家族
種自由の映画観ました!! すごかった!! 語彙力無くなる!!
本当に見て良かった!! 皆さんもぜひ劇場へ!! いけない人は初回限定ブルーレイとか買いましょう!!
あ、飯テロ注意報先に出しときます。表現は上手じゃないかもですけど・・・
寝て起きると次の日の朝だった。寝ている子供たち四人を起こしてギルドの食堂へ。四人には消化が良くて栄養価の高い果物類をご飯として注文し、俺は朝から肉が食える人間なのでハンバーグ定食を一つ。
「「「「・・・」」」」
「あ、こっちの方が良かったか?」
「「「「っ」」」」
「じゃあはい。皆で分けて食べな?」
「俺一番!」
「えへへ・・・お肉・・・えへへ・・・」
「・・・じゅるり」
「ま・・・待てちゃんと分けないと・・!!」
「すみません! 追加注文お願いしまーす!」
代わりに頼んだ果物系の食事は俺が貰って胃袋に詰め込んでいく。こっちも悪くはない。果実主体の食事だが野菜サラダに林檎のキッシュ。あと牛乳とシンプルながらに美味しいメニューだ。
「アキハ」
「むふ?」
ハンバーグを四等分したアキハは早速口いっぱいにハンバーグを詰め込んでいた。ハムスターみたいなやつだな。飲み込んでからでいいと伝え、何度ももぐもぐと味わう様に食べてるのを見終わった後、空になったのを見計らって、キッシュを一口差し出す。
「あーん」
「あ・・・あーん?・・・むぐっ!!」
「うまいか?」
「むー!!」
「ズルいですアキハ姉さん・・・私も食べたいです・・えっと・・・ぱぱ?」
「ふぐっ・・・!?! 」
フユカのぱぱ呼びに思わずしゃっくりが出そうになった。なんて破壊力・・・これが父性なのか?
「・・・お父さんとかでいいんじゃないの? パパ呼びなんか気持ち悪いよフユカ」
「そ・・・そうですね・・・ごめんなさいお父さん・・・えへへ・・・良いですね。家族みたいです」
正直君たちからなら何て呼ばれても良いです。なんて父性が擽られまくってる。とりあえず口に付いたソース拭いておこう。
「わわっ・・・えへへ・・・」
フユカは可愛いなぁ。
「ほい、あーん」
「あーん・・・・おいひいでふ」
「そっか。良かった。ミナツとハルナも食べる?」
「食べる!」
「・・・もらえるなら食べるよ。でも自分で食べるからいい」
食べ盛りのミナツはキッシュをひとかけら手に取り、ハルナも一口分切り分けて口に運ぶ。顔が綻んでいるから美味しかったんだろう。
「朝から仲良く食事してたんだね」
「あ、マイ。おかえり」
「ただいま」
「「「「おかえり・・・?」」」」
「疑問形なのね。まぁ良いけど。すみませーん! ハニートースト極厚でお願いします!」
マイもこれから朝食か。ちょっと横にある空いている椅子を拝借してっと。
「・・・ここでいいよ。あけるし。ミナツ。ちょっとそっちどいて」
「う、うん。わかった」
丁度ミナツとハルナの間にスペースを作ってくれた。と言うよりも他より広いスペースだったからハルナが気を利かせてくれたんだな。
「ナツくんもハルちゃんもありがとうね。気遣い出来るのは良い事だよ」
「な・・・ナツ君って俺?」
「・・・まぁ名前何て何でもいいけど」
マイは人と関係を持つときあだ名で呼ぶことが多いからな。特に友好関係を結ぼうとする相手にはよくする手法だ。悪い事じゃないぞ?
「うーん・・・さてはアールが頼んだハンバーグ定食食べたくて野菜と果物アールに渡したなぁ? 野菜もちゃんと食べるんだよ?」
「・・・野菜食べなくても生きていけるし」
「だーめ。ほら、食べさせてあげるから口開けて」
「ちょっ・・・恥ずかしいからやめて・・・わかった。自分で食べるから」
野菜食べません宣言をしたハルナがマイに言われるがまま嫌そうに野菜を食べていた。明らかに食べたくありませんって顔してる。
「ハルナって好き嫌い激しいよな」
「・・・うっさい。別にいいでしょ」
「そうだな・・・よくハルナは今日まで生きてこられたと思う」
「やめて。私がなんか生きるより好き嫌い優先してたみたいな言い方やめて。食べるときはなんでも食べてたでしょ」
「でもハルナ姉さん絶対お肉とかお魚の缶詰取って食べてましたよね?」
「・・・フユカ。アンタにこのジャガイモあげるから食べなよ」
「本当ですか? えへへ・・・ほくほくしてて美味しいんですよね・・・」
「こりゃご飯作るときは苦労しそうだね。ちゃんと野菜もとれるメニュー考えないと」
「そうだな。特にハルナは好き嫌い大変そうだ」
「・・・だからそういうの違くて・・・あぁもう。アンタがハンバーグなんて頼むからじゃん」
「まぁあながち間違ってはいないけど」
「えっと・・・とうさん。林檎のやつもう一口食べてもいいか?」
アキハから父さんって呼ばれた。出来るだけ自然に頑張ったって感じの発音だったのが愛おしくて、笑顔で返す。
「いいよ。食べな食べな。腹いっぱい食え」
「ありがとう」
「あ、俺も食べる」
「じゃあ私も・・・えへへ」
「・・・これは美味しいから食べる」
「やっぱり好き嫌いあるじゃないの」
「・・・」
プイっとそっぽを向きつつも食べる物は食べてるハルナだった。
そのあとマイが頼んだハニートースト極厚も皆で分けて食べる事になったのは言うまでもないだろう。
ーーーー
「住む場所の話をしようか」
食事を終えて借りている部屋に戻ってきた俺たち。まずは今後の方針を決めていく事にしよう。
「そういうのはよくわからないから・・・父さん達に任せる」
「俺も」
「私もです」
「・・・」
「ちなみにアールの希望は?」
「ルーキスト」
始まりの街ルーキスト。あそこはファクリアよりも表裏が少なそうだし、何よりも土地が広かった。六人で住む場所を探すのも苦労しないだろう。それに空気も綺麗だった。
ファクリアが汚いという訳じゃないけれど、ここでの思い出はこの子たちにはちょっと辛いことが多すぎるのもある。新天地で心機一転するのも良いだろう。
「ルーキストね。私も良いと思うよ。馬車を使えばすぐ着くし自給自足にも向いてるかもね」
「なら決まりだな。アキハ達もそれでいいか?」
「わからない事だらけだから迷惑をかけるかもしれない。それでもいいなら・・・・」
「大丈夫。寧ろたくさん迷惑かけてくれ。その方が頼ってもらえてるって感じて嬉しいんだ」
家族なんだ。そういう迷惑はたくさんかけてほしい。
「・・・変なの」
「あの、馬車ってあれですよね? ガラガラ言いながら動物に引かせてる乗り物。えへへ・・・実は一回乗ってみたかったんです」
「えっと・・・実は俺も」
既にミナツとフユカの興味は完全に馬車へ移っていた。あとハルナ。変なのはちょっと傷つくよ?
「じゃ、次の話しよっか。家具に関してね」
「ん? なんか話す事あるか? タンスとキッチン回り、あと掃除道具とあればとりあえずいいと思ったんだけど?」
「寝具はどうするつもり?」
「え? とりあえずアキハ達用にとりあえずキングサイズ一つと俺とマイはそれぞれシングルかダブルでいいと思ってたんだk「「「「っ!!!」」」」おろ?」
四人同時に俺の服を掴んできた。
「一緒じゃなくちゃ嫌だってさ? お父さん?」
「あぁーそっかぁー・・・じゃあキングサイズ二つ買って並べるか? 六人で寝れるだろう多分」
首が取れるんじゃないかってくらい首を振るうミナツに静かにうなずくハルナ、えへへと笑って喜んでいるフユカに安心した顔のアキハ。一応精神的後遺症があると考えたらカウンセリングも含めて一緒に寝てやるのが得策か。嫌がり始めたらその時また考えよう。
そんな感じで話し合いは進んでいき、その数時間後には新生活の為の買い物に出かけたのだった。
ーーーー
買い物は特に問題なく、買ったものは全部アイテムポーチに保管してある。資金に関してもマイが全額出してくれたので同様に問題なし。気持ち的にはヒモ感ヤバいけど。それで馬車の手配が明日になるとの事なので出発は翌日になった。
短かったファクリアでの最後の日なので依頼の一つでも記念に受けてこようと思ったが、アキハ達が離れたがらなかったのでマイも含めた六人でいろんな話をした。
アキハ達が話したいことをたくさん話して、マイが聞きたいことをたくさん聞いて。気が付けば四人ともうとうとしだして眠そう船をこぎ始めたので昨日と同じ様に寝た。違ったのはそこにマイが加わったくらいか。ちょっとばかり狭くなったけど誰も文句は言わなかった。
そして翌日。ファクリアを出発する。
「それでは馬車に関してはルーキストのギルドに預けていただければ大丈夫ですので」
「ありがとう。それじゃあご機嫌よう」
「えぇ、良い旅を」
馬車の貸し出しをしてくれた人に見送られ馬車の旅が始まった。馬車の御者はマイが出来るらしく通常よりも高い値段でルーキストまで借りたらしい。
「その方がこっちのペースで行けるでしょ? 気になった場所とか立ち寄りのも旅の醍醐味なんだから」
そう言われてしまえば何も言い返せない。
旅は楽しいものだからな。そして早速馬車に興奮する四人は目に入るあらゆる光景に興味津々だった。
ただの岩にすら興味を抱き、見えるすべてに興奮していた。
反応が薄かったのはハルナくらいだったけど、目は他三人に負けず劣らず輝いていた。
「「すぅーすぅー」」
「疲れて寝ちゃってるのね」
俺の膝を枕にして、アキハとフユカは揺れる馬車の振動に身を任せて眠っていた。なんだかんだ長女ポジだったアキハが結構いろんな物に興味津々だったからな。それにくっついていくようにフユカも色々見ていたから二人して疲れたんだろう。
「みたいだ。ハルナは眠くないの?」
「・・・別に」
体力を温存していたハルナは疲れてはいなそうだが、俺に寄りかかるようにしながら、良い揺れを感じてコクリと首を揺らしている。
「ナツ君は馬に興味津々だもんねー?」
「なー!」
唯一元気なのは男子のミナツだ。御者をしているマイの膝の上でミナツは先を進む馬車の光景を楽しんでいた。この短い期間でマイに懐いた最初の子だった。マイも可愛がっており、関係は良好だろう。実はちょっとだけ心配だったから安心した。
「なーアレなに?」
「んあれはねぇ・・・あーモンスターだね。結界抜けてきたのか・・・ナツ君ちょっと目を閉じてて」
「ん? わかった」
「我が天を見据える眼。鉄槌となりて障害を討ち滅ぼす『天獄眼光』・・・・・・・・・もう目を開いていいよ」
「そう? あれ? モンスターは?」
「追い払ったよ。街道にモンスターがいるのは危ないからね」
マイさん絶対に追い払ったなんて可愛い対処じゃないよね? 消し炭にしたよね? 音も無く。前に近接特化の二極振りって話も前にしてたのに普通に遠距離も出来るんですね。
「・・・あの人怒らせない方がいいかもね。父さん」
「・・・アハハ・・・そうかも」
既に逆らえないんですけどね!!
ーーーー
「ギルドカード確認取れました。馬車の借り入れも同じく確認取れましたが返却でよろしいですか?」
「えぇ。お願いするわ」
寄り道をしたり、休憩をしたりマイの言う通りアキハ達の好奇心を全て埋めて行ったところ、ルーキストに到着したのは夕方だった。到着した俺たちはギルドに顔を出し、馬車の返却と、しばらくの間この町を拠点にする旨を伝えた。ついでに情報も仕入れた。情報と言っても最近のルーキストの様子とか町周辺のモンスターの出現情報とかだ。
拠点にするならそういう情報には敏感になっておく必要があるからな。
「それで、時間も遅いのだけど空き家を紹介してくれないかしら?」
「空き家・・・ですか?」
「そ、そこのアールと一緒にいる四人の子と一緒に住むの。出来れば広い空き家があると嬉しいんだけど」
「そうですね・・・町の中だと六人で住むにはちょっと狭い空き家しか残っていませんね」
パラパラと紙束をめくり、ギルド受付の女性はマイの要望にあった空き家を探してくれた。が、残念なことに町の中に要望が叶う場所は無いらしい。あくまで町の中には・・か。
「町の外ならあるのね?」
「えぇ、一応ありますけどモンスター除けの結界の範囲外なので安全とは言えませんね」
「そこでいいわ。自前で結界は用意できるから」
「なら大丈夫ですね。こちらになります」
「皆も見て。間取りくらいはちゃんと確認しないとね」
そう言われて俺たちも差し出された家の見取り図を見る。広い平屋でこのサイズだと3LDKくらいはあるんじゃないか?
寝室に一部屋使って、リビングと台所はここ。空いてる部屋の使い方は追々決めていけばいいとして広さは申し分ない。小さいながらも庭まである。自己鍛錬の場所としても使えるからいい物件じゃないか。
「・・・私たちはよくわからないから。とりあえず寝れるならここでいいよ」
ハルナの言葉に皆相槌を打ってくれたので俺も異議なしの言葉を贈る。
「じゃぁここにします。いくら?」
「古い空き家ですので掃除や整備も必要なので230万Gです」
「自分で掃除とかするから安くできる?」
「それでしたら200万Gまでお値引きできますね」
「それで買うわ」
「わかりました。では契約書を作りますね」
「なぁ、とうさん。よくわからないんだが200万Gってどれくらいなんだ?」
「・・・俺の総資産の20倍以上」
「・・・すごいって事だね」
「えへへ・・・私たち実はお金持ちの仲間入りだったんですね」
ソウダネ。
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契約を終えて俺たちの新しい住居までの地図を頼りに、町の外に出た。ちらほらとモンスターの姿は見えるが『近づいてきたら殺すぞ』と威圧したら全員ビビって逃げてったので問題ない。
「・・・ここ?」
「えへへ・・・ここですね」
「ここか・・・私たちが住んでいたあの家よりは綺麗だ」
「おっきいな」
アキハ達は満足げだが、俺とマイは不満たらたらである。確かに整備が行き届いていないとは言っていた。けど木の根が巻き付いているのは聞いてない。
なんちゃってツリーハウスモドキという奴だが、扉を完全に根が抑え込んでしまっている。この感じだと家の中にも根は張り付いているだろう。
「・・・鍵穴も使い物にならないわね。完全に根っこが入り込んでる」
「マジでか」
「アール。仕方ないから扉を斬って。ついでに中に入ったら根っことか葉っぱも全部斬ってもらえる?」
そうだな。現物視ないで決めたのは俺らだし、文句は言えないか。出来るだけ直しやすいように斬ろう。
「しゃーない。フユカ、ギュッ」
「はい。えへへ・・・」
マイポジの俺の背中に乗ってるフユカに捕まるように言って片手を空け、『シマカゼ』を抜く。出来るだけ根っこだけを切るように刃を入れてサクサクと切っていく。
「な・・・なにか手伝えることはないか?」
「あぁ、大丈夫。アキハは見ててくれればいいよ」
「で・・・でも」
「・・・いいって言ってるんだし任せれば?」
「ハルナ・・・」
「そうそう。こういう荒事はアールに任せちゃっていいんだよ」
「扉斬れたよ。開けるぞー」
一応呼吸を切り替えて気配の確認。足音、振動の確認良し。反応は無い。中に住み着いたりしているモンスターはいない。ついでに周辺の確認もしておく。今の所大丈夫そうか。
「ふん!」
「・・・蹴り飛ばしたね」
「蹴り飛ばした」
「蹴ったな」
「蹴ったね」
「蹴りましたね。えへへ・・・」
扉が機能してなかったんだもの仕方ない。ともかく中に入ることは出来た。さて、中の掃除もしてしまおう。入ってすぐだが結構根っこやら枝葉が見えている。さっさとやってしまわないと今夜は野宿だ。
「アキちゃん達はアールが切った枝葉を外に捨てるお仕事をまずはお願いするよ。出来る?」
「・・・ん」
「出来る!」
「任せてほしい。フユカ。お前も降りて手伝おう?」
「えへへ・・・そうですよね・・・ちょっと残念ですけど降りますね」
「それじゃ、始めよう。我が家最初の大掃除だ」
「皆でやって綺麗にするよ!おー」
「「「「お・・・おー!」」」」
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約二時間ほどだろうか。木の根を切り落とし、枝葉を落としながらダメそうな壁も切り抜きとりあえず外に運ぶ。修復系はマイがその系統の魔法を使えるのと事だったのでお願いして、俺はダメな部分と邪魔な木々の伐採。アキハ達はマイの手伝いをすること大体それくらいが経過した頃。案外早く住むだけなら問題ない範囲まで家の中が片付いた。
「「「「おぉ・・・」」」」
「間取りは悪くないね。台所は明日以降またやるとして今日はここまでかな」
自分たちで綺麗にした家に感動しているアキハ達と明日以降の予定を組んでいくマイ。俺はアキハ達が運べなかった残骸を家の外に出す往復作業中だ。
「アールも今日はもういいよ。ベット出すからどうするか決めよう」
「あいよ」
寝室に決めたのは外が良く見える部屋だ。大きな勝手口もあり、庭との出入りにも使えるだろうが、寝て起きた時朝日を体いっぱいに浴びて起きられるのもここなのでここは寝室決定だ。
「日当たり考えたら・・・ここにこうだね」
「だな。庭への出入りは向こうのリビングからに限定することになりそうだけどいいよな?」
「勿論。じゃあ出すね」
アイテムポーチに仕舞いこんでいるアイテムは基本的に手を入れて取り出す方式だが、大きいものは出す場所を指定して魔法を使うようにポーチから取り出すのだ。マイ曰くその場所指定が最初の内は難しいらしい。
ポンポンと取り出されたキングサイズのベット二つ。きっちり隙間が埋まるように取り出されたので微調整の必要はなさそうだ。
「「「「・・・・!!!!」」」」
目を輝かせるのはアキハ達。ギルドで借りてたベットよりもはるかに広く、フカフカなベッドを見てそわそわしている。
「弾力性は抜群だし、いつでも直せるから好きに使っていいよ?」
「・・・つまりどういう事?」
「ウフフ。さぁ皆、アールが晩御飯作ってくれるまでこのベッドで遊ぼう!!!」
ベッドにダイブするマイはその弾力に身を任せぴょんぴょんとベットで跳ぶ。それはもう楽しそうに。遊園地とかであるバルーンハウスあるだろう? この光景はまさにそれだ。流石最高級ベッド。凄く弾む。
「はぁぁぁ!!! 楽しそう!! わーい!!」
「こ・・・壊しちゃうだろう・・・!!!」
「えへへ・・・でも姉さん。楽しいですよ?」
「・・・悪くないね」
マイのようにぴょーんとダイブしたミナツに控えめに跳ねるフユカ。跳びはしないものの座って心地よさを体感しているハルナ。唯一遊んでいないのは長女ポジのアキハだけだった。
年齢も一番上だからもうそういうのは恥ずかしいのかもしれないな。そこにさらに年上のほぼ二十代が一番子供っぽく遊んでるけど。
「じゃあサクッとご飯作るな? ハルナ達のこと頼んだ」
「了解~お願いしまーす! わっふーい!!」
俺は外でとりあえず今日の晩御飯作るとしましょうかね。食材に関しては俺が持っているもので足りるし、実はアウトドアグッズみたいなアイテムを見つけて買っちゃったのだ。
丁度所持金で買えたのでこれは完全に俺の為のアイテム。これを使って今日はみんなの晩御飯を作らせてほしいとマイにお願いしていたのだ。マイも今日はお店で済まそうと考えていたらしいので丁度良かったと言ってくれたし。
外に出て取り出すのは薪ストーブ型。しかも上に焼き台、下にかまど付きのTHEキャンプ道具って感じのいい奴だ。それから食材を入れる容器にお皿、あとは晩飯の食材をトントンっと出してだ。うーん悪くない。
まずは火を起こしてっと。薪は無いが燃やす木や枝葉はたくさんある。これを使わない手は無いだろう。風向きを考えて家に火の粉が行かない場所に設置しつつ燃えやすいように木のクズをナイフで作ってっと、あとはフェザーステックなんて作ったりしてっと。
「わ・・・私は何か手伝えるだろうか?」
「・・・私も遊ぶつもりないから手伝うよ」
火おこしの用意をしているとアキハとハルナがやって来た。どうやら遊ぶつもりは無いらしい。
「そう? せっかくだから手伝って貰おうかな」
「わ・・・わかった! 何をしたらいいだろうか!?」
手伝えると聞いてアキハは嬉しそうにしていた。手伝いに楽しさを見出したのかな?
「じゃあアキハはそこにある根っこをこの火口に入るように折って欲しいんだ。折れなかったらこの鉈を使って切ってくれ。引っかかったらすぐに教える事。はい手袋」
「任せてくれ! えっとこのくらいでいいだろうか?」
「うん。それくらい。沢山作ってくれ」
「任せろ!!」
「・・・私は?」
「ハルナはそこにある食材全部千切って欲しい。固いのは無いはずだから全部食べやすいように千切ってくれ」
「・・・野菜とかばっかり・・・肉とか魚は無いの?」
「このプニプニしたのが肉を挽いて動物の腸に詰めた肉だよ。生だからまだ食べれないけど」
「そう・・わかった」
「腹壊すから本当に食べるなよ?」
「流石に食べない。ちゃんと火を通さないと危ないから」
「と・・・父さん。すまない鉈が引っかかった・・・ごめん」
「いいって気にすんな。どれどれちょっと失礼っと。セイ」
「切ってしまった。父さんは凄いな」
「アキハもいつかできるようになるよ。続き頼むな?」
「わかった」
さて、優秀な手伝いも来てくれたことだし晩御飯頑張っちゃおうかね!
ーーーー
「出来たぞー!」
「ハーイ! ナツ君フユちゃんご飯だ! いくよ!」
一時間くらいで夕食は出来上がった。ついついジャンル違いの二品を作ってしまったがキャンプ飯みたいな感じでテンションが上がっていたので許してほしい。
「・・・アキハ、ずっと見てるけどなに?」
「ハルナがつまみ食いしないか監視してるんだ」
「・・・チッ」
「やっぱりする気だったんだな」
だからアキハは出来上がってからずっとハルナの事見てたのか、どうしたのかと思ったらまさかつまみ食いの監視とは。
「おまたせー!! おぉ!! おっきなピザだぁ!! スープまである!!」
「っっ!! 初めて見る食べ物だ!!」
「え・・・・えへへ・・・美味しそうですね」
作ったのは野菜とウィンナーとチーズをたっぷり使った手作りピザとチキンスープだ。上の焼き台に鍋を置いて、かまどでピザを焼く。形通りの使い方をしたわけだ。ここに炭酸水なんてあれば最高だがアキハ達の栄養も考えてお手製のリンゴジュースにした。
「切り分けるから少し待ってな。マイ、悪いけどスープ頼む」
「わかったよ」
「・・・マイさん。私お肉多めで」
「お母さんかマミーって言ってくれたらいいよ」
「・・・マミー。お肉多めで」
「あーかわいい!! 任せて多めにしてあげる!」
「えへへ・・・マミーさん。私もお肉たくさん食べたいです」
「あ、ずるい俺もお願いマミー!」
「ニャハハ!! マミーに任せて! 皆たくさん食いなさい!!」
「わ・・・私は普通でいい。あ、父さんそれ運ぶよ」
「頼んだ」
そんなやり取りをしつつ全員にピザとスープが行き届いたのを確認して。
「いただきます」
「いただきます。はい皆も見様見真似でいいからやってね」
「「「いただきます・・・?」」」
「・・・ん」
ハルナはフライングしたな。我慢できなかったのかぁ。可愛い奴め。一口目がスープの肉だった。
「ん!! んまい!!」
「おいひいでふ!!」
「不思議な味だが美味しい」
ピザはなかなか好評だった。良かった良かった。あ、いつの間にか俺の隣に陣取っていたハルナが俺のピザからウィンナー持っていきやがった。アキハはご飯に夢中で気づいていない。この卑しんぼめ。
「ほらハルナ、あーん」
「・・・あむ」
ウィンナーと一緒に野菜を乗せてピザを食べさせる。文句言わずに食べられてえらい。でも今度は自分で野菜食べてね?
「ほら、野菜も悪くないだろう?」
「・・・肉と一緒ならまぁ」
「じゃあ二口目だ。ほれ」
「・・・ん」
こういう時は素直にご飯食べてくれて可愛いんだけどな。野菜だけだとこの子絶対に食べようとしないんだよな。
「よく噛んで食べるんだよ。ゆっくりね」
「ふぉーい!」
「ミナツ! 口に入れすぎだ! たくさんあるんだからもっとゆっくり」
「アキハは自分の分食べなよ。無くなるよ」
「無くならな・・・ハルナお前また野菜避けてるな!!?」
「えへへ・・・スープってこんなにおいしいんですね。前に作ったスープは美味しくなかったのでちょっとだけ心配でした」
「私たちが作る物よりおいしいのは当然だろうフユカ! 父さんに悪いだろ!?」
「いいよアキハ。それよりもほら。あーん」
「いやそういう話じゃ・・・・むぅ・・・あむ」
「ナツ君とユキちゃんには私があーんしてあげる。何がいい?」
「このトロってしてるの!」
「私はなんでも・・えへへ、おいしいので」
皆さんはアキハ、ミナツ、フユカ、ハルナの誰が好きですか?感想で教えてくれると嬉しいです。ではまた半月後に会いましょう。
それまでに感想くれると嬉しいです。




