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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
国を作りましょう
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純血竜にご挨拶

前半ほぼ説明しかないです

セラフィアの実家に泊まらせてもらって夜を過ごしたリウ、レア、フローガ、セラフィアの四人は、セラフィアの両親に折角ならと朝食に誘われ、食事を共にしていた。

メニューは野菜たっぷりのスープと外サクサク中ふわふわの焼きたてパンである。

セラフィアの母親はふわふわとした長く青い髪に金色の瞳の女性の姿をしていて、名をトネール。

愛称はネールらしい。

そして、セラフィアの父親は濃い緑の髪に同色の瞳の男性の姿をしていて、名をヴァン。

レアもだが、純血竜は親の造形は似通うが髪や瞳の色が受け継がれることはない。

何故なら、竜とは属性によって色が変わるからだ。

火ならば赤、水なら青といった具合に。

それ故に、竜は髪と瞳が同色である場合が多いのだ。

ヴァンの緑は風、フローガの緋色は火の上位互換の炎の更に上の階級の火炎である。

炎の場合は紅だったりする。

セラフィアの薄緑は治癒という居なくもないがかなり珍しい属性の竜である。

ブレスはポーションや魔法での回復を阻害する効果がある。

更に、ブレスでの回復も出来るのだから味方としては非常に心強い存在である。

そして、竜は二属性を持って生まれる場合がある。

ネールやレアがそれに該当し、ネールは水と雷。

レアはリウでも初めてみたほど珍しい無属性と空間だった。

どちらも稀であるが、無属性は異端児と言われていてもおかしくないくらい稀だった。

空間は、リウも話には聞いたことはあった。

だが、無属性というのは見たことも聞いたこともなかったのだ。

そもそもの話、竜とは何かしら属性を持って生まれてくるものなのだ。

レアの銀色はまさに異常と言えよう。

なら、無属性とは属性がない状態なのかと言えば、そうではない。

無属性とは、属性が存在していない状態の具現化した魔力に等しい。

説明が難しいが、無という名の属性なのだ。

実際、無属性魔法というのは存在する。

〝身体強化〟などがそれに該当するし、魔法としては無属性はそのまま攻撃とすることは出来ないがレアは竜なので無属性のブレスも吐くことが出来るだろう。

というか、無属性というのは耐性が存在しないのでそういう意味ではとても強力である。

唯一無属性に耐性を得られるのは〝魔法無効〟という魔法そのものを無効化するもののみなので、無属性に対抗手段というのはほとんどない。

〝魔法無効〟など、それこそ神が所持しているものなので実質対抗手段は0なのである。


閑話休題。


ネールとヴァンと共に朝食を終えると、ヴァンは仕事に行くので暇だというネールをガイドとして住民勧誘のための挨拶回りに向かった。



セラフィアの故郷には所謂亜人がたくさん暮らしているのだそうだ。

猫耳族や犬耳族などの獣人に、エルフやドワーフ。

人では無いが人に近しい者が住んでいるのである。

ネールを含めた五人が向かったのは、というか元から居たので最初に挨拶することになったのは純血竜たちが暮らす場所。

族長は昨日の長老なので、挨拶は必要ないらしい。

五人はしばらく一緒に歩いていたが、セラフィアがお世話になった家に挨拶に行くということでリウが気を遣って別行動をすると言い出した。

セラフィアがいれば迷うこともないだろうとネールはリウと一緒に歩くことにして、セラフィアたちは知り合いの挨拶に出向き、リウたちはのんびりと散歩しつつの挨拶をはじめた。

……のだが。


「金髪の方ぁっ、僕とお付き合いして下さい!」

「ごめんなさいね。私そういうの興味なくて」

「ああっお声もなんと可愛らしく麗しい……! あぁああ! 良ければお名前を!」

「リウよ」


先ず、見知らぬ若い男に告白され、断れば名前を尋ねられて答えれば近くに居た者、性別年齢に関わらずにリウという名を脳に刻むように繰り返される。

そして、違う男性が現れ、


「奴隷になって下さごふッ!?」

「あら、ごめんなさい。手が勝手に動いてしまって。うふふ、困ったわぁ」


何故か敬語で奴隷になって下さいと頼まれてリウが反射で男性のお腹を殴り、わざとらしく困ったと微笑み、


「踏んで下さい!!」

「えっ」


別の男性が這いつくばりながら告げた言葉にリウが素でドン引きし、


「リウちゃん様親衛隊に入りたい人はリウちゃん様が作っているという国に移住するんだッ! リウ様に踏まれ隊やリウ様を信仰し隊もだッ! あと――」

「リウちゃん様ってなに!? なんの隊なの!?」


幾つも生まれていた謎の組織にリウが絶叫した。

もう既に涙目である。

リウは見た目こそ少女そのものだが、悠久の時を生きているのである。

そこで、この初めての経験だ。

涙目でぷるぷるするのも仕方無い……かもしれない。

リウは身長が低めで美少女なのでかわいいだけである。

ぷるぷるしているのでリウの長い髪が揺れている。


「……ネール」

「な、なんでしょう、リウ様」


突然涙目の瞳を向けられ少したじろぎながらも返事をするネールに、リウが若干幼児退行しながら告げる。


「もう、かえりたい」


膝を抱えながら投げられた言葉に、ネールは答えた。


「家で集合ですし、一足先に帰りましょうか」

「……うん……」


消え入りそうな声で返事をして、リウはネールの家へと二人で戻っていくのだった。

リウちゃんは超絶美少女なのでこうなりました。

竜についての説明に半分使うことになるとは思わなかったw

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