夢見こころ 『プレイヤードネクロロンのプラネットクロニクル生活 part3』 その2
書き切れなかったので追加エピ突入。全話含めれば約二万文字。
因みにネクロロンこと『夢見こころ』のプラクロ生配信は今回で三回目なので『part3』と付いてます。
女子会。あるいは暴露会。
SP.学マス始めました。推しは手毬ちゃんです。
アールは本当にハルちゃんには甘いんだから。
ハルちゃんも多分分かってるからアールに強請るんだろうけどさ。
「さてよォ。女子会って事だ。マリアーデ様には聞きてぇこと聞いたんだ。次のターゲットはオメェだぜマイ?」
「え? 私?」
「そうだにゃ。そろそろアールとのスローライフとやらについて詳しく話すのにゃ」
「同感~☆ マスターもだけどあの子たちのお話も聞きたいゾ☆」
「ぐっふっふ・・・夫婦の話を聞くのもいいネタになりますからねぇ・・・ゲヘヘ」
「余も気になるぞ! 愛弟子と嫁と子供たちの話!」
え、何か流れ作られたんだけど。これ話さないと絶対に逃がさないっている意志を感じるんだけど。うへぇ、アール送り出したの失敗だったかなぁ・・・
「わかったよ、何から知りたいの?」
「出会いからに決まってんだろ?」
「んとね。私が初めて会ったのはアールとファクリアで適当な依頼受けようって話して食事処出た時なんだよね。片目えぐり取られてそれでも無理やり笑ってたフユちゃん見たのが最初」
「初っ端から重たすぎるにゃ!!?」
実際そうなんだから仕方ないじゃない。いきなり『えへへ・・・見つけられてよかったです』なんて裏路地から現れて血を流してたんだもん。
「なんか聞いたらアールがソロの時にナツ君に財布盗まれたのがきっかけで出会ったらしいんだよ。それでちょっとだけ・・・まぁそのまま財布を譲ったって話なんだけど、その時にヤクザに絡まれたらしくて」
当時は裏路地の治安は任せっきりだったからね。正直興味無かったし。アールと一緒に冒険出来る事が何よりって感じだったし。
「んでその時のヤクザをアールがコテンパンにしたらしいんだけど、その報復の為にフユちゃん達を痛めつけてアールを呼び出させたんだってさ」
「ウン★笑えない」
「フユちゃんが隻眼なのはそれが理由。んでアールが呼び出しに応じて喧嘩売ってきたヤクザとその息が掛かった連中全員半殺し以上で蹂躙して、アキちゃん達を連れ帰って来たの。フユちゃん以外との出会いはそこでだったよ」
「おみゃーそれまで裏路地の治安放置してたのかにゃ?」
「一人で出来る事は限りがあるからね。信用できる頭を置いておいたんだけど、堕落してたね。しっかり躾はしたからもう大丈夫だとは思うよ。んで、責任感じたアールが四人を引き取るって話したから私も同意して一緒に住むことにしたの」
あの時の事は今でもすぐに思い出せるよ。ある意味で私が覚醒者になるきっかけをくれた事件でもあるからね。
「さっき一目散にアールにくっ付いてきたのが次女のハルナちゃん。ロングヘアーの子が長女のアキハちゃん。唯一の男の子がミナツくん。んで最初に話した隻眼の子は三女のフユカちゃん。上からアキちゃん、ナツ君、ハルちゃん、フユちゃんだね。まぁアキちゃんは三人から明確にお姉ちゃんって呼ばれてるけど、ナツ君から下は皆同じ感じ。ナツ君は俺の方が年上なのにーって言ってるけどハルちゃんもフユちゃんもかなりナツ君に生意気だよ」
「唯一の男の子だもんね。ミナツ君はミナツ君で大変そうだね」
「まぁね。でも大変だったのは私も同じだよ。種族の違いもそうだけど、裏路地で大人に頼らず子供四人だけで生きてきた子たちが急に違う生活に、しかも私って言う本当に関わりの無かった人と一緒に住むんだもん。色々大変だったよ。アールには助けられたってのもあるから直ぐ懐いたけど、私にはどっちかと言うと機嫌取りの為に笑顔見せてた感じだったし」
子供だましだってわかるほどに下手くそな笑顔だったけど、アキちゃん達にとっては必死だったんだろうな。家買う事から何から資金面は私が受け持ったから私に嫌われる=追い出されるって思われてただろうし。
「孤児か。それは大変だったであろうな」
「そうですね。だから時間をかけてゆっくりアキちゃん達と交流していったんです。子育ての経験とか無いから全部手探りで。一人ずつ気持ちが通じてきたのか少しずつ心を開いてくれましたね。それと並行して勉強もしましたね。主に読み書き計算とかは一通り、二人で教えました。この先何があっても生きていけるように」
多分アールがアキちゃん達を投げ出してプラクロをやめるとは思わなかったけど、それでも、いつか来る別れの時に自分たちだけで生きていけるように知識は教えたつもり。
それが当時できる私の精一杯でもあったから。
「四人全員が心から懐いてくれたのは半年くらいたってからだったかな? ぎこちない感じから、自然な表情で話してくれることが多くなってきたの。同じくらいにアールがアキちゃん達は月光真流を使えるって言ったの。正直ビビったよね」
「そうだよね~、私がマイさんの立場でも急にそう言われたらビビるよ」
「そこからだね。アールがアキちゃん達に月光真流教え始めたの。呼吸から殺意の克服、身体づくりに月光真流の基本とか、私はその時他の用事で家から出る事多かったからずっと見てたわけじゃないけど」
イベントとかあったからね。あとはファクリア闘技場の用意とかで各地に行って手続きとか打ち合わせとか色々あったし。
「気がついたら四人とも逞しく育っててもうね。出会った時とは比べ物にならないくらい元気で強く育っちゃってもう・・・正直プレイヤードとしては心折れかけてたよね」
「・・・なるほどなァ? つまり抜かれた訳か」
「チーザーホント遠慮ないね。まぁそういうこと、実戦こそしなかったけど決闘スタイルで四人同時に来られたら勝てるビジョンが見えなかったよ。それくらい強く育ってた。アールもアキちゃん達の才能が恐ろしいって言ってたもん」
「修業風景を見た訳ではないが、余が見てもあの子供らは確かに才能の塊であろうな。既に呼吸は自然と月光真流の、それも余と愛弟子の呼吸になっている。一年も経っておらぬだろう?」
「えぇ、教え始めてまだ半年か半年過ぎくらいですね。スポンジみたいにアールの教えを吸収するみたいで、アール本人も当時の自分が見てたら嫉妬してるって言ってましたよ」
「ふふ、愛弟子はあれで負けず嫌いだからな。ある意味では愛弟子の刺激にもなったのだろうな」
「でしょうね。アールも自主鍛錬の時間増やしてましたから。それからルーキスト付近でモンスターと戦って実戦経験を積んでいって、ついでにルーキストで私達以外の人とも関わる時間も作りました」
「初めて会った時にめっちゃ警戒されてたの思い出すのにゃ」
「あれでもかなり良くなった方なんだよ? 当時は私達以外の人を見るのも嫌がったんだから」
「相当な人嫌いだったんだね」
「正確に言うと人に対するトラウマと言うか、誰も信じないって感じだったかも。裏路地生活が長かったから余計だろうね。フユちゃんはアールの背中から離れないし、両手はアキちゃんハルちゃんが独占するし、ナツ君は私から離れようとしなかったし。あ、実はナツ君が一番私に懐くのが早かった子なの。それがちょっと自慢だったりする」
息子ってこんなに可愛いんだなって思ったからね。やっぱり性別が違うって言うのもあるのかな?
「二人とも頑張ったんだネ☆」
「まぁね。でも義務感とかそういうのじゃなくて、本当の家族みたいに一緒に生活してたからそれが当たり前って感じにはなってたかな」
「それがマイにゃの覚醒者としての条件にもにゃってたのかもしれんにゃ」
「そうだね。うん。そうだわ」
ゲームがゲームと割り切れなくなったのもこの時期だったかも知れない。それくらい一緒の時間を過ごして、この世界に没頭してたから。
最初のモチベーションはアールと一緒に居られればそれでいいだったけど、いつの間にかこの六人全員で居たいに変わってたよ。
「覚醒者か・・・余は良く知らぬが、プレイヤードと言う種族が本来持つ力を取り戻した者の事だったかな?」
「そうだぜ。条件は明確にされてねぇが、心の持ちようが関わってるのは間違いねぇ。ネクロはまだ違うだろうが、俺らは常人とは違う気持ちに切り替わってる」
ゲームだから死んでも蘇る。やり直せる。
そう言う考えが出来なくなってる。死ねば全部を失う。その覚悟でここにいるからね。事実私は家族でお揃いの羽飾りをつけてる限りは死ぬ訳にはいかない。例え敵前逃亡だろうとなんだろうと、家族の為に死ぬ訳にはいかない。生き残る事が最重要だから。
「んで、あとは知ってるかもだけど、ファクリアの闘技場でアキちゃん達の現状確認の為に特別仕様で相手を用意してもらって腕試し、そこからまさかの悲種型に目覚めたベオウルフと戦闘。そこで私の覚悟と気持ちが完全に一致して覚醒者の仲間入りからのベオウルフ討滅って感じかな」
「映像残ってたからこの前見たけどヤバかったね。アキハちゃん達もそうだけどマイさん魔法規模違くない?」
「へへん! 実はかなり自慢したかったりするわ」
「悔しいけど魔法使いとしてはマイちゃんが最強だよネ☆」
「正面から相手したくはねぇな」
「魔法発動前ならワンチャンあるかにゃ?」
「皆が口を揃えるとは、それほどまでか。個人が使う魔法も余が知る以上に進化しているのだな」
マリアーデさんが知る魔法よりは間違いなく進化してると思うね。今の時代、誰もが魔法を創れるし、使えるのが当たり前の世界だから。それこそ、アールとマリアーデさんが例外中の例外枠だろうね。
多分アールもジョブを放浪剣士にしなかったら魔法使えてなかっただろうし。
今はMP共有のスキルがあるから威力・効果は劣るけど私と同じように使えるけど。
「私とアキちゃん達の話はこんな所かな? 他に聞きたいことある?」
「はいはーい! じゃぁ私から質問! ずばり! 今の生活に満足してる?」
満足ねぇ。それはもう答えは一つよ。
「ぜんっぜん足りないわ!! アキちゃん達全員が大人になるまで、それこそ婿嫁連れてくるまで満足なんてしてやるもんですか! 今の夢は『娘息子が欲しかったらその覚悟を私に見せなさい!!』って相手に言ってやることだもん」
「うわぁお・・・マスターよりお父さんみあるんじゃない?」
「それはあるかも。アールが飴で私が鞭だからね。アールが優しくする分、私は厳しくするから」
アキちゃん達もそれがわかってるからアールに甘えに行きやすいのよね。まぁ、アールはアールで厳しい時はあるけど、主に月光真流の修業では絶対に手抜きしてないし。
「母は強しってか?」
「そんな感じよ」
「にゃー。マイは強い母親してるのにゃ」
「ありがとね。じゃぁ次、ももちゅんの話してよ」
「おっと★?急に来るじゃんネ☆」
「にゃーも聞きたいにゃ! ももちゅんだけホントにほとんど知らなかったのにゃ! チーザーは何処でも暴れてたから割と有名にゃけど」
「にゃーるテメェ後で覚えてろよ? とりあえずもも、お前の話の番だ。にゃーると同意見だが、テメェは確かに全然何してたか知らねぇ」
掲示板とかにも来ること少なかったし、マー坊が連絡してこうして会うまで同名の別人だと思ってたし。
「アハハ☆実は恥ずかしい話引退・・・もとい無期限の休眠状態だったんだよね私☆」
「おうおう歳か?」
「ぶっ飛ばすゾ★? 熱意? そう言うのが湧き上がらなくてね☆ 毎日ぼけーとしてたんよ」
「マジにゃ?」
「マジ★」
「プレイヤードの休眠状態か。確か個人差があるのだったな」
ももちゅんってば引退しようとしてたんだ・・・正直意外かも。前にリアルであった時、その年齢にも驚いたし、その年齢でクリエイションモードに挑むんだって事にも驚いた。
こういう人は死ぬまで挑戦し続けるんだと思ってたから。
「正直もう少しマー坊からのお便り無かったらやめてたかもしれないネ★」
「深い事情は聞かねぇが、大丈夫なのかお前」
「平気平気★そんな深刻な事じゃなくてモチベーションだかラ★」
「んにゃ? って事はにゃー達と会ってモチベーション取り戻したのかにゃ?」
「そうなノ☆!正確には皆と再会してマスターの本音を聞いたからだネ☆私と言う人を覚えてくれてただけじゃなくて大事な友人だって思ってくれた上に、一緒に居たい、一緒に戦いたいなんて言葉を貰った日にはもうモチベもテンションも熱意も爆上げヨ☆!」
「「「あーわかるー」」」
アールの本音が漏れた時の言葉って心からの言葉だから響くのよね。ゲームとかRPとかじゃなくてアールであり、真央っていう個人が漏らした本心だから効くのよねぇ。
「それで周辺機器新調して心機一転完全復活☆したんよ☆! 最近はもう毎日が楽しくて楽しくて☆」
「まるでマスターが万病に効く薬みたいにゃ言い方だにゃ」
「あながち間違いでもねぇだろ。なぁ?ネクロ?」
「げっ・・・もしかしてチーザーにバレてる?」
「あたぼうよ。テメェの配信は定期的にチェックしてたからなァ?」
「ギャァァァァ!!?!」
「ちょっと何よ。気になるじゃない」
チーザーってばネクロロンの何かに気づいたって言うの? 全然わかんないんだけど。
「にゃーも気になるにゃ。配信は見てたけど全く知らんのにゃ」
「うにゃぁぁぁぁ!!?!?! 身内に視聴者居るのは恥ずかしいんですけどぉ!!?」
「配信者特有の悩みかな☆?」
「??? プレイヤードは時折わからぬ会話をするな」
NPCのマリアーデさんがわかったら逆に怖いけどね。とりあえずマリアーデさん的にはプレイヤードで通じる言葉・・・俗にいう私達から見た外国語で話してるように感じてるのかな?
「明らかに向ける熱意の矢印デカくなったもんなァお前」
「こういうの事務所の同期とか先輩と話す話なんですけどぉ!? それか雑談!!」
「今まさに雑談だろうが? 座談会だぞ?」
「うううう・・・はいはい認めますぅ!! プラクロ始めてから初心取り戻しました!! はいこれで終わり!! 恥ずかしいからこれ以上聞かないで!!」
「それは出来ねェなァ? オラ、きびきび話せや」
「イヤァァァァ!!! チーザーの鬼畜! 暴君! 変態!!」
「アヒャヒャヒャヒャ!! 何とでも言うがいいぜ!! 話すまで聞き続けてやんよォ!!」
逃げきる為に口を開き続けるネクロロンと言葉を何度も繰り返すチーザー。うわぁはたから見たら嫌だわぁ。絶対に話すまで逃がさないってこう見えるのね。
「マイさん助けて!!」
「さっき同じような目にあった気がするのよね?」
「あぐぅぅ!!?」
「諦めるにゃ。チーザーに目を付けられたネクロロンの負けにゃ」
「敗北を認めるのも人生だゾ☆」
「愉快な奴らよの」
追い詰められたネクロロンはぐぬぬ・・・って言い渋りながら、諦めたのか肩を落とした。
「実はさ? 配信者引退考えてたんだよね。配信の為にゲームしてるとか、義務感で配信してる感じしてさ? このまま配信してても良くないなって思ってさ」
「だろうな。配信中のオメェから熱量を感じなかったからな最近」
「隠してたつもりだったんだけどなぁ・・・まぁそういう訳で事務所の人とか先輩とかにも話してて、とりあえず保留にはしてたんだよ。まぁ多分あのままなら辞めてた」
「でも流れ的にマスターの言葉聞いてモチベーション取り戻したんにゃね?」
「お恥ずかしながらハイ。と言うかさ!! ズルい!! 本当にズルい!! あの時の私には劇薬過ぎるんだよ!! 思い出すに決まってるじゃん!! 私の配信者としての原点だよ剣物!! その到達点を超えた人が今でも心折れてた私の事を今でも大事な友達とか言うんだよ!? しばらく会ってなかったのにさぁ!! もう理屈どうこうじゃなくてこれだって心が決意しちゃってたんだよ!! 前の雑談配信でも言ったけど私はしばらくプラクロ一本で行く!! 雑談配信はするけどそれ以外は全部プラクロ!! 少なくともマスターの仲間として恥ずかしくないまでにはなってやろうじゃんよ!! トドメにこの世界がクリエイションと似た感覚なのにそれ以上に動きやすいとかもう原点じゃん!! やるしかないじゃん!! 事務所の偉い人にもエクスゼウスに私の熱意全部ぶつけたよね!! そしたら事務所はOKくれるしエクスゼウスもこういうのなら是非って返事くれて配信機材送ってくれるしもうもう!! 正直マスターに足向けて寝れないよ!! 盟友会開いてくれてありがとう!! 数年前のたった一度のオフ会で顔合わせしただけの私の事覚えててくれて皆ありがとう!!」
「なげェよ。もっと簡潔にまとめろや」
「友達超大事!! みんな大好きありがとう!!」
「おゥ! 提案したマイとレイレイ、あと連絡したジジイとゴリラ、オメェに熱意をくれたマスターに感謝しな」
「ありがとう!!」
「ふふ、どういたしまして」
ホント真央って無自覚に人誑しする時あるし、勇気づける時あるからズルい。少なくともここに二人、ももちゅんとネクロロンって言う二人がアールと再会して元気をもらったみたいなんだから。
「じゃあチーザー!! 最後アンタよ!! 私に恥ずかしい話させたんだから話のネタ位提供しなさいよ!!」
「いいぜ、話してやんよ」
「え、あぁどうも。意外とアッサリでビビったわ」
「最近クランだのチームだのに入れ入れってどいつもこいつも言ってくるからクソめんどくさかったんだよなァ。そういう連中に限って毎月の貢献度とかノルマとかめんどくせぇんだわ。そう言うの貴女は気にしないでいいですよとか言ってくる奴らもいたが、そう言うのは絶対に後でこじれるからゼッテェ入らなかったな」
「あ、似たような話レイレイとマー坊も話してたわね。やっぱり覚醒者でフリーなのって大変だったのね」
「どいつもこいつも俺様の戦力目当てなのわかりきってんだよォ。別にそれは良いが、俺様にも事情があるってんだ。全くそれを考えずべちゃくちゃべちゃくちゃと」
チーザーの現実での本職はアナウンサーだからね。ほぼ毎日休みなく仕事あるだろうし。やることも多いと思う。アナウンサーって仕事に詳しくないから偉そうなことは言えないけど。
「んでゴリラから同窓会ならぬ盟友会のお知らせ貰ったから『これだっ!』って思ってな。リアル友人でクラン組めば誰も文句言わねぇと思ったんだわ。そうしたらどうよお前ら? 皆揃って覚醒者ってお前! もう笑いが止まらなかったなぁ!! あの時は最高の気分だったぜ! 結成しちまえば誰も何も言えなくなるからなァ!!」
「うわぁ・・・なんていうかチーザーらしい話だったわ。昔から変わらないのね」
「ハッハッハ!! 俺は使えるなら何でも使う! んでもって俺様のしたいことをする!! 今も昔も変わらねぇ!! アヒャヒャヒャ!!」
「ブレないにゃー流石暴君」
自分勝手で暴君気質。欲しい情報だけ聞いてきて自分は特に何も出さない。けど、誰よりも楽しそうだったチーザー。攻略が進まない時は滅茶苦茶なこと言って場をかき回すけど、証拠写真撮ってきて皆の気持ちを切り替えてくれた。
口は悪いけど、根底にあるのは優しさなのよね。
「・・・おいなんだマイオメェ。『私はわかってるからね』みたいな顔すんじゃねぇ」
「あらうっかり」
「上等だテメェ、あとで〆る」
「ウフフ、はいはい」
「これが母親になった人妻の余裕ネ☆」
「にゃー」
「母は強しだね。チーザーもたじたじだ!」
「よーし全員〆る!!」
「おまたせー・・・あれ? チーザーなんで立ってるの?」
「何でもねぇよ!! それよりおせぇぞマスター・・・なんだまだ背中にガキ引っ付いてんじゃねぇか」
トレーにたくさん料理を持って戻ってきたアールの背中にはハルちゃんがまだくっ付いてる。
あ、後ろにフユちゃんも着いてきてた。
「増えてんじゃねぇか」
「増えたのにゃ」
「増えたネ☆」
「増えたね」
「うむ、増えたな」
「うんゴメン。待ってなさいって言ったんだけど二人とも聞かなくて仕方なく連れてきた。もし邪魔なら俺はこのまま下に降りるけど?」
ハルちゃんもフユちゃんもアールにべったりだから仕方ないと言えば仕方ないし、予測可能回避不可能みたいな感じも正直してたんだよね。
「私的には良いけど?」
「それよりマスター食い物! フライドポテト揚げたてだろうなァ?」
「舐めるなチーザー。揚げたてで塩とは別にお手製ケチャップ・明太マヨ風ソースまで用意したぜ」
「最高かよマスター!!」
「にゃーの希望は!! にゃーのオニオンフライ!!」
「フライで満足させねぇぞにゃーる。フライドブロッサムを用意した」
「にゃぁぁぁぁ!!!!」
「他の皆にはホットサンドと普通のサンドイッチを用意したよ。たまごとハムチーズの二種類」
「わーい!」
「マスターホント料理上手だよネ☆ 盟友会の時の御馳走も全部用意してくれてたし☆」
「愛弟子は手先は器用だったからな!」
こういう時にポイント稼ぐのズルくない? 要望よりも上のグレードの物用意するのは主夫ポイント高いよ?
私達の前に並べられる料理はどれも本当に美味しそう。いつも食べてるから味は間違いないよね。見てたらお腹減ってきた。
あ、良く見るとケバブもある・・・ハルちゃんとフユちゃんが速攻でお皿ごと持ってったけど。
「コラ、行儀悪いから一つずつ食え」
「・・・だっふぇふぁくふぁるふぉん」
「おいひいでふ」
「せめて口の中のケバブ飲み込んでから話なさい」
「「もぐもぐ」」
甘やかしてるなぁ。ここはビシッと言った方がいいと思うけどなぁ私。だけど・・・
「んめー!! なんだこれめっちゃうめぇじゃねぇか!!」
「にゃーうまにゃー!!」
「チーズ伸びルー☆」
「おいひぃー!! 人が作ってくれたご飯最高!!」
おい女子。子供が真似するっていうか、子供の真似してもぐもぐ食べながら評論会的なの始めるんじゃないわよ。
「愛弟子の嫁よ。お主も中々大変なのだな」
「マリアーデさんが理解者になってくれたようで私は嬉しいです。切実に」
「・・・なんかゴメン」
「いいよ」
ここでアールを許しちゃうあたり、私も結局甘いんだろうけどね。あ、確かにサンドイッチ美味しい。
この後はまぁこれまでのイベントとかの話したり、それぞれの今後の予定とか話したりしてネクロロンの配信は終わった。まぁ終わった後に配信に参加しなかった連中が全員来て皆でまた盛り上がったんだけどそれはまた別の機会でいいよね。
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夢見こころ 『プレイヤードネクロロンのプラネットクロニクル生活 part3』 アーカイブ
ライブ配信世界同時視聴人数 21万人
再生回数 1703万回
1404件のコメント
無自覚人誑し発揮中。なおこの事実をアールが知る事は無いと言う。
ちゃんとネットニュースになったし世界トレンドも関連ワードで独占した座談会配信になりました。
つまりアールとマリアーデの関係も、マリアーデと言う人物像も、ブレイドエンセスターの関係も全世界公開です。
世界中の剣物ファン『俺達の黄金時代が・・・!!!』例の画像
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