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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
国を作りましょう
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のんびり

早めの更新どーん

パーティーが終わり、上機嫌でルリアが自分の部屋に帰っていったあとディーネはリウとレア、そしてメイリーと向き合っていた。


『三人とも、ありがと! ルリちゃんと昔みたいに色々話せたよ!』

「よかったわね、ディーネ。これからは気まずい思いとかせずに話せそう?」

『うん! ……いや、少しは気を遣っちゃうかもしれないけど……その内慣れるよ!』

「よかったですね、ディーネ様! 私も頑張りましたよ!」

『れーちゃんありがとー! 主催はれーちゃんだもんね、お疲れ様でした!』


ニコニコと笑みを浮かべながらディーネが言うと、レアがディーネに飛び付いた。

思い切りレアに抱きつかれるディーネを見て二人が和み、満足するまで眺めてからメイリーも胸を張り私も頑張ったと言わんばかりの態度でディーネに話しかけた。

若干うざったく感じつつも、頑張ったのは事実なのでお礼を言うディーネ。

すると、メイリーがレアごとディーネを抱き締めようとしてリウに後ろへ投げ飛ばされた。


「ひ、酷い、ですよぉ……リウ、さ、まぁ……」

「……この巨乳め……」


メイリーの文句を聞き、リウが呟いた。

どうやらメイリーが胸を張ったことによりその巨乳が強調されてしまい、それを妬んだリウがメイリーを投げ飛ばしたという流れらしい。

リウの呟きを聞いてそこまで把握したディーネがレアから離れ、リウの頭を撫でながら〝りーちゃんは充分可愛いんだから気にしなくても大丈夫だよ〟とリウを宥める。

リウは子供扱いされてむすっとしてしまった。


『もー……りーちゃんは気にしすぎなんだってば。ほら、とりあえずお風呂入ろー』

「……くすぐったら服没収してお風呂場から追い出すから」

『や、やらない! ごめんごめんごめんなさいやろうと思ってたの謝るからぁああああ!』


リウが無言でディーネに迫るとディーネは謝りながら脱いだ服を畳むことなくお風呂場へと逃げていってしまった。

ディーネを凝らしめることが出来たと満足げな笑みを浮かべ、リウが散乱するディーネの服を畳んでからお風呂場へと向かっていった。

残されたレアとメイリーはしばらくリウの後ろ姿を見つめ、聞こえてきた悲鳴を聞いて予想通りとばかりに微笑みながらリウに続いてお風呂場へと向かっていくのだった。



お風呂から出た四人は大きなベッドの上で、思い思いに寛いでいた。

リウは自分で淹れた紅茶を嗜み、レアはベッドの中に潜り込んでうつらうつらとし。

ディーネは気紛れにリウに後ろから抱きついたり、レアの頭を撫でたり、本棚で見つけたらしき衣装関係の本を読んでいるメイリーの横で本の内容を覗いてみたりしていた。

大好きな衣装のことだからか、それとも元々読書は好きなのかは分からないがメイリーは読書に熱中しているらしく度々覗き見をするディーネを気にする様子はない。


「……ディーネ」

『んー? なにー?』

「あなたも早めに寝なさいね。寝なくても問題無いとはいえ、寝た方がいいことには変わりないんだから」

『分かってる。りーちゃんはまだ寝ないの?』

「私は書類を片付けるから」


リウがそう言って書類仕事をする準備をし始めると、ディーネがメイリーの傍に行き、服の裾を軽く引っ張りながら声をかけた。


『メイリー、ちょっといいー?』

「はいぃ……? ディーネ様ぁ、どうかいたしましたかぁ?」

『りーちゃん書類仕事始めたしたぶん寝ないつもりだと思うから、メイリーが寝るときにでいいからそろそろ休憩にとか言ってやめさせて、抱き締めて無理矢理寝させてくれると嬉しいんだけど』

「あぁ……はいぃ、了解しましたぁ。しっかりと達成させていただきますねぇ」


メイリーが頷き、チラリとリウに視線を送るとリウが首を傾げた状態でディーネとメイリーを見つめていた。

少し驚きつつもとりあえず微笑んでおくメイリー。


「なにを話していたの?」

『ん? りーちゃんの話』

「……変なこと言ってないでしょうね……」


書類に集中していたのか、簡単にディーネの言葉を信じたリウが微妙そうな顔で視線を書類に戻した。

ディーネが少し安堵したように息を吐き、メイリーに〝頼んだよ〟と囁いてベッドに潜り込んだ。

バレたら確実に眠らせることはできないので、ボロを出す前に眠ってしまうことにしたのだ。

そして、約一時間後。


「ふあぁ……リウ様ぁ、そろそろ休憩を挟んだ方がいいんじゃないですかぁ?」

「あら……? もう一時間後経ったのね。丁度いいし休憩にしましょうか。眠そうだし、あなたはもう寝なさい」


書類をしまいながら告げられたリウの言葉にメイリーがにやりと笑みを浮かべ、素早くリウに近付くと思い切り抱き締めた。


「ひゃっ!? なにするの!?」

「おやすみなさいですよぉ、リウ様」

「ま、待って、なんで抱き締めたまま毛布に潜るの! あと胸ぇ!」

「ディーネ様に頼まれましたのでぇ、大人しく眠って下さると嬉しいですぅ」

「そ、そんなこと言われても……!」


最初はそう言って困った表情をしていたリウだが、時間が経つにつれ身体が暖まり、眠たくなってしまい数十分も経つ頃にはすっかり熟睡してしまうのだった。

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