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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第一章】

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35/298

1‐12‐3 それぞれが思うこと 3



 △▼ ウォーリ


『彼女は味方だよ』


 ——リュークはそう断言した。

 リュークがそこまで言い切る以上、それが真実なのだろう。だが、わたしに必要なのは直感的な結論ではなく、論理的な説明だ。クラーヴィアも、そしてリュークも、あまりに言葉が足りなさすぎる。


 クラーヴィアに至っては、わたしがナギサの鑑定を行った際、隠蔽状態で同席していたにもかかわらず、何も言ってこない。二回ともだ。

 クラーヴィア自身も鑑定魔法が使えるのだから、既に確認しているであろう。その結果がどうであったか、自分と同じくまったく確認できないのか、それともわたし以上に何か視えたのか、それすら話す機会を持とうとしない。


 ナギサは異質である。あの異質さはどこからくるのか、あの異質さは危険ではないのか、いやそれよりも、どういう経緯でナギサを見つけたのか、事の始まりを説明してほしい。


 ナギサ自身もクラーヴィアの説明に納得しているように見えない。恐らく遠慮からであろうが、聞きたいけれども聞けない、という眼差しであった。わたしから何か説明できるのであればいいのだが、生憎話せることは何もない。いや、むしろ私がナギサを詰問してしまいそうで、迂闊に話しかけることが躊躇われる。


 薬草園でナギサはとても自然な表情でリュークと会話をしていた。あの時が話しかける良い機会だったのだろうと今さらながらに思う。どうもわたしは人と接することが苦手だ。リュークのように相手の懐にふわりと入り込める話術があれば、このように悩むこともないのだろうが。


 いや、だからこそリューク。何か知っていそうなのに、あれも何も言わない。リュークであれば何か視えているはずなのだ。一人で納得して何も言わないという態度はどうしたものか。


 ああ、ったく。皆で何を隠しているのだ!




 △▼ クラーヴィア


 ナギサがこの神殿に現れてから半年あまり。

 そして、わたしが神の間へ呼ばれなくなってからも、また半年が過ぎようとしている。


 ほぼ時を同じくして、“あの方”も久方ぶりに神殿に顔を出された。


 これは、《女神》様に何か異変が起きている、それとも、この世界に変化が訪れようとしている前触れなのか。


 神の間へ半年も呼ばれなかったのは、いったい何時が最後だったか?

 《女神》様が人界したに訪れなくなってからは、それを補うように頻繁に神の間へと呼ばれていた。それに、間が空く時は、予め一言ある。今回はそれもない。つまり《女神》様にとって突発的な、予定していない“間”のはず。


 ナギサに聞けば何かわかるのかもしれない。だが、彼女自身が問いたそうな眼差しでわたしを見つめていた。あの時、わたし自身がナギサに伝えられる事柄はほとんどなかった。いや、伝えられる最小限のことすら、偽って伝えている。恐らく違和感があるのであろう。わたしがナギサを見つけた経緯を説明した時、納得した表情は一切見せなかったのだから。


 療養棟に移ってからも様子を視ているが、特に何か《女神》様に関わりそうな行動をする気配はない。身寄りのない子供が一生懸命勉学に励む。その一言で足りてしまう行動しかとっていない。


 ウォーリも気にかけているようであるが、干渉しないように距離を置いているのがわかる。いや、ウォーリもナギサと同様に、わたしに問いただしたい眼差しを常に向けてきているのだから、ナギサの扱いに困っているのだろう。


 もうしばらく待ってみよう。《女神》様に呼ばれないのは寂しいが、支障が出ていない今、いたずらに騒いでも仕方があるまい。





少しだけ切りがいいところ、春学期の終わりまでなんとかたどり着きました。

やっとここまでたどり着いた、という気持ちです。


拙い文章ですが読んでくださる方々がいることが励みになっております。

本当にありがとうございます。


のんびりとこの先もお付き合いいただければ幸いです。

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