神は突然に
Q、現在のマイの心境を考察し、マイがどうなりたいか述べよ。
前提条件
①:マイは販売開始からの初期勢である。
②:マイは自他共に認めるプレイヤーのトップ層である。
③:マイは覚醒者には勝てないものとする。
④:アールに戦闘能力で負け、アキハ達にも個々人での実力は抜かれたと思っている。
地を這うモンスター。『スピーダーニードルワーム』に対し、ハルナとフユカは得物を変えた。弓とボウガンでは攻撃が当たらないと判断した二人は即座にそれぞれの武器を背負い、携えていた剣を抜いた。
全身を針で覆われているスピーダーニードルワームは触れるだけでかなり危険なモンスターだ。毒とかあればもっと危険度は増すだろう。
「アキハ姉さん」
「わかった。ミナツ」
「わかったよ!! オラァ!!」
退路を塞ぐように、相手の進む道を制限するようにミナツとアキハが立ち回る。スピーダーニードルワーム・・・此奴も長いな。ワームでいいか。ワームは進む道を阻む二人をその体の針で串刺しにしようと体当たりを繰り出す。
「奥義『剛歌キャンサー』!」
繰り出すは衝撃の壁。体当たりをしてきたワームに襲い掛かる。
「これで足りたか」
必要最低限の衝撃を込めた一撃だったらしく、ワームは壁にぶつかり、若干の針を折る程度に終わった。そして同時に進路を変えてまた動き出す。
「フユカ」
「はい。準備できてます」
その先。待ち構えていたフユカとミナツが剣を構える。ワームももうその二人しか狙えない状態であり、こうなったらと言わんばかりの速度で突進を決める。
「「せーの!!」」
タイミングを合わせ突進してきたワームを下から克ち上げるように剣を振るう。突進してきた衝撃の方向を強引に真上に上げつつ繰り出した一撃は、ワームの抵抗も叶わず、その巨体を上に向かって伸ばさせた。
タンっとハルナは飛び上がり、フユカは下から鞘を剣の代わりに構える。狙うは目の前に晒されたワームの腹。針などない最も肉に近い部位。
「やー!!」
「・・・『ジェミニ』」
上下からの打撃斬撃を同時に放つ奥義。打撃としての衝撃と斬撃としての衝撃の二つの側面を持つ二連一対の奥義『双極ジェミニ』。これをフユカとハルナは二人でそれぞれ別の一撃を放つことで合体攻撃として完成させた。
「終わったね」
「みたいだな」
ワームの身体はその衝撃を受けてそのまま地面に倒れ、横たわり、二度と動き出すことはなかった。その体にマイが近寄り触れれば、ワームは素材に変わっていく。
これで四匹目。アキハ達の実力はそこそこ高いものだとわかったのが今回の収穫である。
「あと一匹だよ。皆頑張って」
「大丈夫だ。問題ない」
「・・・まぁいつもよりは余裕」
「えへへ・・・これ調子に乗っても良いですよね?」
「俺の伝説本当に始まっちゃう?」
「油断するなよー? その気の緩みが一番の敵だ。全部終わるまで気張れ」
「お、おう。ごめん父さん」
「ごめんなさい」
「怒ってないよ。ただ油断すると命取りになるからって話さ、ほら、そろそろラストみたいだ」
四人の戦いもあっという間にマイ曰く、最後の一匹になった。魔法陣に乗って現れるのはさて、どんなモンスターなのか。
陣形を整えた四人と俺たちの前に現れるのは淡い青緑、薄浅葱に包まれた四つ足の生物。そして上半身には人型。それも騎士を彷彿とさせる見事な槍と盾を構えている。
モンスターとはいえ美しく、高潔とさえ思えるほどに見事な鎧の異形騎士。それがアキハ達の最後の相手だった。
「最後のモンスターは小細工無しの真剣勝負。四人であの守りを崩して勝利をもぎ取っておいで!!」
相変わらず名前は教えてあげないらしい。しかしそれは何の問題にはならない。どうせ倒すんだ。名前を知らなくても問題はない。ただ相手は間違いなく強い。だからマイが言う様に。
「お前らの全部を見せてみろ!!」
「わかった。見ててくれ」
アキハに続くようにミナツ達もうなずく。心構えはもう出来ている。
「ミナツ」
「任せい!!」
ミナツが正面から吶喊する。風を斬るが如き速度で駆け抜け、その大剣を振るう。
「おぉうっ!?」
異形の騎士は携えた盾を使い、その一撃を簡単に防いで見せる。そのまま追撃せんと槍を構え、まっすぐ突き刺す。
「おっと!!」
大剣を動かして、今度はミナツが大剣を盾代わりにして攻撃を防ぎつつ、身体を宙に浮かせ、後ろに飛ぶ。アキハ達の元に戻ってきたミナツには傷はないが表情にはちょっと焦りがあった。
「アキハ姉さん。あれちょっと強いかもしれねぇ」
「そこまでか」
「盾壊すつもりで振ったのに傷一つ付けられなかった」
「そうか。ハルナ」
「ミナツの一撃で無理なら盾の破壊は無理」
「フユカ」
「無いです」
「そうか・・・ならいつも通りだ。いくぞ」
四人が動き出す。アキハを先頭に左右に展開していくハルナとミナツ。フユカはその場にとどまり砲撃を開始する。
異形の騎士はその砲撃を盾で防ぎながらハルナへと向かっていく。知能もそこそこあるらしい。遠距離専門のハルナから倒しに行くんだからな。
「お前の相手は私たちだ」
「無視すんな!!」
その前に加速して一気に距離を詰めたアキハとミナツが接敵する。真横と背後を突く感じになり、それぞれ刃を放つ。
しかし異形の騎士は、まるで想定済みと言わんばかりの行動を魅せた。上半身だけをぐるりと回し盾でミナツの大剣を、槍でアキハの刀を弾く。
「そこです」
隙を見せたと弾丸を打ち込んだフユカだが、異形の騎士はそれすらも見越して大剣を弾いた盾でガード。弾かれた弾丸はそのままアキハへと迫る。
「チィッ!」
弾丸を斬り落とすアキハだが、これ以上の追撃は不可能と判断し、いったん距離を取る。ミナツは勇猛果敢に攻め立てるが、異形の騎士はこれらを見事に防御していく。
標的をハルナから遠ざけると言う意味では成功したが、アキハ達からしたら失敗したという表情がにじみ出る。
「・・・まぁ。この距離ならいけるかな『弓式サジット』」
構えるは大弓と大矢。放つ一撃は月光真流の流派を取り込んだ必殺の一矢。注目がそれた一瞬でハルナは判断し、この瞬間に放つ。
異形の騎士はハルナが矢を放つ本当に一瞬前にそれに気づき、四本の足で飛び上がり、それを回避した。そのままくるりと身体を上下入れ替えて、今度は、砲撃していたフユカ目掛けて槍を向けて落ちてくる。
「私ですかぁ!?」
驚くフユカだが、すぐに回避のために動き出す。重いボウガンを投げ捨てて、全力で前に走る。そして次の瞬間。回避する前の場所には、その全重量を乗せて相手を串刺しにしようとした異形の騎士が、フユカのボウガンを貫き破壊していた。
「あぁ・・・私のボウガン・・・」
「無事そうだな」
「でもボウガン・・・壊されましたぁ」
「砲撃は通らなかったんだ。問題ない」
「ううう・・・せっかく買ってもらったのに」
「だったらもって逃げればよかったじゃん」
「・・・ミナツみたいに馬鹿力ある訳じゃないんだよ。これだからミナツは」
「なんでさ!!?」
アキハ達は案外余裕そうだな。気持ちに焦燥といった陰りは見えない。しっかりと状況を見て切り替えてる。フユカも気に入っていた武器を失いはしたが、剣を抜いて近接組のアキハ達に混ざる。
「思っているよりも早くて機敏だ。何か案はあるか?」
「隙を作るのも難しそうだな」
「大技も撃つ前に手を打たれそうだし」
「・・・邪魔な足を斬る・・・とかですかね? 流石に一本ずつ狙うのは難しそうですけど」
「「・・・それだ」」
「??? 何すんの?」
「四本同時に素早く脚を斬る」
「四方向からなら流石に全部防御できないでしょ」
「なるほどね。乗ったぜアキハ姉さん!」
「自分で提案しといてびっくりですけど・・・頑張りますね」
そういってミナツとハルナはそれぞれの武器を収め、振りやすい真剣を握り直す。重さよりも速度を選んだか。
「フユカは私と前、ミナツとハルナで後ろだ」
「「了解」」
「フユカ。無理はするな」
「大丈夫です。私だってお父さん仕込みの剣術ですし」
「そうじゃない・・・死角があるだろう・・・相手も強い。無理するなよ」
フユカは片目が見えていない。あの事件の後遺症でフユカの眼に光が戻ることはなかった。しかし、今日にいたるまで、フユカがそれを理由に弱みや泣き言を言うことはなかった。
アキハはそれが少し心配だったんだろう。しかしフユカからしてみればいつもの事だったらしくケロっとしていた。
「あぁそういう事でしたか。大丈夫ですよ。見えませんけどその分気配とかには敏感なので」
「アキハ姉さん心配しすぎ。フユカのそれは今更でしょ」
「・・・そうだったな。すまないフユカ。お節介だった」
「えへへ・・・お節介だなんてそんな・・・照れますね」
「そこ照れる所か?」
「ミナツは本当にミナツですね」
「なんでだよぉ!?」
あいつら実はかなり余裕あったりするな。
「なんていうか、此奴相手に会話が緩いなぁ・・・将来絶対に大物だね」
「だな・・・ん? なんかあいつ、こっち向いてね? と言うか走って来たんだが?」
4本の足で全力疾走の如く、異形の騎士は此方に向かって真っすぐ進んでくる。
「アール。エスコートよろしく」
差し出すマイの手を引き、するりと身体を抱く。お姫様抱っこって奴だ。
「少し揺れるぞ?」
「よろこんで」
放たれた槍に飛び乗りそのまま槍の上を駆け抜ける。騎士は盾で振り払おうとしたので、今度は盾に飛び乗り空を目指し駆けあがる。
盾から飛び、足を掛けたのは騎士の兜。出来るだけダメージを与えないようにふわりと飛び乗り、そこから空へと跳び上がる。
多段ジャンプの要領で空を踏みしめ、衝撃をもって飛び上がる。そして衝撃を吸収しながらアキハ達の後ろへと着地する。
「ご気分は?」
「快適だったよ」
優しくマイを降ろし、異形の騎士へと視線を戻す。騎士も俺の事を警戒し始めた。流石にパフォーマンスが過ぎたか?
「父さん。行ってくる」
「行ってらっしゃい」
そういってアキハ達が再び駆けだす。いつも俺との稽古で取るような全員近接陣形。
異形の騎士も迎え撃つ。四つの足を走らせて盾と槍を構え吶喊する。
「散開!」
四人がそれぞれのターゲット目掛けて動き出す。正面に立つのはアキハ。その後ろには援護するようにフユカが剣を構える。
「槍連続からの盾です!」
「ハァ!!」
振るわれた槍をフユカの先読みの言葉とともに打ち払うアキハ。その後二度目三度目の槍での攻撃が続くがアキハはこれを捌き切る。
そしてフユカの宣言通りシールドバッシュのように異形の騎士が盾を構えて突進してくる。
アキハ達は左右に飛び、これを回避。避けられた騎士は勢いに任せてフユカ目掛けて槍を振るう。
しかしフユカはこれを姿勢を地面スレスレまで低くしつつ、剣を構えてその上を走らせるように受け流す。それは騎士が振るう以上の距離を走り、大きく空振りのように槍が空を切った。
「今!」
好機到来。フユカの受け流しが騎士にとっては想定外だった。完全に晒された異形の騎士の隙。この隙を逃さんと、アキハ達が一斉にそれぞれ四本の足目掛けて刃を構え、抜く。
「「「「十六夜!!!」」」」
納刀からの抜刀。衝撃を乗せた一撃の居合切りが異形の騎士からその機動力たる足を奪う。
地面を揺らすは異形の騎士がその四つ足で支えていた重量による振動。それは宛ら翼を奪われた鳥のように。異形の騎士は武器であったその俊敏性を失った。
「回避! 集合!」
「「「ッ!!」」」
アキハの号令ですぐに距離を取るミナツ達。それと同時に騎士が悪あがきのように持っていた槍と盾を振り回し始める。
機動力は失っても槍と盾を振るう腕はまだ残っている。それで身体を守るように振り続ければやられはしないと判断したか。
「ハルナ。任せる」
四人が集まったのを確認し、その攻撃範囲外に出た事を再度確認したアキハは、この状況で有効打を持つと考えたハルナに声をかける。ハルナもそう来ると思っていたと言わんばかりに背負っていた大弓を構え、大矢を取り出した。
「はいはい。盾で防いで来たら任せるよ」
「今のお前なら抜けるだろう?」
「・・・見透かされるのムカつく」
構える大弓、力強く引かれる大矢と弦。最初は安定しなかった揺れが徐々に収まり始め、ゆっくりと狙いに対し動きが止まっていく。
「今度はぶち抜く『弓式サジット』」
放たれた一矢は先ほど放たれたものとは威力も衝撃も異なり、全くの別物だった。耳を貫く轟音はその威力を示し、風を切る鏃が異形の騎士の振り回す盾に接触する。
砕け散る金属音と共に、矢は更に加速するかのようにまっすぐ盾を貫き、異形の騎士の胸元を射抜く。
「うわーお・・・」
「お見事」
盾を貫き、胴体をぶち抜いたハルナの一矢にて、異形の騎士はその動かしていた身体をぐったりとさせて、動かなくなった。
勝った。
けどまだだ。俺の中の何かが警告を発している。まだ終わっていないと。
それが現実のものになるまで一秒も掛からなかった。突如異形の騎士の見事な青緑色の鎧が変色する。それはどす黒くおぞましい気配と共に。
それは全身を飲み込んでいく。気が付けば俺はアキハ達の前に立っていた。全身が震え立つ。これは俺でなければダメだと警告するように。
「父さん!? これは一体!?」
「わからん!! だが・・・まだ終わってない!!」
騎士を飲み込んだ黒い気配は、やがて形を変えて目下に晒される。異形の騎士は失ったはずの四肢を取り戻し、槍だったものは全てを切り裂くがごとく鋏の様な剣に変わり、盾は失われ、代わりに禍々しい剣が握られている。
高潔に見えた異形の騎士は、その高潔さを失い、穢れを纏う狂気の騎士へと変貌を遂げる。
「マイ!!」
「異常事態!!」
マイが手元に出したコンソールの様なウィンドウで何処かと連絡を取っている。そこまで状況はひっ迫したものなのだと理解する。
「あれは「状況は後でいい!! マイ!! こいつはここで仕留めるぞ!!」・・・わかった!!」
あれがどんな理由で、今が状況なのかの説明は今は必要じゃない。俺の中にある何かが知らせている。これは放置してはいけないものだと。確実にここで終わらせなければならないと。
「父さん」
「アキハ、お前たちは下がってろ。俺がやる」
「父さん」
「心配するな。負けねぇよ」
「違う!! 私たちも戦う!」
「・・・続けて」
「もう・・・守られるだけの存在じゃないんだ! 私たちだって・・・父さんと一緒に戦える! いいや、戦ってみせる!!」
四人の顔を見れば恐ろしく思いはすれど、覚悟は決まっている。そんな顔つきだった。いつの間にか、こんなに大きくなってたのか。心身ともに。こんなに大きく、頼もしく。
「無理はするな。きつかったら下がれ。いいな?」
「っ!! わかった!!」
「父さん!!!」
「えへへ・・・認められたんですね私たち・・・」
「・・・ん」
あぁ、そうだよ。お前たちはもうただ守られるだけの存在じゃない。一緒に戦う仲間なんだと、俺も認識を変える。
「アキハとフユカは俺の直衛、ミナツは遊撃。ハルナは俺の前に出ないように支援攻撃。盾はないからどこでもいい。ぶち抜け」
「・・・簡単に言ってくれるね」
「出来るんだろ?」
戦えると見栄を張ったんだ。やってもらわないと困る。そう言いたげに目を見てやれば、ハルナの顔つきも少し変わる。
「ミナツ。お前のポジションが一番俺の手が届きにくい。絶対に足を止めるな」
「わかった!!」
「アキハとフユカは俺が捌いた攻撃の間を縫って攻撃を叩き込め。追撃はするな。一撃ずつ確実に入れていけばいい」
「わかった。それなら得意分野だ」
「出来ますね」
「マイ!! そっちの用事が終わったら適当に参加しろ!! こっちで請け負う!!」
多分今すぐマイは動けない。何かあるとは思うが、それが何なのか迄はわからない。だから初めからマイの支援、援護は期待しない。
瞬間。飛んで来た殺意に対し、体が勝手に動く。『シマカゼ』を抜いて突き出された鋏剣を弾く。
追撃、悍ましく染まった剣による薙ぎ払い。空いた手で鞘を握りしめて、突き付けるように鞘の先端で剣を受け止める。その衝撃はこの世界では過去一番と言っても過言ではないほどの大きさを誇る。
更に追撃、弾かれた鋏剣を無理やり軌道修正し、今度は叩きつけるように上からくる。勢いを完全に殺した剣を蹴り飛ばし、その足で振り下ろされる鋏剣を『月波』で受け止める。
空いた両手で『シマカゼ』を鞘に戻し、歪ながら抜刀の構え。
「『十六夜』」
居合切りは空を切る。不浄なる騎士は後ろに飛び、俺の攻撃範囲外へと既に場所を変えていた。
「スゥゥー・・・『Laaaa』」
丁度良かった。お前の注目を俺に集中させるために一息入れたかったんだ。声を鳴らし、音を響かせ、身体を揺らし、前に出る。桜花戦舞、ご照覧あれ!!!
「『LAAAAAA!!!!!』」
唄う。叫ぶように、言葉を紡ぐ。同時に一瞬鈍る異形なる騎士の動き。そこへアキハ達の攻撃が叩きつけられる。騎士は2本の剣でこれらを往なし、防御。反撃には出ずに、こちらへ向かって真っすぐ向かって走ってくる。
「『風花雪月』桜花の舞ってな・・・・Laaaaaa」
繰り出される連続攻撃を、先読みするように『シマカゼ』に乗せて往なしていく。時に鞘を使い軌道をずらし、身体の軸を横へ流して回避。
『ここに打ってこい』と隙をわざと晒せば狙ってくるので、そこに対してはカウンターを叩き込む。
「奥義『凪波アクエリア』」
鍔迫り合いのようにお互いの剣が火花を散らす。その数秒後、騎士の剣に亀裂が走る。そして砕け散る。
月光真流奥義『凪波アクエリア』は衝撃を受け止め、それを自身の中で加速的に増加させて、相手に反射し、内部へと蓄積させ、暴発させる奥義。要するにカウンター奥義。
砕ける剣を見て騎士は後ろへと下がる。が、それは見越している。
「今」
「「「「『月華美刃』ッ!!」」」」
四人が先ほどやったように、異形の騎士を足を奪いに行く。剣を失い、後方に飛びながら下がったことで生まれたこの隙に、アキハ達は合わせてくれた。
『月華美刃』の二連撃が騎士の足を再び奪い取る。これで・・・
「全員下がってこい!!」
跳び退きミナツ達が俺の元まで下がる。同時に騎士を包み込む黒い渦。あと少し遅ければアレに巻き込まれていただろう。
「なんだよあれ!?」
「・・・ミナツうるさい。叫んだってわかる訳ないでしょ」
「どうあれ・・・私たちがするのはあれを倒すことだ。その為にここに来たんだ」
「ちょっと予定とは変わってる気がしないでもないですけどね・・・」
渦が消え、そこには盤石の状態へと戻っていた異形の騎士。砕いた剣も、奪い取った脚も元に戻り、そのヘルムから覗く眼光が俺たちを指す。
「アキハの言う通りだ。とりあえずこいつを倒す。予定外ではあるがそれは変わらん」
「父さん?」
「状況に適応して見せろ。俺の可愛い子供(弟子)達。お前たちには出来ると俺は信じている」
「「「「・・・」」」」
「盾としての役割は任せろ。今その役目は父さん《師匠》の仕事だ」
見た所再生能力持ち。限界は知らん。けれどダメージは通せているはず。
なら倒せる。此奴が特殊なギミックボスでない限り、こっちのスタミナですり潰せば倒せる。ギミックボスだとしてもすり潰していけばいつかギミックが割れるだろう。
騎士が吠える。呼応するように唄う。
「『Laaaaaa』」
込めるは祈り。願い。子供たちの成長を願う唄。そして強大な壁を打ち破る強さを手に入れた姿を冀う唄。優しい、温かい唄。その唄の名は『月の産声』。
その音に嫌気が差した。あるいは戦意を再起させた騎士が迫ってくる。構える『シマカゼ』の峰を向け、打ってくる2本の剣の連続攻撃を捌く。上下左右に打ち流す。けれど後ろにだけは流さず。
「『私の背にいるのは守るべき愛しき子。この背に刃は通さない』」
騎士は前足を振り上げて叩きつけてくる。空いている片手に鞘を持ち、構えるは『風花雪月』。
「『押し通ることは叶わず。躱す事出来ず。何故なら私は愛し子たちの守護者』」
唄う。唄う。奏でる。すべての戦闘音を音色に変えて、唄を乗せて舞う。
「『私は願い恋い焦がれるように、愛し子を守る守護者であり続けよう』」
2本の剣、そして前足二本を使い繰り出される多段連続攻撃を流し続ける。小石の一つすら俺の後ろには飛ばさない。
斬り払い、受け流し、打ち流し、逸らし、ずらす。そして一歩前へ、また一歩前へと進んでいく。
「『愛し子よ、私の背から世界を知りなさい。いつかこの手を離れるその日が訪れるまで』」
劣勢ではないはずの騎士は押し込まれているこの不可思議な状態に困惑するように、迷うを振り払うように連撃を浴びせる。攻撃が雑になってきたことを見逃さず、反撃を叩き込む。
「『そしていつか、守護者たる私を超えて世界へ羽ばたきなさい』」
『月光閃』『十六夜』『暁月』『月輪』。攻撃の戦技を今度は此方から叩き込む。騎士の四肢を奪い取り、鎧を砕き、武器を砕く。
「『例え何が立ち塞がっても、私の心があなた達を守る限り、あなた達は前に進めるのだから』」
最後の一閃を放ち、納刀。砕け落ちる”この”騎士に黙祷を捧げ、後ろへ飛ぶ。
此方の想像通りと言うか、またしても黒い渦が騎士を包み込む。そして出てきたのは万全なる異形の騎士。
「・・・すっご」
「すげぇ・・・」
「綺麗・・・」
見惚れ言葉を漏らす子供たち。何も言えずにその光景を見ていたアキハの頭を撫ぜながら、呼吸を再び整える。
「ぼさっとするなよお前たち。防御は俺が、攻撃はお前たちに任せる。」
「私たちが居たら・・・邪魔じゃないのか? 父さん一人の方が上手く戦えるんじゃないのか?」
「そうだ。その通りだ。けどそれじゃ意味がない。この戦いはお前たちがいつか挑む戦いだ。時期は違うが必ずお前たちだけで今日みたいな敵との戦いに身を投じる時がくる。その為の練習・・・前座だよ」
甘やかすだけが教えじゃない。時に残酷な事実を突きつけ、それでも進めと背中を押す。これで進めないなら・・・きっと向いてなかった。それだけさ。
「わかった・・・やってみる。ミナツ、ハルナ、フユカ。準備は良いか?」
「行ける!!」
「・・・いつでもいいよ」
「私も行けます」
進むことを選べたか。うん。この剣を継いだ者としては嬉しい限りだよ。
ーーーー
鳴り響く剣戟を聞きながら、各所へと指示を飛ばす。闘技場の管理人として、私はやるべきことがたくさんある。
始めて間もないプレイヤードとNPCの観戦者は幸い、これが異常事態ではなく、パフォーマンスだと思っているらしく、興奮鳴りやまず、歓声を上げている。
すでにこれがメインシナリオの一部であると気が付いたプレイヤードはそんなNPCを退避させるために動き出しているけれど、目の前で繰り広げられる戦いに、目を奪われ興奮状態だ。
下手に危険だと知らせれば被害が増える可能性もある。幸いにしてバトルフィールドの結界は強固なものだ。異種族戦争でも用いられた人類側の守りの要である守護結界を使っている。
アレが成長し、開花するまでに撃破できれば、多くの人はこれが異常事態だと知らないままこの場を収められる。
掲示板にてその旨を伝え、闘技場関係者たちにもこれ以上観客を入れない事、万が一に備えて避難誘導を始める事を伝えた。
これで私がすぐにやるべきことは全部終えた。あとはアレを・・・『戦火の悲種』より変異したベオウルフだったもの。『幼邪騎士ベオウルフ』を討つ。
けど、出来るの? 幼体とはいえメインシナリオで出てきた怪物と同等の化物。見えるHPゲージは十段を超えている。
正しい判断を下すなら、掲示板にて覚醒者含む上位陣の招集。今すぐにこの闘技場含めたファクリアの人を全員避難させるべきだ。それが一番正しいはずなのに。私が書き込んだのは真逆の事。
333:マイ
こっちで片づける。避難誘導だけお願い。
掲示板に書き込んだのはこれだけだ。
片づける?
この化け物を?
しかもそのうち四人はNPCで子供。アールは確かに強い、まだイベントシナリオどころか強敵との戦いも少ない。優勢に戦いを運んでいても、勝てると確信までは持てない。
私だって・・・一般人の枠に収まっている人間だ。
無理だ。
そういう自分がここにいる。
でもアールならもしかして、倒せる。やってくれる。
そんな他人任せな情けない気持ちを抱く自分がいる。
アールと初めて一緒に遊んだ時、一緒に冒険してるとき。付き纏う私とアールの違い。埋められない格の差。
そう思うほどにアールと私では実力に差があった。
諦めている。もう並び立つことは叶わないと。スローライフを楽しんでいた時は本当に楽しくて、ずっとこんなゲームでもいいと思っていた。アキちゃん達も可愛かったし、私にも懐いてくれた。
ならばこのままでいいと思った。
だってそうすれば、情けない自分も出てこない。そんなゲームライフもこの世界では許されている。
今日の闘技場はただの気まぐれだ。ちょっとかわいい子供たちの事を自慢したくて。管理人権限でちょっとずつ強いモンスターを出すように指示しただけ。
これに見事勝利して、皆に凄いと褒められて、お祝いをして、また明日。いつもの日常に戻る。皆とご飯を食べて、本を読んで、修業を付けるアールと子供たちを見守って、また次の日を迎える。
私の望みはそれだけだった。
それだけで、満足していたんだ。
本当に?
本当にそうか?
情けない自分を殺して、進むことを諦めて、そのままゆっくりと過ごしていたいのか。
心の奥に燻る本能は、私の理性を揺さぶる。
だって仕方ないはずだ。これはゲーム。もう一つの世界。才能がある人だけが次のステージに進むことを許された箱庭の中の世界。
この本心は表に出してはいけない。出したって壁にぶつかって、進めなくなって。そして・・・きっとゲームが嫌いになってやめてしまう。
だったら、割り切って、掲示板にいる連中と一緒に盛り上がって、次にステージに進んだ人外たちにあこがれと敬意を持ちながら、私なりに楽しんでいけばいい。
それでいいの?
問いかける本心に応える。いいの。それが、弁えた正しい選択っていう奴。
この状況だってきっとアールなら解決出来る。私は何もしなくても、大丈夫。アールはゲームに、この世界に愛された愛し子だから。
嘘つき。
嘘でもいいんだ。私はただアールと一緒の世界にいられればそれでいい。それ以上を望んでも、私じゃ手には入らないんだから。
そう・・・思ってたはずなのに。
「全員下がれ!!」
「クッ!! タイミングがわっかんねぇ!!!」
「・・・チィッ」
「お父さん!!」
「父さん頼りじゃないとまだ見抜けないのは・・・悔しいな」
「経験の差だよ。数熟していけばお前たちも直観で分かるようになるさ」
「そうか・・・なら、頑張らないとだな」
「・・・まぁ程々にやるよ」
抑え込んでいた本能が、アキちゃんとハルちゃんの進む決意を見て揺さぶられる。アールじゃない。アキちゃん達の戦う姿を見て、完全に消したと思っていた心の灯が。
アールの歌を聞いて、あの歌に込められた意味を考えた。私は、アールと言う愛した人にずっと守られているだけの人間でいいのかと。
「『月光脚』・・・チッ浅い」
「ハルナ!!」
「これくらい!!!」
「人の娘に何してんだ騎士テメェ!!!」
「・・・いや別に私が突っ込んだだけなんだけど・・・まぁ、ありがとう」
諦めても、逃げてもいいのに。
邪神に立ち向かうのは、私よりも弱くて小さかったはずのハルちゃん達。
強大な敵に立ち向かう姿が、昔頂点を目指していた私のあの日を思い出させて。
剣聖物語と言う作品の虜になって、クリエイションモードクリアの為に様々な事を試していたあの頃を思い出す。
「月光真流奥義『天翔サジット』!!!」
「よっしゃアキハ姉さんナイス!! 砕いた!!」
「ミナツ!! アキハに続け!! 今なら押し込める!!」
「わかった!!!」
壁に何度もぶつかって、ぶつかって。それでも先に進むために我武者羅に、いろんな情報を集めながら自分だけの、たった一つの攻略法を見つけて進んでいったあの頃を思いだす。
止まりたくない。
先に進みたい。
押し殺していた本心が、溢れ出す。
溢れてくる本心は、止まらない。私だってあそこに立ちたい。ダメだからと諦めたくない。目の前で壁を乗り越えてきたアキちゃん達の姿が自分に重なったからだけじゃない。
今まさに壁にぶつかっている自分に、その姿を重ねていたんだ。
だから一生懸命にあの子達を応戦していたんだ。
だから皆で一緒に居て嬉しかったんだ。
だから・・・私は今あの頃の熱意を・・・思い出しているんだ。
止まりたくない。
ずっと前に進みたい。
大好きな人と同じ場所に立ちたい。その為に上げ続けた私のレベル。私の技量。
ただ支援するんじゃない。一戦力として、アールの隣に立ちたかった。
たった一度や二度実力差を見せつけられて、諦めるなんて私じゃない。
私だって、私だって、私だって真央と同じくらい強くなりたくて走り続けてたんだっ
優越感に浸りたいんじゃない。私はただ自己満足の為に強くなりたかったんだ!!
そんな思いが止まらない。もう、止められない。誰にも。
この思いに、嘘はつけない。もう、虚勢は張れない。
超えられないと諦めた人外との壁に、あの場所に、もう一度私は立ちたい!!
私は・・・アールと、そしてこの世界で家族になったアキちゃん達と一緒にこの世界で生きていく為に!!
あの子たちに誇りに思って貰える家族になりたい!!
それが・・・私の本心!
願いだ!!
だから、私は私の弱さを、勝手な絶望を全部飲み込んで前に進むんだ!!
ーーーー
それが貴女の本当の始まり。ここが貴女が生まれ変わる日。
おはよう愛しい貴女。頑張って、愛しい貴女。
貴女にはいつも、私がそばにいます。
その心が消えない限り、貴女はこの世界の理を抜けて、進めるでしょう。
心から、貴女を想います。愛しの子。どうか世界を、彼らと共に生きてくださいね。
ーーーー
『覚醒者』の条件をクリアしました。『マイ』を覚醒者として人体を再構築します。
称号・ステータス・戦績・戦法を判断し、『魔法』を優先とするステータスを構築します。
『覚醒者:魔導女帝』へ、肉体を再構築しました。
『ようこそ魔導女帝様、ここが本当の星の物語です』
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「『Laaaaaaa』」
斬り払い、撃ち払う。何度も再生するこの異形なる騎士との戦いも長引いてきた。
まだ個人としては疲労は少ないが、経験が不足しているアキハ達は疲労の汗を流し、呼吸を荒げている。ここは一旦全員下がらせてマイの所で休ませるべきか。
「アキちゃんナツ君ハルちゃんフユちゃん!!」
まるでこっちの事を先読みしたかのようなベストタイミング。一旦全部引き受けて休ませよう。
「マイ!! 悪いがアキハ達を下がらせる!! そっちでy「全員お父さんの後ろまで下がりなさい!!! アールはそこ動かないで!!!」・・・お・・・おう!!! 全員こい!!! テメェは一旦ぶっ飛べ!!『剛歌キャンサー』!!!」
攻め立ててくる騎士を吹き飛ばし、アキハ達を俺の傍まで集める。必死に取り繕っているが、既に限界ギリギリだ。
マイの勢いにしたがってしまったが、打開する手段を見つけたのだろうか?
「ぶっつけ本番だけどやって見せる!!『インフェルノレイン』!!」
マイの魔法がさく裂した。騎士に叩きつけられたのは雨。この雨はなんだ。触れてはいけないと警告が鳴り響く。
俺の僅か数メートルを境に降り注ぐ雨が、恐ろしく感じる。それは錯覚ではなかった。雨が燃えてながら凍り付いている。凍りながら焼き尽くしている。
「『インペリアルデッド』!!!」
大地に描かれた巨大な魔法陣。そこから巨大なアギトを持つ龍の頭が現れ、騎士を喰らう。喰らわれた部位は劣化し、崩れ落ちる。
「『スピリットリンクルーイング』!!!」
龍が形を変える。煉獄の龍から裁きの龍へと変異したかの如く、龍は光と共に騎士を喰らっていく。
「『ヘブンズオブアラート』!!」
周囲一帯に鳴り響く鐘楼の音。美しい音色だが、それは不浄なる騎士を、龍もろとも破壊する破滅の音。崩れ落ち、光化する騎士の鎧はそれでも尚再生を続ける。
「『ヘブンズライフジャッジメント』!!!」
極大の光が空より降り注ぐ。鐘楼の音と共に降り注ぐ光が更に騎士の鎧を破壊する。それでもなお騎士は再生を続ける。
「『コスモスゲートエンブレム』!!」
空に浮かび上がるのは光輝く豪華絢爛なる扉。扉が開き、そこからいくつもの光の柱が大地を騎士諸共砕いた。
「『ジ・ファースト・オブ・ザ・ジャッジメント』!!」
その上、扉の奥からより強くより輝く紋章が、大地を光で焼き払う。
「終極の月姫!! 全てを包み込み光に還せ!! 『ムーンライトプリンセス』!!!」
光の柱が収束し、やがて一人の女性となる。それは美しく儚げな。光の女王。
女王は手を広げ、騎士を包み込むように抱き寄せる。
そして・・・すべてが無かったかのように、ただ静かに・・・消えた。
「「「「「・・・・・・」」」」」」
「っしゃぁぁ!!!」
何処か憑き物がおちて晴れ晴れとしたマイの姿があった。とりあえず一言思う。マイを怒らせてはいけない。そんな感想しか出てこないほど、マイの放った魔法は神秘的で、最強《最恐》だった。
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777:マイ
という訳で無事に終わったよ。
778:名無しのプレイヤード
『終わったよ』じゃねーよっ!!?
779:ああああ
マイさん何したの!!? さっきの魔法なに!!?
780:ミラファ
戦術級魔法の連発とか頭おかしいとかじゃなくてステータス的に無理ですよね!!
781:ヴァンレイ
おかしいだろ!!? 一発一発がゲージ一本持ってったぞ!!? 一人のプレイヤーが出せる火力じゃねーよ!!?
782:レイ
意味わからん!! マジで意味わからん!!!
783:ライーダ
これは来たな。
784:雷華
まさか貴女がこっち側に来るとはね。
785:名無しのプレイヤード
レイドボス事実上のソロ撃破はおかしーだろぉぉおお!!?
786:Tas3
マジで何なのあんた!!? マジでなんもわからん!!?
787:シロマサ
ようこそこっち側へ。僕らは歓迎するよ
789:マイ
新参だけどよろしく。まぁ大体わかったけど。
790:ぞうもつまる
まてまてまてまて!?!?!?!
791:弥生
え? 覚醒者っすか?
マイさん覚醒者枠の仲間入り?
792:マイ
(#^^#)b
793:名無しのプレイヤード
・・・言葉が出ねぇ
794:オルガン
もう勝てる気がしない
795:カレイさん
魔法特化の覚醒者で確定ですねマイさん
796:マイ
魔導女帝と呼びなさい者ども。
スキルは『魔導覇王』と『空ノ裁定』よ。
『魔導覇王』は一定時間の間、魔法使用時に詠唱とMP、クールタイムが不要になるスキル。
『空ノ裁定』は指定範囲全体の私が敵対生物と判断した生物全てを魔法攻撃できるスキル。魔法の種類は軽く流してみたけど50を超えるわ。
一番強い魔法は『ムーンライトプリンセス』。超級魔法を連続して五発以上放って命中させた場合だけ使える魔法で自分相手の合計ステータス合計値×100倍の魔力で消滅させる魔法ね。
797:アルトりす
ぶっ壊れじゃねぇか!!? 完全に専用魔法じゃねぇか!!?
798:ライトニング
これ俊敏性最強議論崩壊させない?
799:シロマサ
『守護聖帝』とぶつかったらどっちが勝つかな?
800:雷華
魔法発動前に倒せば何とか出来そうですね。
801:ライーダ
魔法を斬るスキルで相殺できるか?
802:ルーク
あの・・・一般人視点だともう無理なんすよ・・・人外先輩・・・
803:マイ
諦めるのはまだ早いよ。意外と気持ちでなんとでも出来るよ
804:名無しのプレイヤード
その心をへし折りに来たのはほかならぬ貴方の一連の魔法なんですが?
805:ライトニング
よく考えると、ほぼソロでゲージ一本消し飛ばした人やばくね? テスターやってたのはわかったけど、テスターってレベルじゃねぇんだが?
806:蒼牙
なんださっきの技は!!? あぁ!! あぁ!! また超えるべき壁が増えて行く!! 楽しい!! 楽しいぞアールゥゥゥ!!!
807:名無しのプレイヤード
あの子供NPCもかなりやべぇな。テスターさんが盾やってたとはいえ四人でゲージ一本砕いたし
808:ライーダ
子供が戦うのは些か思う所はあるが、そういう子もいるし理解はする。だがあの笑顔は・・・素敵だぁ・・・ちゃんと親をやっていなければ引き出せない純粋無垢な笑顔。
認めよう。お前が父親だ。
809:名無しのプレイヤード
急になんだおめぇー!?
810:マイ
うちの子たちまだ他人と話すの苦手だから寄って集って話聞きだそうとすんじゃないわよ?
811:名無しのプレイヤード
それは無理では? 掲示板見てない勢は間違いなくカッとんでいくよ人外先輩(新)
812:白輝
ほらさっそく・・・ええぇ・・・
813:Tas3
マイ氏が吹っ飛ばしたwww
814:名無しのプレイヤード
『うちの子怯えさせるんじゃないわよ!!』これは母親。
815:くろへび
あ、集まった人たち怖気づいた。
816:クロサカ
そりゃそうよ。もともと個人ではPvPで好成績だったマイが人外に昇華したんだぞ? よほどの命知らずでない限りは突っ込めん。というか突っ込んだ奴どこ行った?
817:カトレア
リスボーンしたわよ。一撃でHP消し飛んだのね。光景的に装備も砕けてたみたいだから立て直すのはまぁかかるわね・・・南無。
818:名無しのプレイヤード
命知らずだったな・・・アーメン
819:マイ
とりあえず状況確認と被害の確認。あとは事後処理するから家族は用意させる別室に待機させとくわ。暇な人手伝って。一応悲種のかけらが無いかフィールド散策するから。かけらは早い者勝ちで所有権って事で
820:カレイさん
それは参加しますね。事務作業ならお手のものです。
821:ヴァンレイ
それはありがたい!! 装備の強化に使いたかったんだ!!
822:名無しのプレイヤード
マイさんマジ太っ腹!! よっ!! 日本一!!
823:弥生
かけらの使い方はともかく、悲種の二次被害は防ぎたいから行くよ 。主に揉め事系
824:悠々
自分も参加します!
825:ミラファ
私たちもお手伝いできそうなことがありそうなので行きますね!!
826:ああああ
ウチの蒼くんが興奮を抑えられなさそうなのでいきますね~ !(^^)!
827:ぞうもつまる
それ大丈夫? 来た瞬間色々爆発しない?
828:雷華
そうなったら私が抑え込むから安心してくださいまし
829:名無しのプレイヤード
とにかくファクリアへレッツゴー!
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悲種のかけら
・戦火の悲種から剥がれ落ちた欠片。既に邪神の力は失われているが、邪なる力は失われる事は無いだろう。
効果:装備に邪属性を付与、あるいは邪属性を強化する。
A、今で足りないならだったら私だって進化してやろうじゃないっ!!
という訳で覚醒条件を読者の皆さんに匂わせていきますので、自分の想像する覚醒した自分のキャラクターを想像して楽しんでください。そうして私に感想を下さい。めっちゃ待ってます。
P.S戦闘描写書くの難しいけど楽しい。




