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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第2章】

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2‐10‐4 盛沢山な一日だった

 

 ファイヌムが去った後、厩舎でナギサはかなりの時間を過ごした。クラウスがなかなか解放してくれなかったこともあるが、ナギサ自身も念話というものが楽しくて、ついクラウスに付き合ってしまったのだ。


 だが、ナギサ達がいたのは来客用厩舎。他の預かり馬がやってくる気配がしたため、この日のお話会は終了した。




 夜のあれこれを済まして学舎寮に戻ると、門番に呼び止められた。

 今までそのようなことは一度もなく、戻りが遅すぎたのかと不安に思っていると「預かりものだよ」と大きな荷物を手渡された。


 随分大きな布袋で重さもしっかりとある。一体誰からの? と不思議に思うが、袋の表には何も書かれていない。門番は特に何も言わずに戻ってしまい、改めて呼び出して聞くのも憚られる。ここで悩んでも仕方がないので部屋で確認することにした。門番が受け取っている時点で危険はないのだろう。




(服と靴...... いや、ローブ......?)


 部屋で袋の中身を確認すると、まず目に飛び込んできたのはフード付きのローブ。次に、袋の奥から造りのしっかりした靴を取り出す。見ただけでも良いものだとわかる革靴は、丁寧に磨きこまれ、美しい光沢を放っている。そして袋の底からは、畳まれた部屋着と室内履きが出てきた。ローブは何か魔法付与がされているのが感じられるのだが、何が付与されているのか鑑定魔法を使ってみたがわからない。己の技量不足もあるのだが、阻害魔法がかけられているようだ。靴と部屋着は特に魔法付与はされていないようで鑑定もすんなりできた。


 何か他に入っていないのかと袋を裏返すと、メモが一枚落ちてきた。


 “ナギサへ

 お土産を先に渡しておくよ”


(差出人は誰?)


 そう、この荷物は間違いなくナギサ宛のもの。だが、差出人が書かれていない。筆跡がわかるほど近しい人といえばセラスやカエル達ぐらい。が、それならばこんな手間なことはしないはずであるし、筆跡が異なる。


 お土産...... クラウスが今日帰ってきた...... ひょっとしてリュークなのかと思い至るが、このようなものを受け取るほど親しい間柄とは思っていない。ナギサが身に着けている“護符”と言われている首飾りも、何故そこまで気を使ってもらえるのかがわからないぐらいだ。

 もうこれはリューク本人に確認してから考えようと思考を放棄。勿論、靴やローブは一旦袋に戻すことにする。


 ほっと一息つくと、今日一日の出来事が一気に思い出される。なんだか今日はイベント発生日ではないかと、ついゲーム感覚で考えてしまう。

 一つ一つは小さなことのような気がするのだが、それらがすべて合成されて今日はいつも以上に疲労困憊している気がする。魔法学の講義日はただでさえ疲れるのだが、今日はいつも以上に疲れを感じる。


 魔法学は来週から講義場所が変わる。先輩達もいる場所でどうやって講義が行われるのか。まだ二節しか魔法を学び始めてから経っていないので流石に実践とかはないと思いたいが。


 マグナルバから封印について少し聞けたことは大きい。今まで何をしてきたか、ということは同じ場所を探すにしても役に立つ。そうはいっても“しらみつぶし”というぐらいに調べつくしている状態で、ナギサが探す場所はどこになるのか、とも思うのだが。隠し場所よりも封印先を考え直してみるほうがよいのかもしれない。


 そういえば何故か解呪と浄化魔法をマグナルバから他人ひとより先に教えられた。いかにも近々必要になるような含みがあった。これまでの話で《女神》の力が弱まって大地に影響が出ているようだから、その対処に駆り出されたりするのだろうか? 初心者にそれはないと思いたいが、人手不足とか言われたら断りづらいような。


 そしてクラウスの帰還。このお土産の件もあるけれど、主人たるリュークが見当たらない。クラウスに聞いてみたら別行動だと言われ、大神殿に顔を出すのはもう少し先になるとのことだった。一応大神殿の門前までは一緒だったというから、何か用事があるのだろう。


 そして念話。“シンバの盟友”だったか、加護による特殊技能アビリティの付与。クラウスの言い方からすると最初は持っていなかったようだ...... って、あれ? クラウスって人を鑑定できるのか? それってシンバとか超えていそうな気がするのだが。聞いても教えてはくれないよなぁ......

 まぁ、それはいいとしよう。考えても仕方がないし、答えがわかったからといって何かナギサ自身に影響があるわけでもない。

 《女神》と先日再会した時に与えられた可能性もあるが、恐らくあるじ。神祖契約のとき何やら言っていた。こちらは《女神》のように再会は難しいから《女神》に聞いて消去法で確認するしかないか。


 ファイヌムがやたらと心配してくれたが、諜報めいた疑いをかけられたり、利用されたりといったことを危惧しているのだろう。あの心配のしようはファイヌム自身も何かあったのかもしれないが。


 やはり今日は盛沢山である。いろいろ考えているとあらぬ方向に思考が飛んでしまいそうだ。明日からも普通に講義があるし、とにかく今日はさっさと寝ることにしよう。





20250308

ネックレス表記を首飾り表記に変更しました。後は少し気になる箇所の修正をしております。

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