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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第2章】

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2‐11‐2 実習って?



「では座学はここまでにしよう。初めに言った実技だ。今君たちは治療と防御を使える。どちらも攻撃があった時に必要となるものだ。そこでだ」


 途中で言葉を切ると、マグナルバが皆を見回す。


「ユリウス、君は騎士志望だったな。今日は君が攻撃役だ」


 マグナルバはユリウスにそう告げると刃引きした剣を手渡す。攻撃役が一人では足りぬな、と独り言ちたかと思うと実技スペースにいた神官を一人捕まえて、やはり刃引きした剣を手渡していた。


 攻撃役が二人。そして残りの者は物理防御をかけてそれを防ぐ。マグナルバの合図とともにユリウスと神官が剣を振りかぶり、打ち下ろしてきた。振りかぶって振り下ろす、その僅かな間に妙な緊張感を覚えるが、これは練習、大丈夫と念じながら防御魔法を張り続ける。

 攻撃役の二人はランダムに相手を選んで攻撃してくる。いつ自分が攻撃されるのかドキドキしながら構えているのがなかなか辛い。盾を構えるわけではなく、防御魔法を張って、ただ備える。姿勢の取り方も難しい。当然立っていれば防御魔法の面積が増えるので魔力消費がきつい。そうなると屈んだ姿勢をとるのがよいのだが、足がつらい。


 攻撃役の神官はかなり強く斬りつけてくる。防御魔法が軋むのでそれがわかる。ユリウスも最初は加減していたようなのだが、防御魔法がきっちり防いでいることに安心したのか、それとも神官につられてか、徐々にその攻撃力が上がっていく気がする。


「ギャッ!」


「うわぁぁ」


 気づけば一人二人と防御魔法が破られていく。つまりそこそこ痛い思いをしている生徒が出てきたということだ。


「さぁ、そこで治療魔法だぞ」

 ニンマリとした表情のマグナルバが、防御魔法を破られ、打ち身を負った学生達に声をかける。


 攻撃役がいるだけで、教えられた魔法の実技訓練がこんなに実践的になることにナギサは驚いた。


「君は治療魔法は自分でかけなくてもよい。私がやろう。魔力がほぼ無くなっていることに気付いているか?」


 マグナルバが一人の学生に声を掛けていた。どうも魔力切れで防御魔法が切れたらしい。


 なるほど。防御魔法も強力すぎるものを展開すれば必要魔力が多くなる。必然的に持続時間が短くなる。魔力量が少ない場合、考えて防御魔法をかけないと自身で治療魔法すらかけれなくなるのか......


 そんなことを考えているうちに気付けば残っている防御側はナギサとカエルと神官さんの3人だけだ。攻撃役の二人はまだまだやれる雰囲気である。その雰囲気のまま攻撃役は最後とばかりに攻撃を激しくしてくる。防御魔法がかなりミシミシと軋むのを感じ注ぎ込む魔力を多くする。


「ぅあ、降参!」

 カエルが横で声を上げていた。


「そこまでだ」

 カエルが声を上げたと同時に、マグナルバが終了を告げた。


 終了の合図の後、打ち身がまだ治らない生徒達に皆で治療魔法をかける。カエルは防御魔法に魔力を注ぐのを少しケチったのがまずかったらしい。最後の猛攻に耐えられなかったと悔しそうにしている。

 ユリウスはなんだかスッキリした表情をしている。ストレス発散にでもなったのかも。


 マグナルバからはそれぞれにアドバイスがあった。やはりひいて観察していると、いろいろ見えてくるらしい。

 カエルは本人の自覚通り少し魔力を控えすぎていたと指摘されていた。ナギサも少し控え気味で危うい感じがしたと言われてしまった。

 次回も同様の実技を行うようだが、流石に攻撃役は他の者になる為、誰が当たってもよいように多少は体を鍛えておけと言われてしまった。




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