セラフィアの故郷
ちょっと変更しました。
レアの目の色 青→空色
フローガの髪色と目の色 赤→緋色
セラフィアの髪色と目の色 緑→薄緑
早くリウちゃんが困難ぶっ飛ばしたり頑張りすぎて止められるの書きたい……
国を作るにあたって深刻な人材不足が明らかになった仮称純血竜の国。
早くもその現実に直面してリウは頭を回転させていた。
……ちなみに、リウは直面しなくても人材不足は理解していた。
役職決めを優先しただけである。
純血竜達は浮かれていて理解していなかったが。
「えーと、人材不足を解消するためにはとりあえず住民を増やすことが必要よね。そのまま労働力に繋がるわけだし。それと私が適当に冒険してた頃に見つけた宝石とか売れば資金にもなるから、国にも行きたいわね。少し離れるけれどイルム王国辺りの方がいいかしら」
「リウ様、帝国じゃ駄目なんですか?」
思考を纏めるためと、ついでに純血竜にするべきことを伝えるために口に出していたリウの独り言に反応してレアが尋ねた。
「駄目ではないけど、帝国って治安悪いのよね。だから、正当な値段で売ることが出来ない可能性があるのよ。帝国よりは遠いけど、イルム王国もそこそこ近いし。イルム王国は小さいけれど腐っても情報国家。あそこの情報網は素晴らしいものだわ。情報網が国にも張り巡らされているから治安はいいし、正当な値段で売れるでしょう」
「あの国って、情報国家なんですね!」
知らなかったらしく、無邪気にそう告げたレア。
リウはそんなレアを微笑ましげに見つつ、思案を続ける。
「商人のコネは将来的には欲しいけれど……何か切っ掛けがないと無理ね。そう簡単には手に入らないでしょうし。住民の方は、この森に何か住んでいないの? 純血竜じゃなくても、自我と知恵のある何か」
「あの、それでしたら……私の故郷などどうでしょうか。純血竜の他にも、様々な種族が協力して暮らしています」
セラフィアが手を上げてそう告げた。
実は、フローガとは縁談で出会って仲良くなりこの里に嫁いだらしい。
リウは少し恋愛の話を聞いてみたくなったが、我慢してセラフィアに告げた。
「それなら、一先ずセラフィアの故郷に出向いてみましょうか。協力してくれるかは分からないけど……案内はお願いするわね。で、私とセラフィアは確定でいいわよね? あとは誰か行く?」
「たまにはセラフィアのご両親に挨拶でもしようか。私も行かせて下さい、リウ様」
「フローガもね。他は――」
「あっ、あの! わ、私もお母様のご両親に会ってみたいです! お祖父様とお婆様ということですよね? お母様の娘として、あ、挨拶くらいっ……!」
レアが声を張り上げた。
声が震えているので、緊張しているらしい。
「私はいいけれど。セラフィア、フローガ。どうする?」
「そうですね……お父様もお母様も、温厚な方ですから大丈夫でしょう。レア、お父様とお母様、それとリウ様から離れちゃ駄目ですからね。」
「はい! お父様とお母様とリウ様からは離れません!」
「……ということで、リウ様。レアもよろしくお願い致します」
「ええ。帝国から提示されたタイムリミットは三年だったわよね。時間はあまり多くないわ。早速行くわよ」
リウがそう告げて一旦解散にすると、フローガとセラフィア、レア以外は自分の家へ戻っていき、リウを含めた四人はお土産として里で育てた果実を持ってセラフィアの故郷へ向かった。
◇
何かアクシデントが起こることもなくセラフィアの故郷に辿り着いた四人は、セラフィアの両親の元ではなく長老の元に案内されていた。
協力を求めるのだからそれでもいいのだが、先にセラフィアの両親に挨拶をする予定だったので少し困惑している。
といっても、長老の側にセラフィアの両親も居るので何も問題はなかった。
「久しいのぅ、セラフィア」
「はい、長老。それで、何故私たちは長老の元へ?」
長老の言葉に堂々とした佇まいで答えたセラフィアは、早速と言わんばかりに本題を尋ねた。
長老は青い髪に青の瞳の少し老けた中年男性と言った外見をしており、喋り方は完全に老人のそれである。
「やはり、そちらにも帝国の使者が来ているのかの? それで助力を求めに来た、ということか」
「……はい。願わくば、助力頂きたいです」
「そちらの少女は――」
「悲劇女王、魔王リウ・ノーテルよ。この子……二人の娘、レアに出会ったからついでに里を助けてあげて、帝国から守るために国を創って治めることになったの。あの里に住む純血竜たちの主ということになるわね」
自己紹介のあと、簡単な状況説明を行うリウ。
柔和な笑みを浮かべてはっきりと主と口にした。
「帝国から守るため……やはり、提示されたのは同じ条件で良さそうですな? 魔王様」
「里の敷地を帝国に譲れ、帝国の民にならないのならば追い出す。里を守りたいならば三年の間に国を作れ。要約すればこんな感じかしら?」
「そうですなぁ……儂としては協力は吝かではありません。が、若者はどう思うか……」
「あぁ、それなら平気よ。そういうのの思考は〝弱い奴に従いたくない〟というものだもの。私の名を示して黙るのならよし。黙らないのなら、模擬戦でもして力を示せばいい。もし若者がうるさいようなら任せて頂戴な。それで、協力はどのように? 国として統合する? 人材の派遣? 資材を一部譲渡?」
「この場所は、みなで協力しつつも各部族が好きなように暮らしています。なので、個人の好きなようにさせて頂きたい」
「それくらいはいいわよ。無理矢理だなんて、それこそ帝国みたいだし」
苦笑いしつつのリウの言葉に、長老は嬉しそうな笑みを浮かべた。
リウは、無理矢理というのが嫌いなのだ。
それから四人はセラフィアの実家にお邪魔し、夕方になっていたので翌日に各部族に挨拶をする予定を立てた。
唯一男性であるフローガは別部屋で一人寂しく過ごし、三人は女子会を開き、翌日に一波乱あることも知らずに深い眠りへと落ちていくのであった。




