消えた君へ。
駄文かつ乱文で失礼します。友達とワールドを巡る日々がなんかエモいなぁと思ったので、アイデアのままに学園モノに落とし込んでみました。短編になる予定なので、是非書き上がった際はまた見ていただけると幸いです。
ある昼休み、僕はいつもの通り屋上で空を見上げていた。桜の花びらが顔にのりくすぐったい、もうそんな季節か。春先はどうにも眠くなって敵わない。
「雅久さん……!」
まどろむ視界に見慣れた顔が映り込む。
「乃絵じゃん、どうしたの」
旧知の友人の乃絵だった。休み時間にこいつが声をかけてくることは珍しくないが、普段表情を表に出さない乃絵が息を切らせて慌てていたのが、気にかかったのだ。
『早巻さんがいないんです!』
……あいつが?優等生とまでは言わないが、そこそこ優良な学生である早巻は常に休み時間を教室で過ごしている。そんなあいつが教室にいないことは、はっきり異常だ。朝は、僕らと登校してきたよな。で、2時間目の終わりにアイツを見た記憶はあるし、早退するほど体調が悪かったようにも見えなかった。とどのつまり、非常に信じ難いことだが。
「……消えた?」
『あまり信じられませんが……そうなってしまいます。』
その後、僕たちは疑念を晴らすように学校中を探し回った。中庭、ロッカー、トイレの個室まで。間違いなく隅々まで探したと言っていい。強いて探していないところといえば。
「……ここくらいか」
校庭倉庫。探すと言うことも馬鹿らしいその空間しか残っていなかった。
『……もしかしてなにか事件に』
普段ならありえないと一笑に付すところだが、生憎そうもいかない状況になってしまっている。この扉を開けると温度を失った早巻が……。考えたくない妄想ばかりが脳裏をよぎる。
「開けるぞ。」
くだらない妄想をかき消すように力いっぱい扉を開けた。鈍い音をたてながら空いたドアの先には。
───【世界】があった。
僕も自分が何を言っているのか分からない、だが本能が語りかけている。この先に探し物があると。
『雅久さん……?中には何が…………!』
硬直する僕の後ろからひょっこり覗いた乃絵が全く同じ姿勢で固まる。当然だ、せいぜい腕1本分しか奥行きがない倉庫の奥に草原が広がっているのだから。……だが、乃絵もその景色を見て何かを感じ取ったのだろう。僕達は言葉を交わすことなく、未開の地へ足を踏み入れた。




