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魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
番外編
1002/1103

ifストーリー 楽しい学園生活②

ストーリーが続くというよりは、同じ舞台の短いお話をたくさん書く感じになりそうです。

物によってはちょっとだけ続くお話もあるとは思いますが。


◇ 軽いキャラ紹介 ◇


リア


中等部三年、優秀だが得意不得意が偏っている。

最近遊びすぎて少し成績が落ちてしまった。

レイシェとは友達、レインのことは警戒している。

ストーカーをしていることは知らない。

年上の男性 (ヴェルジア)と付き合っている。


レイシェ


中等部三年、リアと友達。

レインのことは慕っているが、リウへの愛情には少し呆れている。

レインのストーカー行為のことは知っており、せめてコソコソせずリウを怖がらせないようにしろなどとたまにアドバイスをしている。

何回言ってもやめないので、やめさせるのは諦めている。

もしレインがこれ以上のことに走ったら即座に警察に連絡する覚悟は決めている。

リウのことは姉のように慕っているので、レインと結婚してほしいがレインはまともではないので誰の前でも口には出さないようにしている。


レインの母


優しいおっとりとした人物。

レインのストーカー行為には気付いており、リウを傷付けるようなら最悪殴ってでもやめさせようと考えている。

リウとレインの恋仲の噂が校外でも少し流れていたので、そっちは対処しておいた。

バレていることを明かしてレインを叱るかどうか悩み中。

「うー……なんで勉強会なんか……」


 休日。

 制服姿ではなく、可愛らしいワンピースに身を包んだリウが道を歩きながらぶつぶつとぼやいていた。

 目指すはレインの自宅である。

 彼の両親にはリウも幼い頃からお世話になっており、居心地もレインの部屋以外であれば悪くない。

 今日もレインの家には行くが、リウの妹であるリアもレインの妹のレイシェも同じ場所で集まるので、レインの部屋でやるわけではないはずだ。

 とはいえ、である。

 今回レインの家に向かうのは勉強会のためで、リウの隣に座る機会をレインが逃すとは思えない。

 彼の両親もいる手前、レインをぞんざいに扱うわけにも行かないので、リウはとても憂鬱な気分になっていた。

 そうこうしている内にレインの自宅に付いてしまい、リウは正面から顔パスで門を通り、使用人に案内されながら中へと入る。

 内心それに苦い顔をしながらも、リウは慣れた様子で家の中を歩いていった。


「あ、リウ。いらっしゃい、待ってたよ。ここからは僕が案内するから、みんなは他の仕事に戻ってね。じゃあ行こうか」

「……相変わらず仰々しいわね。別荘なのに」

「緩い方だよ〜。父上と母上すら分家に経営任せてこっちにいるし。まぁ、僕とレイシェが卒業したら戻るんだろうけど。それでもリウの家には及ばないけどね。なんで跡継ぎのはずのご令嬢が徒歩で登校して知人の家まで来てるのかなぁ……本当に大丈夫なの?」

「護身術なら叩き込まれているわ」

「……なんか、リウって普通に怪しい人についていきそうな雰囲気かあるから、そういう問題じゃないんだけどね」

「そんなことしないわよ……毎日のように不審者に追われるものだから、必要に駆られてみんなに止められるくらい護身術の訓練をしているの。攫われても倒せるわ!」


 自信満々なリウをレインがじとりと睨んで、溜息を吐いた。

 一応、レインがストーカーを始めたのは何かとほわほわしていて隙だらけなリウを守るためである。

 当時から下心が多く含まれていたことを否定もしないが。


「さて、着いたよ。……勉強会なんてリウには必要ないのに、ありがとね」

「必要はないけれど……ふふ、リアやレイシェの先生役になれるのは嬉しいわ。ほら、待たせているのでしょう。早く行くわよ」


 立ち止まってお礼を言ってくるレインにそう返しつつ、リウが扉を開いた。

 一歩中に入ると、たたたっと足音がしてリアが飛びついてくる。


「お姉さま! やっと来てくださったのですね、お待ちしておりました!」

「う……っ、ま、待っててくれて嬉しいわ、リア。嬉しいのだけれど……急に抱きついてくるのは危ないから、やめましょうね……?」


 ぷるぷると震えながらリウが言うと、はいっとリアが元気よく返事をした。

 そして、椅子に戻るとぽんぽんとリアが隣の席を叩く。


「お姉さま、お隣どうぞ。今は休憩中なので、一緒にお菓子を食べましょう!」

「……早くない? さっき休憩したばっかりだよ」

「お母様がやりすぎは良くないからって、お菓子を出してしまうのですわ。休憩は大切ですけれど……多いですわ」

「ごめんなさいね、唸っている姿を見たらつい……ああ、そうそう。リウちゃん、いらっしゃい。少しお久しぶりかしら、ゆっくりしていってね」

「はい。お久しぶりです、おばさま。おじさまはいらっしゃらないのですか……?」

「あの人はねぇ……最近レインが嫌がるものだから、こういう時は出かけているの。口を出したそうな顔が鬱陶しいって」


 きょとんとリウがレインを見た。

 レインは無言で顔を逸らし、横目で母親を睨んでいる。

 リウがそれを眺め、きゅっとその服の裾を掴んだ。


「睨んじゃダメよ。それに、鬱陶しいって……」

「……だって、リウといるともどかしそうな顔をするし……すっごい何か言いたげだから……リウが帰ってからでいいから言ってくれればいいのに、言ってくれないし」

「……もどかしそうな?」

「僕の恋が実らないからじゃない?」

「う゛っ。……う、受け入れないわよ。あなたのこと、そんな目で見たことなんてないもの……」

「出会ったその日から告白してるのに?」

「もうあなたの告白には慣れてるし……」


 慣れるほど告白やら求婚やらを繰り返してきたことは事実なので、レインは内心苦い顔をしながらもなんとも言えない顔で曖昧に微笑んだ。

 慣れさせてしまったのは悪手だった、とレインが歯噛みして、しかし小さい頃の照れた表情も今でも鮮明に思い出せるくらい可愛かったので、結局満面の笑みになる。

 そんなレインのころころ変わる表情を眺めて、レイシェが微笑んだ。


「お兄様ったら、またリウのことを考えていましたのね」

「僕の告白に赤い顔でふにゃふにゃ笑いながらばっさり断った幼い時のリウを思い出してね。あの時はショックだったけど、いやぁ今思い出しても可愛いなぁ……」

「こ……っ、これは勉強会だから! ほら、さっさと始めるわよ! 休憩は終わり!」

「ああっ、お姉さま! もう少しっ、もう少しだけっ」

「リア、成績が少し落ちていること、知っているわよ。無理して元に戻せ、とまでは言わないけれど……遊んだ結果落ちたんだから、少しくらい真面目に勉強なさい。ほとんどあなたのための勉強会なんだし」

「……はぁい。ごめんなさい……」


 しょんぼりと肩を落としながら、こくりとリアが頷いた。

レインの母親と父親は果たして名前が出ていたのか、全く記憶がありません。

母親はともかく父親は出ててもおかしくない気はする、どうだっけ。

もしかすると出てたのに新しく名前を付けるかもしれません。

どうかご了承ください……

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