荒武者編:人望とエゴ
前略
中略
後略
ではどうぞ
最初に接敵したのは野良パーティーだった。たまたま依頼を受けて、モンスターの討伐に出て、近くの村でちょっと休憩していた。
その時に突然村の門番が慌てて森のモンスターが村に向かってくると言われて、防衛のためにモンスター達と対峙した。
だけど、モンスター達は村もプレイヤードのパーティーにも目もくれず、全速力で何処かへ逃げていった。
そのパーティーは森で何かが起こっていることをすぐに理解して、村の人々に逃げるように言った。しかし、村の人々はここが自分たちの帰る場所で守る場所だと言って聞かなかったので、それ以上の事は言えなかった。
そんな時だった。また門番が叫んだ。『森の奥から怪我した人が歩いて来てる』と。
プレイヤードのパーティーは即座にその人を助けようとそのけが人を見た。
瞬間悟る。それほどまでに怪我人・・・荒武者は異形のオーラを放っていた。彼らのレベルは上限いっぱい。しかし、それでも、勝てないと本能が悲鳴を上げるのが聞こえるほどの恐怖だった。
それでも彼らは勇敢だったと言える。すぐに状況をまとめ上げて怒声を上げて村人に逃げろと声を上げる事が出来たのだから。
だが、遅すぎた。次の瞬間、遠くにいたはずの荒武者はパーティーのタンク役の側面までまで接近していた。
そして、音も無く、ただ静かにその首を跳ね、心臓を貫いた。
次に前衛の剣士と戦士の首を跳ね、心臓を貫く。
次は魔法使い始めとする後衛。同じように首を跳ね心臓を貫く。
つい先ほど、モンスターのを殺戮した時と全く同じように、首と心臓を狙い殺す。
この間僅か5秒程度。プレイヤードの野良パーティーは荒武者相手に何も出来ずに敗北した。
その数分もしない内に、村は壊滅した。
老若男女全て残らず、ただ一人の逃亡も許さず、荒武者は自信の範囲内に居た全ての人を殺しつくした。
その姿は、かつての自分が最も嫌悪した。民を民と扱わない畜生と言い放った者たちと同じ姿だった。
そうして認識された荒武者は、星の導きにより世界中のプレイヤードへとその存在を通達された。
無論荒武者はそんなことなど知らない。ただ、荒武者は生命を感じた次なる方向へと歩みを進める。
ーーーー
「急に帰って来たと思えば深刻な顔をしておるな」
「まぁな。俺はよくわからんがマイが緊迫した表情だったから何か起こったのは間違いない」
「・・・母さん」
「「「・・・」」」
帰宅して、というかマイに転送されて帰ってきた我が家には、留守の間に居座っていたであろうマリアーデがのんびりとお茶を飲んでいた。
余裕があればツッコミでもでも入れてたんだが、マイのあの顔を見た後だと少しだけナイーブな気持ちになる。
勿論、第一優先はアキハ達の安全だが、何の説明も無く帰宅して待機しててくれと言われるのは堪える物がある。
「駄目だな。うん。切り替えよう」
「「「「???」」」」
口に出すって言うのは結構意識の切り替えにも大事な事だ。だから口に出す。それに考え方を変えれば留守を任されたんだ。完璧にアキハ達を守ろうじゃないか。
「何かあったのは間違いないけど、そっちはマイ達に任せよう。こういう時は下手に動かずにいつも通りの生活をしているのが一番いい。ってことでアキハ、ミナツ、ハルナ、フユカ。王都で買ったものを整理して飾ったり片づけたりしようか」
「・・・マミーの事は心配だけど、父さんが言うなら、わかった」
「そう・・・だな。うん。楽しかったんだ。こんな気分はきっと良くない」
「そうですね。それにマミーなら大丈夫ですよね」
「確かに・・・母さんがなんかなるのは想像つかないし」
親の俺が沈んでたらアキハ達にも不安が伝線しちまうからな。不安にさせないためにも元気よく日常生活に戻ろう。
と、いう訳で旅行後の片付け開始だ。着てた衣類の洗濯に、買ったものの整理整頓。あと晩飯の用意とかやることはたくさんある。
こういう時現実だと最低限やって残りは後日やる派の俺だが、今日はまだ元気もあるしアキハ達に不安な様子を見せないためにも元気な姿を見せてやろう。
ついでにいつの間にか居たマリアーデにも手伝って貰った。嫌がる事も無く、むしろ喜んで手伝ってくれた。魂胆はアキハ達と打ち解けようとしてたのだけど。
初日初見よりもアキハ達はマリアーデへの警戒と認識を改めてはいるが、まだちょっと硬い部分もある。少なくとも悪い人ではないと認識した所を見れば良い傾向ではある。
ついでに今回の旅行でわかった初めての場所に対する恐怖心とか人混みに弱いとかの問題解決にもマリアーデと言う新しい人と関わる事で改善してくれればいい。
ーーーー
「そこの侍殿よ! 話は通じるか!」
被害を少しずつ、着実に広げていく荒武者の前に一人のプレイヤードが対峙した。筋骨隆々の大男。どこかの作品で見る象徴を彷彿とさせるようなプレイヤードだ。
プレイヤード『ニコニーコ』はどんな相手でもまずは対話を試みると言うのが信条の男だ。
『暴力により解決ではなく、対話による解決』をモットーにこの世界で生活してる彼は相手が例え邪神であろうともそのスタンスを崩さない。
そんな彼に対する荒武者の返答は。
「対話は通じずかっ!!」
首を狩る為に接近、そして一閃だった。けれど、ニコニーコはこれを防いだ。正確にいえば防御ではなく、刃が通らなかったが正しい。
「セイッ!!」
荒武者は特に反応することは無く、振るわれた剛腕での攻撃を即座に回避し、同じように首を切り落とそうと刃を走らせる。ニコニーコと言うプレイヤードはこれを追うことは出来なかった。だが。
「セイハァ!!」
死なば諸共と言わんばかりにカウンター気味に放った拳は荒武者の顔面を貫く。そして、荒武者の刃は、ニコニーコの首に傷を付けることは出来なかった。
「私の鍛え上げた筋肉!! そう簡単には傷つけられはしないぞ!!」
『・・・』
「とはいえ、君にも私の攻撃ではダメージを与えられているようには思えないがね!!」
荒武者は不動だった。直撃したはずの拳を受けても体幹はブレず、的確にニコニーコの首をに刃を当てていた。
「お互いに決定打は無いこの現状!! ならば私がすることはここで君を押しとどめて、君の情報を多く引き出し、打開策を見つける事と見た!!」
ニコニーコはそう言って姿勢を下げると、両脇を占めてボクシングスタイルで荒武者の懐に入り込む。
ニコニーコの武器は己の拳。そして鍛え上げた肉体。特別な能力も魔法も持たず、彼はこの世界で己の肉体だけでここまで上り詰めた強者だ。
「ララララライィッ!!!!」
デンプシーロール。そう呼ばれる左右からのラッシュに似た攻撃を繰り出すニコニーコ。荒武者はそれに対し、的確に見抜き、拳を弾く。
「これは防ぐか!! ならばこれは君に対して有効な攻撃なのだな!! ならばこのまま攻めさせてもらうぞ!!」
防ぐと言う行為は、それつまり、受けると危険だと証明になる。ニコニーコはこの時点で打撃が有効である、更に言うならば大きな一撃ではなく、手数の多い連撃が有効であるという事も理解した。
事実、石の上にも三年と言う諺があるように、同じ場所に連続して攻撃していれば状況は好転する。
この瞬間対峙したのがニコニーコと言う物理特化のファイターだったのは好都合だっただろう。
そして、それは同時に、最悪でもあった。まだ誰も物理攻撃が聞くと言う特徴しかこの時はまだ、荒武者を理解出来なかったのだから。
そして、この荒武者は既に人ではない。道徳も、信念も、誇りも無い。ただ殺す。その為にここに在る。そして、首が狩れない、刃が通じないならば、通じる場所を的確に狙うだけだ。
「セイハァ!!!」
『 』
「ヤァ!!」
荒武者はラッシュの一瞬の隙をついてニコニーコの股座目掛けて蹴りを放つ。ニコニーコはそれに対応し、防御。
対応できるのも中々の物であるが、この対応はしてはいけなかった。ニコニーコと言うプレイヤーはあくまでも一般プレイヤー。確かに今の蹴りを受ければダメージはあっただろう。
しかし、それはあくまでもダメージであり、痛みではない。それこそ先ほどのカウンターの様に受けて尚攻撃し続けていればよかった。
だがこれは反射による防御。ここに攻撃を受ければ痛いと言う事を知っているからこそ防御してしまった。痛みは無いのに痛みがある。一般プレイヤーの最大の強みの痛覚の遮断を自ら放棄してしまった。
ぐちゅり
荒武者の指が、ニコニーコの両眼を抉り潰した。無論痛みはない。しかし、通常人間は眼を潰されると言う感覚を知らない。だが想像は出来る。
その想像がありもしない痛みをニコニーコに襲い掛かった。
「グアアアアア!!?」
『 』
「ガァ・・・!!?」
人間が鍛えられない場所。それは体内。
痛みで開けて声を出したニコニーコのこうない口内に、寸分狂わずに真っ直ぐ刃が突き刺さる。それは内部から肉を貫通し、首の裏まで突き刺さる。
荒武者は突き刺した刃をそのまま下から上へ左右へと何度も何度も動かし続ける。それは想像するのも悍ましいほどの痛みが伴うはずだ。その想像がニコニーコの痛覚を刺激した。
存在しないが存在している痛みに悶え、その巨体は地面に倒れた。荒武者はそれでも、同じことを繰り返す。その刃で口内からニコニーコを傷つける。
まるで剥ぐように、削ぐように、ニコニーコを文字通り内側から傷つけていく。精神的優位は既にニコニーコには無かった。
目を潰され、口のの中から抉られると言うのは経験がない。だがそれが起きていると認識してしまうと、彼の精神はかき乱される。必死に振り払おうと拳を振るい、逃れようとするが、荒武者は足でニコニーコの両手を締め上げて、その刃をでニコニーコを殺していく。
数分間続いた拷問にも見える殺戮は、口から喉へ刃が伸び、内部から心臓を貫かれたニコニーコの敗北と言う形で幕を閉じた。
それはあまりにも残虐だった。苦しみ悶える彼の精神が死んでもおかしくはない残虐性を見せつけた。
そう。”見せつけられてしまった”。
『 』
「ひぃっ!!?」
ニコニーコは一人でここに来た訳ではない。言ってしまえば初見で倒せるなどと考えていなかった。
映像記録として他プレイヤードにも情報共有をする為に、志願者数名と共に荒武者と対峙していた。
自分が敗北しても、その情報を元に荒武者を倒すための切っ掛けを見つけてほしい。彼の優しさ、あるいは協調性ともいうだろう。
この戦いは、彼の善意によってプレイヤード間で現在進行形で共有されていた。そしてその処刑ともいえる瞬間も。
『 』
「うわぁぁぁあああ!!!!」
荒武者が喉から刃を抜き取れば、ニコニーコの身体は消滅していく。きっと何処かの蘇生ポイントで復活しているだろう。
残った者たちは、ニコニーコの戦いを見たうえで、ニコニーコがしなかった戦いを冷静にすればよかった。そもそも最初からその手筈だった。
だが、恐怖は人を喰らう。冷静な判断も、連携も、そして立ち向かう事の勇気すらも、同行していたプレイヤードから全て奪い去った。
我先にと逃げ出してしまったプレイヤードだが、逃げる事が出来た距離は・・・1mにも満たなかった。
背中を向けた瞬間には、首と心臓を貫かれていた。
一人、二人、三人・・・同行していた計10人のプレイヤードはその恐怖によって精神を汚染され、ニコニーコの処刑光景と、荒武者は首と心臓を集中的に狙うと言う情報”しか”持ち帰れなかった。
そうして得たものは、荒武者と言う存在に対する恐怖感と絶望感。
これまでのモンスターの様にただ殺すのではなく、確実に殺すために様々な手段を講ずると言う荒武者の生命に対する殺戮衝動ともいえるもの。
それがモンスターの姿ではなく、誰が見ても間違いなく”人”がやっている事だということが、これまで多くの邪神と相対してきたプレイヤード達の心を折る事になってしまった。
ーーーー
シナリオ開始から少なくない時間が経過して、私達ブレイドエンセスターはアールと老眼鏡、テイマーズとネクロロンを除いたメンバーでクランハウスで会議をしていた。
「やべぇな。プレイヤード側のモチベがこの前の映像で大半へし折られた」
「殺人鬼を相手にしてるのと何ら変わらないってのが根幹にあるわね」
「人型ってのが尚悪い。ゲームだけどゲームじゃないって見せつける結果になったからな」
「ニコニーコはどうなのにゃ?」
「『すまないね! 少々恐怖心はあるがまた戦えるさ!!』って元気そうだったぞゾ♡ でもたぶんから元気だね」
「荒武者の監視は?」
「亜人種魔人種の有翼種に協力してもらって空から監視中。走るのは戦闘中だけなのは幸いだな。おかげで移動先の避難が間に合ってる」
「でも、被害はゼロじゃないんだね」
「蛮勇で挑む奴はどの世界にもいるからな。自分の居場所を守りたいってのは理解できるが、死ぬのはダメだろうがァ」
「戦闘情報的にはどうなの?」
「ひたすら速すぎて何かアクションする前にやられてるわ。あの落ち武者、戦闘態勢になるとすさまじく速いの。それこそアールのピスケス並みにね」
「幸いなのは物理特化のビルドにすれば攻撃事態は耐えられるって事か・・・その後を考えなければな」
「根性なし共めって俺ァ言ってやりてぇがなァ」
「馬鹿姉貴、流石にあの映像見せられたら無理でしょ。ホラー耐性あっても結構きついよ?」
「んで、逆に皆遠距離ビルドになってるせいで瞬殺されていくと・・・最悪の悪循環じゃない」
「俺ら総出で行くか? もうこうなったら文句言われないだろ」
「止めておくべきだろうな。まだ根性出して戦っている連中もいる。彼らから反感を受けて俺達だけじゃなく、他の覚醒者にも悪評が広がるのは流石に不味い」
「チッ。何が『覚醒者の皆さんは強すぎるので本当に危機的状況になってから動いてください』だよ畜生。前回良い所無かったからって一般総出で俺らに宣言しやがってよォ」
「・・・ともかく情報収集に専念しよう。いざ戦う時になって何も出来ませんでしたじゃ私達だって納得できないから」
今回のメインシナリオ。ちょっとだけ面倒になった。
私達ブレイドエンセスター含めた覚醒者全員に対して、他のプレイヤードからの嘆願書と言う形で申し出があったの。それが一般プレイヤーでのメインシナリオクリアの為に行動を控えてほしいという事。
これが極一部の意見なら『知らねぇ関係ねぇ』で済ませたんだけど、無視できない結構数の署名があったのを渡されたものだから、下手に動けなくなった。
掲示板で聞きまわっても似たような話や意見が多かった。今回の敵が大型ではなくて、人型、それも一般人よりも少し身長が小さい程度の相手である事もあり、能力に特化した覚醒者がいなくても勝てる。いいや勝ちたいと自我というか目標を持った人が大勢いたんだ。
覚醒者のまとめ役みたいなポジションのシロマサも『今の所は彼らの総意を汲もう』という事で覚醒者は基本介入禁止という事になった。
そう。介入禁止だ。
助言も含めてね。
だから私たちが今できるのは避難誘導とかそういうのだけ。解決は私達以外の全員でやるって話になってる。
リアリティがあり過ぎるって言うのもこうなると考えものよね。
「小賢しいのはあの侍野郎。後衛からキッチリ潰してくることだ。特に魔法ジョブ系だ。多分逆にいえば魔法が効くんだが、それも定かじゃねェ」
「ニコニーコ君の初戦闘の時に魔法攻撃で援護してくれてればまだ検証の余地ありだったんだけどなあ☆」
「ニコニーコのネームが逆に仇になったな。あそこはFFしてでも攻撃すべきだった」
ニコニーコは覚醒者じゃないけれど、覚醒者と対等に戦えるプレイヤード。そしてNPCプレイヤード含めてかなりの人望がある。二つの力を兼ね備える人だ。それが今回両方仇になった。
ニコニーコが目の前で惨殺されると言う事。
そしてニコニーコを傷つける事を躊躇って援護できなかったこと。
実力と人望が他者の判断を鈍らせて最悪の方向に矢印を向けてしまった。あの場にもし、そのどちらかを投げ捨てて援護出来る人がいれば、状況は変わったはず。
それこそ、直前まで私とレイレイ、マー坊にチーザーを始めとする覚醒者数名は参加するはずだった。
初見で勝てる相手じゃないのは理解していた。だから最初から出張って多くの事を持ち帰る。そうして対策と弱点を見つけて、最終的には勝つつもりだった。
あの団体と嘆願書がなければね。
あの瞬間、私たちは萎えた。あの瞬間だけは完全にやる気を失った。ニコニーコや一部プレイヤードは反対してくれたけど、あの『さぁ行くぞ』って瞬間にそう言われれば萎える。
なら勝手にしろってブチ切れたチーザーの後を追う様に私達覚醒者は戦線から離脱。更に言えば数人、それこそチーザーは今日までログインすらしなかった。
で、たまたま見たら状況は悪い方向にしか行ってないのを知ってこうして私達を呼び出す形でログインしてきた感じ。
実際私も自衛だけはしようと思って家の周りに色々仕掛けをして、それ以外はほとんどアキちゃん達と過ごしてたから本当に情報収集も何もしてなかったのよね。
レイレイとマー坊だけは裏で静かに情報収集してたみたいだけど。
その情報を踏まえた今の会議な訳だけど。
「この有様になって尚『自分たちだってやれることを示したい』なんて言えたわよね」
「一部の連中はちゃんと情報を生かせてるけど、ほとんどの連中は生かせてねェ。その上新しい情報を見つけようともしてねぇから当然悪化するわなァ」
「一応シロマサが覚醒者の参戦希望の話をしてるってはにゃしではあるにゃ。今の所は絶望的だそうだけどにゃ」
「何が『大きな被害は出てないからまだやってみたい』だよ。都市二か所から人が消えたのを被害は無いって言えるのは厚顔無恥すぎるだろ」
「逆を言えば都市一つで大虐殺でも起これば俺達も介入出来るという事だが・・・正直そうなるのは見過ごせん」
「あーもやもやするぅ!!!」
「良い事思いついたゼ。おい愚弟。お前行って突っ込んでこいや。行動表作ってやるからその通り動け。一人くらいなら介入してもバレねぇだろォ?」
「・・・一回挑んで何も出来ずに瞬殺されたけど」
「んだよ使えねェ」
「・・・馬鹿姉貴が正論すぎて今回は言い訳出来ないのムカつく」
「今更だけど、アールとマリアーデ様は?」
「二人とも静観だって。『私達が戦えない以上、俺もお前らの枠組みに入れられてるだろう』だって。マリアーデさんは『愛弟子が動かぬならば余も動かん』って」
「冷静だな。アールなら一目散に飛び出しそうだったのに」
「私らと違ってお父さんだからね☆ 守るべきものの順位はつけるよ☆」
「マリアーデは元々世捨て人だ。前回ネクロロンの配信でもそれを確信付ける発言もしていたしマスターが動かんなら彼女も動かんだろう」
逆を言えば私たちが動ければアールもマリアーデさんも参戦してくれるって事なんだけどね。そこに持っていくまでの壁が大きすぎる。
エゴと言うべきか、人の欲望と言うべきか、はたまた”ゲームだから”と言うべきか。既に私達と感性が違うからこの仮想世界でのあり方そのものが違うのよね。
というかそれはそうなら数の暴力で押し込みなさいよマジで。それこそゾンビアタックでもして倒せばいいのに。本当に口だけの根性なしが多すぎるわ。
「どうしたもんかねェ・・・」
「せめて私たちが介入してると思われても文句言えない方法でもあればいいのに」
「そんな方法あるわけ・・・いや・・・」
あるわ。あったわ。全然あったわ。うちのクラン身内ばっかりだから全員覚醒者だらけだけど、全然介入手段あるわ。
「あ、そう言えばあったなァ・・・!!」
「うわぁ姉貴の悪顔久しぶりに見た」
「・・・あっ!! 確かにあった!! なんでこんな事見落としてたのよ私!!」
「萎えてたから思考放棄してたからでしょうね。私も自分で言ってて今気づいたもん」
「え? ごめん俺分かんねぇ」
「すまんが鍛冶以外は専門外だ」
「さっき俺様がいった愚弟を突っ込ませるって話をもっと大きくするんだよォ。それも俺たちの息が掛かった上で人気もある著名人になァ・・・!!!」
「「あぁ、なるほど」」
「おいマイ」
「もう連絡してるわよ。あとは反応待ち」
「さてと、やって欲しい事のリスト作ろっか。はい意見要望ある人挙手~」
ーーーー
「と、いう事で3D生配信LIVEも終わってひと段落したから、今プラクロで進んでるシナリオに私も本格的に始めようと思うだよね。それでさ~色々あってクランメンバー動けないからネクロイドの皆さえ良かったら一緒に荒武者討伐参加行ってくれないかな? 私の方でも情報集めるけど、バランスよくしたいからどんな人でも、なんなら初心者でも大歓迎だよー!。逆に皆同じジョブとかは嫌かな。私は前衛の剣ジョブだから支援魔法系にタンクの物理特化、あとは遠距離支援と攪乱出来る回避系もいてほしいね。それで出来たら私達で新発見とか攻略の糸口とか見つけたら最高にカッコいいじゃん?という訳でやろう皆!! ちゃんとした予定決まったら皆に教えるね」
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オペレーション『ネクロロンパペット』
覚醒者以外で攻略したいならさせてやろうじゃない。
一般人枠でニコニーコと同じく人気があって、下手な事すれば大勢を敵に回すから反対意見も言いにくいネクロロンを使ってね。
あくまでもネクロロンが言ってる事だからね。一般人でしょ?
配信者が配信のネタの為に視聴者参加型のゲームしてるだけだもん。たまたま私たちがやって欲しい事をネクロロンがやっても、それは俗にいうエンターテイメントでしょ?
私達に難癖付けられても『彼女は動画配信が仕事だから、私たちはそれに干渉していない』って言えば多少は黙るはず。
黙らなくてもネクロロンの視聴者が黙ってない。そして下手すればネクロロンが所属してる事務所も黙っていない。自分の所属タレントを守るために法的処置も辞さない会社なのは知ってるからね。
目には目を、言葉には言葉を。そして要求には要求をってね。
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モブ『俺らだって活躍したいから手出ししないで』
ゲームだからと考えてる人と、ゲームだけど現実と考えてる人の対立が如実に表れたともいえる展開。
ブレエン覚醒者『介入はしないよ。でもうちの配信者が配信するらしいから好きにやらせるね』
ただし思考が違うとは言ってない。
因みに覚醒者を抱えてるクランは現状不参加です。クランとしてはなので単騎突撃してる人はいるかもですが、荒武者めっちゃ強いので瞬殺されます。物理限界値まで上げてればニコニーコと同じく外的攻撃は防げます。
ニコニーコに関する詳細は小出ししていくのでお楽しみに
近況報告
推しの引退・・・箱推しなので正直辛いけど、最後まで全力で推していきます。
なのでもしかしたらその感情優先で更新できない日があるかも・・・




