼ~♪」


沢山の水着美女!!

俺を四人の美女が囲み、サンオイルを塗ってくれやら、一緒にビーチバレーをしようやら、泳ごうやらと様々な方法で気を引こうとしてくる。

当然、俺の体は一つしかないから、彼女たち全員の願いに答えてあげることは出来ず、ここで選択肢が発生するわけだ・・・

おしとやかな眼鏡委員長、義理の妹、ツンデレ転校生、そしてロリ系幼馴染・・・

ロリコンの俺としてははロリ系幼馴染だが、義理の妹のお願い事をちゃんと聞いておかないと、後々家での行動がやっかいになるし・・・

ツンデレ転校生を無視すると肉体言語でプリンセス膝十字固めを食らいかねないし、おしとやかな眼鏡委員長は試験勉強の手伝いをしてくれなくなるかもしれないし・・・

うぅ~・・・モテル男は辛いぜ・・・


まぁ、スクリーン内のギャルゲーの世界での話しだけどね・・・

あ、勿論R指定がある奴ね♪

俺のお勧めとしては、三国志キャラが全員性転換した恋する姫たちの物語だな・・・

雛○たんと朱○たんが可愛い過ぎるぜ・・・

もう、抱き枕やグッズに何万円て注ぎ込んだやら。


まぁ、俺の趣味は置いといて、この手のゲームをやって思うのだが・・・

プレイ後に、現実世界では一切モテない自分が、惨めに思えて泣けてくる・・・


そんな俺の名前は、山楽さんらく夏亀なつき22歳。

今年に国立帝都大学の工学部を卒業したものの、この就職氷河時代と云う強敵に破れてパートでその日暮をしてる現状なのだ・・・

ちなみに、親に支援を求めるものの・・・


「ただいま留守にしております。金の都合を要求する馬鹿息子は、プチッという血管が切れる音が鳴る前に電話か腕を切って下さい」


と、明らかに血の繋がった息子に対する発言では無いものが返って来る。

うん、金銭面での支援を求めるだけでリストカットを要求するとは・・・これは、新手のヤンデレなのか?

もしくは、何かしらの等価交換を求めているのか!?

例えば、お金=俺の命・・・

いや、俺の命無くなったら金貰えないじゃん!!


つうわけで、肉親に頼っても現状打破の効果は一切無い。

恥を忍んで姉と妹にお願いしてみるものの・・・


十一といちなら良いわよ♪あ、勿論十分じゅっぷん一割いちわりの事よ♪」


「ごめんね、お兄ちゃん・・・私、お金無いから・・・その代わりに、今度遊びに行ったときにご飯作ってあげるね」


取り敢えず、悪徳金融張りの発言をする姉は死ね・・・

そして、可愛い妹のその発言を聞いて、まだ14歳の中学生の妹にお金を貸してくれと頼んだ自分の情けなさに、本当にリストカットしたくなった・・・


さて、悲しい過去の思い出を掘り出すのは止めておこう。

これ以上思い出すと、掘り過ぎて涙という名の地下水が大量に零れ出て、俺の体内の水分が枯渇しかねない。

もっと明るい話にしよう・・・


つっても、明るい話しねぇ~・・・


そういえば、先日バイト先の店長が頭を坊主にして「ほ~ほけきょう!!」と叫んでたな・・・

変な宗教に嵌ったようで、その宗教の戒律で、一日10回「ほ~ほけきょう」と言う事で極楽浄土がウンタラこうたら・・・どう考えても、明らかに悪質な宗教だな。

というか、明らかにとある仏教に対して喧嘩売りまくりだな?


って、全然明るい話じゃねぇえええええええええ!!

寧ろ、危ない話だよ!!明るいのは店長のハゲ頭だけだっつうの!!


あ、そういや明るい話有ったな。

今日は雷撃文庫で誓約せいやく@英語えいごさんの最新刊が出る日ではないか!!

しかも、初回限定特別版にはOVAオリジナルビデオアニメーションとイラストレーターのサニーフラワーさんの書下ろしポストカードが付属されるという超お買い得品!!

前の刊では、囚われのヒロインを救出しに鷹斗たかとが敵本陣に突貫するという、これからが良い所で終わってしまっただけに、最新刊の内用にワクテカだ。


俺は部屋の時計を見て時間を確認する。

現時刻は、本屋が開店する10時を少し過ぎた10時30分だ。

人気のラノベだけあって、本屋もしっかり在庫を置いてるはずだから、急がないと売り切れると云う事は無いと思うが、明日はバイトが朝早くから夜遅くまで詰まっているので、読むとしたら休みである今日の昼から夕方にかけてしかない。

俺は重い腰を上げて、本屋に向かうことにした。

あ、重い腰つっても、俺の体重は平均より軽いぞ?

まぁ、身長が162しかねぇのも理由の一つだがな。

あぁ~ん?ちっちゃくねぇよ!!

160越えてるんだから、ちっちゃくねぇよ!!


って、俺は何に切れてるんだ?


そして暢気に俺は本屋に向かった。俺の人生がこれから大きく変化すると言うことも知らずに・・・




用語説明


誓約せいやく@英語えいご

本作品内で出てくる雷撃文庫の作者さん。


雷撃文庫らいげきぶんこ

本作品内でのラノベ専門の出版社。

決して電撃ビリビリなあの現実世界に存在する出版社とは関係ない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ