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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
国を作りましょう
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一緒に入浴

ルリアの国、シェイタンガンナの一室で、リウ、レア、ディーネ、メイリーがくつろいでいた。

リウが淹れた紅茶をちびちびと飲みながらディーネが話しかけた。


『ルリちゃん、忙しいのかな。そ、それとも嫌われちゃったんじゃ……』


そんなことを言うディーネに苦笑いを浮かべ、リウが微笑んだ。

ディーネの頭を撫で、口を開く。


「別に気にしなくてもいいわよ。ルリアは普段仕事してないから、参謀辺りに脅されたんでしょう。ええと、そうね……国が駄目になってもいいのかとか、おやつを全部苦いものにするぞとか……そんな感じの」

『前者と後者の差が凄いんだけど……仕事してなかったからさせられてるってこと……?』

「まぁ、そうでしょうね。あの子、一応色欲の大悪魔だからって男探しとかしてるらしいし……まぁ一度も捕まえられたことはないらしいけれど」


あの外見では当然である。

ちなみにいい雰囲気になったとしてもルリアは恥ずかしがって逃げ出すので色欲の大悪魔らしいことは一生出来ないことだろう。

ちなみに色んな知識だけはある。

ルリア曰く〝事前情報とかは大事だから!〟らしい。


『ううぅ、ルリちゃんが穢れちゃうよぉ』

「あんな照れ屋じゃ無理じゃないかしら。私としてはディーネの方が心配だわ。イルム王国で純粋な男の子たちを次々と惚れさせるんだもの」

『そんなことしてないよ!』

「無自覚なだけよ。……余計に性質(たち)悪いわね」


リウが溜め息を吐いた。

黙って二人の会話を聞いていたレアがちょいちょいとリウの服の裾を引っ張る。


「あら……レア、どうしたの?」

「その、ルリア様……でいいんでしょうか。ルリア様とディーネ様はどんな関係なんですか?」


ディーネを気にしてレアが小声で尋ねた。

メイリーが気を遣ってディーネに構いに行く。

メイリーはリウと同じく着せかえ魔なところを除けばただの優しいお姉さんなので一応好かれてはいるのだ。


「んー……知ってはいるけど、私が話せることじゃないわね。聞くならディーネかルリアに聞いた方がいいと思うわ」

「……ちなみに、どっちだったら話してくれそうとかありますか?」

「そうね……どっちもどっちだと思うわ。聞いてみるのはいいけど、本人たちがずっと引き摺ってることだからデリケートな問題だと思うし、あんまりしつこく聞かないようにね」

「そう、ですか……はい、しつこくは聞かないようにします」


レアがしゅんとし、こっそりと聞き耳を立てていたメイリーも肩を落とした。

そんな二人にメイリーに構われていたディーネが首を傾げる。

しかし、すぐにまぁいいかと放置をすることに決めたディーネは、苦笑いしているリウに甘えに行った。


『りーちゃん構ってぇ』

「はいはい。……そういえば、お城に浴場ってなかったわね……帰ったら大浴場創りましょう」

『わぁい。あっ、りーちゃん私お風呂の大きさ見てくる!』

「そう。いってらっしゃい」


ディーネがお風呂場に向かった。

リウが微笑ましげにその後ろ姿を見送ってから話してくれなくて落ち込んでいたレアとメイリーの様子を窺う。

既に復帰して仲良く談笑していた。

リウがその談笑に混ざって話していると、ディーネが帰ってくる。

仲良く談笑する三人の姿を見たディーネがぷっくりと頬を膨らませた。


『三人共私が居ない間に盛り上がらないでよぉ! 私も入れて! ……あ、お風呂みんなで一緒に入れそうだったよ! 大きかったもん!』

「あら、そうなの。じゃあ入るときはみんなで入りましょうか」

『うん!』


四人がしばらく談笑を続けていると、レアが少し眠たくなってきたようだ。

それに気付いた三人がお風呂に入って寝ようとレアに言い、現在は四人でお風呂に入っている。


『暖かいぃ……』

「ふふっ、そうね」

「リウ様、私寝ちゃいそうです……」

「私もですよぉ、レアちゃん。暖かいですもんねぇ」


ディーネはリウの腕の中でくつろぎ、リウはそんなディーネに微笑み。

レアはメイリーの隣に座り込み、だらんとした状態でお風呂を堪能していた。


「リウ様ぁ、良いこと思い付きましたぁ。みんなで洗い合いましょうよぉ」


メイリーの言葉に全員が賛成し、湯船から出たは良いものの誰が誰を洗うかで少し揉めた。

存分に話し合って決めた誰が誰を洗うかだが、リウはメイリーを洗い、メイリーはレアを洗い、レアはディーネを洗い、ディーネはリウを洗うという構成になった。

現在はリウがメイリーを洗っているのだが――


「……チッ」


リウが舌打ちを零した。

これで4回目である。

舌打ちはメイリーの胸辺りを洗う際に零れている。

メイリーの胸は豊満で、対してリウはつるぺた。

……そういうことである。

メイリーを洗うのが終わり、レアがディーネを洗うところまでは平和に終わった。

しかし、ディーネがリウを洗う番。


『ここ? ここくすぐったい?』

「ちょっ、やめっ……ひゃあっ! あはっ、んふふ……や、やめて……」

『れーちゃん、りーちゃんの弱点見つけたよ! ほらメイリーも弱点探して!』


リウがディーネに洗われながら全員にくすぐられていた。

ちなみにくすぐられ始めてから結構経っている。


「んんんんんん~~~~~ッ!! あふっ、く、くすぐった……いい加減にしなさい!!」


結局、くすぐりでのからかいはリウがキレるまで続くのであった。

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