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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
対策しましょう

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幼女化解除

ブックマークありがとうございます!

幼児化した姿を見られたくないようで、ベッドから離れようとしないリウの代わりにルリアを部屋に招き入れたレア。

ルリアはベッドを二度見し、レアの方を向いてそっとベッドの上の小さな膨らみを指差して尋ねた。


「もしかして、あれがリウ……?」

「はい、そうです。……あっ、ちょっと顔出してますよ」


レアに言われてルリアがベッドに視線を戻すと、涙目のリウがじーっとルリアを見つめていた。

そして、泣きそうな顔でルリアに声をかける。


「ルリアぁ……たすけてぇ……」

「んぐっ」


ルリアから変な声が出た。

まさか声までロリになっているとは思っていなかったのと、思いの外リウが幼くてかわいらしい姿をしていたのである。


「……おわぁ……目がくりくり。なんか純粋そうな感じする」

「る、ルリアまでシーアみたいなこと言うの!? 私の味方は!? レア助けてぇー!」

「んむぐぅー!?」


レアがベッドの中に引き摺り込まれてしまった。

ルリアが慌ててリウに駆け寄るが、リウは既にルリアを味方として見ていないようでキッと睨み付けられてしまった。

……リウであることは間違いないのに迫力がほとんどないが。


「あ、謝るから、ね? ごめんね? はい、手出して」


恐る恐るというふうにリウがルリアに手を出した。

一応、言う通りにはするらしい。

ルリアが出された手を握り、リウに掛けられた魔法を解いていく。


「――よしっ!」


リウの身体を光り輝く魔方陣が包み込み、それが消えるとリウは元の姿に戻っていた。

ホッとリウが安堵の溜め息を吐く。


「ありがとう、ルリア」

「うわっ急に態度まで元に戻った」

「ふぐっ!? ふぐぐぐぐーっ!!」


戻れたのはいいことなのだが、幼児化しているリウに全力で抱き締められていたレアは窒息死しかけていた。

ロリっ娘リウに抱き締められるのはちょっと苦しい程度でしかないが、流石に成長している状態では呼吸ができなくなるほど苦しかったらしい。

それに気が付き、慌ててリウがレアを離した。


「ご、ごめんねレア。大丈夫?」

「ひゅぅ~……かひゅ……だ、だい、けほっ……はひゅぅ~……だい、じょうぶ、です……!」


絶対に大丈夫ではない声と息遣いが聞こえた。

リウが慌てて風魔法で酸素を送り込むと、すぐにレアの呼吸が落ち着いた。


「あ、ありがとうございます、リウ様」

「感謝しないで私が悪いから! 今思えばレアは他の人に私の姿を見られないように頑張ってくれたのに……本当にありがとうね、レア」

「どういたしましてです。あ、それと……ディーネ様が暇なときに遊びたいって言ってました」

「ディーネ……今度会ったら遊んであげましょうか」


リウがぼそりと呟いた。

レアはそんなリウにくすりと微笑み、母親であるセラフィアがリウに報告に来ていたことを思い出す。


「そういえば。お母様がリエラ様と一緒に報告に来てましたけど……なんの報告だったんでしょう」

「レアは聞いていないのね。あとで確認しておくわ」

「はい」


レアが不思議そうな表情をしながら頷いた。

なんの報告だったのか考えていたらしい。

リウはそれを察してぽんぽんとレアの頭を撫で、優しく告げる。


「大丈夫よ。とりあえず、心配はしなくていいから」

「あ……お母様とリエラ様の心配してたの、分かっちゃいましたか?」

「ええ、分かるわ。心配そうな顔をしているもの」


リウがむにっとレアの両頬を優しく摘まんだ。

レアが不満そうな顔をしてリウを見上げる。


「そんな顔してないです」

「あら、反抗期? ……そういえばルリアは大変だったわね。なにか言えば暴言の数々……」

「わあっ、やめてよ! あの時のことは申し訳ないとは思ってるけど……というか僕謝ったよね!?」

「あらぁ? そうだったかしらぁ」

「ねぇ言い方が凄いわざとらしいんだけど!?」


リウがルリアで遊び始めた。

レアがそれを眺め、少ししてむすっとした表情をする。


「リウ様! 私を放置しないで下さい!」

「あら、ごめんね。こっちにいらっしゃいな」

「ちょっと! さっきは僕のこと放置してたよね!? 蚊帳の外でちょっと寂しかったんだからね!」

「あらあら、ルリアったら甘えん坊さんねぇ」

「ちがぁーう!」


先ほどまで幼児化していた余波なのか純粋にそういう気分なのか、リウが母性に溢れていた。

……胸は無いが。


「ふふふ……」


リウが怪しげな笑い声を漏らした。

されるがままに甘やかされていたレアとルリアが首を傾げ――そっと部屋の扉が開かれた。

そこから、ひょっこりとディーネが顔を出す。


『あ、りーちゃん! 私も混ぜてー!』


そして、二人を甘やかしているリウを見て勢いよく突撃していった。

リウがディーネを受け止め、二人と同じように甘やかしていく。


『んふふ~、りーちゃん好きぃ……』


ディーネの言葉に照れたように笑うリウであった。

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