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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
国を作りましょう
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リウのギフト

19話〝リエラの確認〟より


リウの『明後日はよろしくね』という台詞の『明後日』を『明日』に修正しました。

城下町に噴水を設置し終えたリウとディーネは、国民や族長たちから感謝を受け取っている内に夕方になってしまったため国に帰った。

如何せん、数が多かったのだ。

そんなわけで少し疲労したリウは、自室で休んでいたのだが。


「私も、一緒に寝たら駄目ですか?」


そこに、レアがやってきた。

ディーネも一緒である。

レアがしたのは、ディーネと一緒にリウの部屋にお泊まりすること。

驚いてちょっとフリーズしたリウに掛けられた言葉が、先ほどのものというわけだ。


「え、あ、いや……そうじゃないわ。少し驚いただけだから、大丈夫。セラフィアかフローガには言ったの?」

「はい、許可は貰ってきました!」

「……うん、ならいいわ。一緒に寝ましょう」

「えへへ、ありがとうございます!」


そんなわけで、三人は女子会を開き色々と話をし、レアとディーネが眠くなってきた頃を見計らってリウが二人をベッドへ誘導した。


『りーちゃんが真ん中~』

「はい、私も賛成です! ……ふあぁ」


レアがディーネの言葉に賛同してあくびを零した。

かなり眠たくなってきたらしい。

リウは少し迷ってから真ん中に入り、二人がそれぞれ左右の腕に抱きついてくるのを感じながら瞳を閉じた。



翌日。

眠るレアを抱っこして朝の散歩を終え、セラフィアにレアを返して見えなくなるまで見送ったあと二人はリエラと共に国の外に居た。

イルム王国に行くためである。


『りーちゃん、イルム王国って遠いの?』

「遠くはないわよ。近くもないけれど……」

『ふーん……りーちゃんのギフトって転移系あったよね? あれじゃ無理なの?』

「んー……行ったことがないから……――いえ」


思案しながらリウがディーネにそう答えた。

だが、ふと先ほどの言葉を否定し今気が付いたというように再び答える。


「〝情報網羅〟を使って座標調べて、座標指定してから〝瞬間転移〟すれば行けるわね……」

『あ、反則過ぎるギフトだ』

「……リウ様は幾つギフトを持っておられるのですか……?」


思わずというようにリエラが呟いた。

頻繁に使っている〝物質創造〟と今日持っていることが判明した〝情報網羅〟と〝瞬間転移〟。

合計で三つなのでリエラ的にこれ以上持っているのならおかしいと言わざるを得ないことだった。

心強くはあるので、あっても嬉しいことは確かなのだが。

ギフトは一般的に無所持か一つ所持。

多くても二つで、英雄と呼ばれる者であれば三つ持っていることもあるというレベルなのだ。

つまり、リウは既に英雄クラスというわけである。


「ギフトの数……? 数えたことないわ。いくつかしらね。それよりもほら、ギフトで転移しないと」


若干、誤魔化されたような気もするが追及はしないでおくとしてリエラがリウを見た。

リウは目を閉じて集中している。


「……座標指定――〝瞬間転移〟」


三人の姿が、その場から掻き消えた。



僅かな風を感じて三人が目を開く。

そこは既に、イルム王国から少しだけ離れた平原であった。

国の中に転移してしまえば不法侵入であるし、国の近くであれば人目についてしまう。

出来るだけ目立ちたくはないので、仕方の無いことであった。

リウがしっかりと二人共一緒に転移していることを確認して、突然変わった景色に呆けている二人をイルム王国に向かうように促す。

声をかけられてハッとした二人は、歩いていくリウに慌てて付いていく。


『急に気配が変わるからびっくりしたよぉ……なんか一言くらい言ってくれてもよかったんじゃないの?』

「〝情報網羅〟は特殊型とはいえ、情報量が多すぎて集中力がいるから久しぶりに使うとそんな余裕が無いのよ。慣れていれば別に大丈夫なのだけど……」


〝情報網羅〟は魔力を消費せず、目を閉じることで発動することが出来る特殊型のギフトである。

だが一度に得られる情報量がリウでも余裕が無くなるほどのため、人間が使うと立ち上がれなくなるほどの頭痛に襲われるというデメリットのようなものもある。

なお、セーフティがあるお陰で頭痛で済むというだけであり、本来ならば脳が焼き切れて死んでしまうという恐ろしいギフトだったりする。

〝瞬間転移〟は魔力消費型で、その名の通り一瞬で行ったことのある、というより知識として刻まれている場所に転移することが出来るというギフトである。

〝情報網羅〟との合わせ技は思い付いていなかったので、今後は活用する予定だったりする。


「と、特殊型……」

「ふふ、珍しいでしょう? リエラ、困惑してないでさっさと行くわよ」

『リエラ、りーちゃんのことでびっくりしててもしょうがないから諦めよ? それよりも私早くイルム王国行ってみたい!』

「諦める……なるほど、それも一つの手というわけですね。分かりました。……行きましょう」


リウはいつも通りに、ディーネはわくわくとした様子で、リエラは開き直って三人はイルム王国へと向かうのだった。

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