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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
みんなで騒ぎましょう

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寝たふり

レア、ルリア、リアの三人を甘やかし満足げにしていたリウだが、数分ほどしてハッとしたのか少し顔を赤くしつつリアに尋ねた。


「そ、そういえば……リアはなんで来たの……?」

「あっ、そうでした。あのですね、お姉さま。ヴェルジアが私と一緒に来たがっ」

「無理」


リアの言葉を遮ってリウがそう口にした。

心底嫌そうな表情をしているリウに苦笑いを浮かべつつ、リアが話し始める。

ヴェルジアはリアの夫であり、創世神である。

それはリウもルリアも知っていることだが、しかしここにはそんなことは知らない一般人がいた。

レアである。


「あ、あの、リア様、それって、創世神様の名前……?」


おずおずとレアがそう尋ねれば、リアが一瞬だけピタリと動きを止めた。

そして、少し苦笑いしつつ肯定する。


「……そうですね。はい、ヴェルジアは創世神です。なんとですね、レアちゃん。私、ヴェルジアに見初められたんですよ。というか求婚されましたね。当時、それはもうびっくりしました。ただ、広まっちゃうと色々問題が起きる可能性があるので、他言無用ですよ?」

「分かりました!」


レアが頷いた瞬間、リウがリアを睨んだ。

そして、不機嫌そうな顔で告げる。


「あなたね、私があいつのこと苦手なの知ってるでしょう! 色々としてくれるから感謝はしているけれど……」

「それは言ったんですけどね……嫌がられるのは目に見えてましたし。お姉さまがヴェルジアのこと苦手なのは本人も把握してるみたいなんですけど……一緒に行くの一点張りで。それで説得してきてって送り出されたんですけど……やっぱり無理ですよね。無理そうなら連れてきてって言われたんですけど、そっちも無理ですよね」

「無理」

「うーん……じゃあ、ヴェルジアを説得する方法は一緒に考えてくれます?」

「あ、それはいいわよ」

「よかったぁ……」


リアが安堵の溜め息を吐いた。

リアの分の紅茶を淹れてきたリウがヴェルジアの様子を聞くと、すらすらとヴェルジアの状態を言い始める。


「えっとですね、土産話で満足してもらおうと思って土産話はたくさん用意するって私言ってみたんですよ。そしたら、ヴェルジアがやだやだって創世神とは思えないくらい駄々を捏ね始めましたね。もうただの子供ですもん」

「……大体、なんで来たいのよ? 別に大したことはしないのだけど」

「確かに……聞いてきましょうか?」

「お願いできるかしら」

「じゃあちょっと行ってきますね」


リアのことを見送ってからリウが視線を戻すと、なにやらレアが項垂れていた。

その隣でルリアがレアの背中をぽんぽんと優しく叩いている。

首を傾げるリウに気付き、ルリアが口を開いた。


「なんかね、ヴェルジア様のイメージ像が崩れ去っちゃったみたいだよ。それでこうなった」

「……レア、大丈夫よ。真面目なときはちゃんとしてるから。リアがいると一瞬でデレデレになるけれど……」

「あれはもはや詐欺だよねぇ。真面目に仕事してるところ見て様になるなぁとか思ってたら、リアが来た瞬間真面目な顔一気に崩して頑張ったから褒めてとかなんとか……見た目は大人な分余計酷いよね」

「そうね……メイリーに渡したら懲らしめられないかしら……」


そうリウが呟くが、それを否定するようにルリアが首を振った。


「メイリーって一緒に来てたエルフだよね。エルフのことだからどうせ服大好きなんでしょ? つまりヴェルジア様を着せ替え人形に……うーん、渡すことはできても懲らしめるのは無理だと思うよ? リアに見せに行きそうだもん」

「そうよねぇ……」


物憂げに溜め息を吐きながらリウがそう言うと、床に翡翠色の魔方陣が展開された。

リウが頬を引き攣らせ、急いでベッドに潜り込む。

ギリギリでリウがベッドに潜り込み終わると、深緑色の髪に翡翠色の瞳の高身長の青年――ヴェルジアとヴェルジアにお姫様抱っこされているリアがやってきた。

なお、リアは少しも顔を赤らめることなく降りようと頑張っている。

もしもお姫様抱っこされているのがリウならば顔を真っ赤にして暴れていることだろう。


「……あ、ヴェルジア様久しぶりぃ~」


なんとも気安い雰囲気でルリアがそう声をかけた。

ちなみにレアはヴェルジアのイメージが崩れてダメージを負わないようにというルリアの気遣いにより膝の上でぐっすりと眠らされている。

ルリアは睡眠属性の魔法も得意なので悪夢を見ることもなくすっきりとした快眠となることだろう。


「ん……ルリアか、久しぶり。……で、リウはなんで寝たふりしてるのかな」


どこか圧の籠った笑顔でヴェルジアが告げた。

しかし、ルリアはきょとんとした表情を作りヴェルジアに言う。


「えっ? リウ、ちょっと寝るって言って寝ちゃったよ? さっき確認したけど、ちゃんと寝てたし……」

「ふぅ~ん……?」


ヴェルジアがリウのベッドに歩み寄り、リウの耳元に顔を寄せた。

そして、微笑みを浮かべたまま囁く。


「今すぐ寝たふりやめないと攫うよ?」

「わひぃっ!? 待って待って待ってやめたやめた! 起きたから!」

「ふふ、やっぱり寝たふり。……となるとルリアも……」

「あれっ、リウ起きてたの? 僕はてっきり寝てると思ってた」


ルリアは思い切り責任から逃避した。

リウからの怨嗟の視線もなんのその。

そっとレアを膝から降ろし、魔法で去っていった。


「……さて、リウ」

「お祭りのことなら拒否するわ」

「勘がいいね」


ヴェルジアからそんな言葉をかけられて、思わず沈黙してしまうリウであった。

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