表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
みんなで騒ぎましょう
84/1100

裏面

精神的に疲労し、自室に帰ってきたリウはゆっくりとベッドに沈み込んだ。

数分も経てば、すやすやと眠り出す。

そんなリウの姿を扉の隙間から確認する者たちが居た。

ディーネとグアルディアだ。

二人は完全にリウが眠ったことを確認し、そっと手紙を取り出した。

精霊である二人は、視力もいい。

だから、気づいてしまったのだ。

あの手紙には、裏にもなにか書いてあることに。

リウは手紙を見たくなくて放り投げたのだから、チラリとも見ていないだろう。

見ていたら気が付いただろうが、彼女は見ていない。

わざわざ裏面に書くくらいなのだからどうせろくでもない内容だろうし、リウが見ていなくてよかったというのが二人の本音だ。

しかし、それはそれとして好奇心というのは湧いてしまう。

そういうわけで、二人はそっと扉を閉めて手紙の裏面を確認した。


『監禁して拘束してなにもできなくして依存してくれるまで二人きりで愛してあげたい全部僕に委ねて僕がいないと歩くことさえできないようにしてやりたい――』


あとは省くが、上記のような文が永遠と続いていた。

読みにくいほど文字が細かいのに手紙の裏面にびっしりと書かれた文字を見て、よくもまぁ語彙が尽きないなとディーネとグアルディアはドン引きしながら思った。


『コイツ本当に気持ち悪いんだけど……見なければよかった』

『そうですね。この文のせいで会ったときに殺意を我慢できるか怪しくなってきました』


殺意を湧きあがらせながらリウには絶対に見せないと決意しつつ、この手紙を消す、または隠す方法を検討し始める二人だった。



「んん~……」

『りーちゃんおはよー!』

「んひゃあっ!」


早朝にディーネに突撃され、リウが悲鳴をあげた。

困惑したような表情でディーネを見やり、少し後ずさる。


『りーちゃん、びっくりした? りーちゃんの精神的疲労を癒そうと思って驚かせてみた!』

「逆効果なのだけど!?」

『でもちょっと忘れれたんじゃない?』

「そう簡単に忘れれるなら苦労しないわよ……アイツが来るってことだけは忘れちゃいけないし。まぁ、時間が解決してくれるわよ。たぶん」

『えー……』

「なんで不満そうなのよ。ほら部屋出て。私仕事するから」


ディーネを押し退けてリウが執務室へと向かった。

その後ろ姿を見送り、手紙を大して気にしているわけではなさそうだとそっと安堵した。

ディーネが朝からリウを驚かせたのは手紙のことを誤魔化すためである。

一応確認、なんて行為をする可能性もあるのだからそういう思考をさせないように驚かしたのだ。

リウは朝からディーネに驚かされたということで気に取られることだろう。

とはいっても、ディーネかわいいとかそういう方向での〝気に取られる〟ではあるのだが。


『ひとまず、これでよし』


いい仕事をしたとディーネが自画自賛を行った。



場所は変わり、リウの執務室にて。

リウはいつも通りに仕事をこなしていた。

レアが時々整頓したりしながら仕事を行っていると、リウの執務机の前に藍色の魔方陣が現れた。


「リウやっほー! ……あ、レアだ……や、やほ……」


ルリアが突然やってきてリウに挨拶をした。

かと思えば、レアの姿を見るなり顔を赤くして縮こまってしまう。

そんなルリアを見て、レアは平静に微笑みながら挨拶を行った。


「お久しぶりです、ルリア様。お祭りはもう少し先ですが、なにかご用件でも?」

「……あ、あれ……リウ、レアってもっと子供っぽかったような気がするんだけど」

「大丈夫、お仕事モードなだけよ。レア、普通に素で接したら? ルリアも困惑してるし」

「えっと……いいんですか?」

「いいわよ。元より強制してるわけじゃないし。というか普段も素でいいのよ? ただ、お客様が居るときだけちゃんとした態度でねとしか話してないのに普段からちゃんとした雰囲気でやっててびっくりしたくらいだわ」

「僕はお客様じゃないの!?」

「お客様だけど、あなたはもうレアの素を知ってるじゃない」

「あ、そっか」


ルリアが納得したように頷いた、その瞬間。

レアがルリアに抱きついた。


「え、えっ、うわぁあああっ!? なになになに!?」


驚いて声をあげるルリアにレアがしがみつく。

そして、レアが満面の笑顔を浮かべた。


「ルリア様っ! 国認祭、楽しんで下さいね!」

「へ? あ、うん。それは楽しむけどなんで急に抱きついて……?」

「えへへ、それはですね……最近リウ様もディーネ様も忙しそうで中々抱きつけないからです!」

「僕は暇そうってこと!?」

「……時間があるから来たんじゃないんですか?」

「そうだけど!」

「ルリア、それを暇って言うのよ」


リウに指摘されてルリアが撃沈した。

涙目で〝暇じゃないもん……〟と訴え出す。

見た目だけなら幼女を泣かせている構図になってしまっているので、なんとか宥めてからリウは改めてルリアに要件を尋ねた。

すっごく今更なんですけど、タイトル変えようか迷ってます。

100も近くなってきましたし、今更変えるのってどうなんでしょう……

まぁとりあえず、変えるかもっていうお知らせです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ