三作目『愛しの彼はアクセサリー好き』
こんにちは!
シリ-ズ3本目となります。
ページを開いていただきありがとうございます。
最近、私を待ってくれている人がいます。
私も彼のことが好きなので待ちわびています。
毎日のように彼とは出会います。
でも彼は私の事を忘れているのかもしれません。
私は一人の女として認識されていないのかもしれません。
私はこんなにも想っているのに。
今日はどんなアクセサリーをして出かければ彼はよろこぶかしら?
直接聞ければいいのですけど。
でも私と彼は敵同士、許されない恋なのです……。
今日も彼がやってきました。
彼は動きやすい皮の服装をしています。
右手には魔法の力を帯びた剣を持ち、私に振りかぶってきます。
これが二人の愛の儀式なのです。
私には実態がありませんので魔法を帯びた武器が必要です。
そして、私は去り際にアイテムを一つ落とすことができます。
残念ながら私自身で落とすものを選ぶことができません。
彼は私の持つイヤリングが欲しいようなのです。
色々な効果を秘めたイヤリングがありますので彼の望みになかなか行き当たりません。
もう何回めのやりとりなのでしょうか?
私は1日に数回、復元することができます。
何度も何度も一定の時間が経つと蘇ります。
蘇った私は全て私です。
記憶も蓄積していきます。
そうするとある一定の知識が溜まったところで私の中に変化が起きます。
覚醒とでもいうのでしょうか?
いつも不透明なだけの地味な私なのですが、覚醒時には金色に光り輝くことができます。
彼もこの時を待っていたようで気合の入った目で私を見つめてきます。
至福の時です。
いつもの様に数回にわたり振りかぶられますが覚醒した私にはすぐには抱きつくことができません。
実体もありませんのでそもそもが不可能なのですがね。
残念でなりません。
私も彼に愛の絆を刻みます。
彼の耐える顔が堪らなく大好きです。
実体はありませんが私からは抱き締められることができます。
彼は悲痛な顔で私を見つめてきます。
彼の生命が私の中に流れ込んできます。
彼と一体になりたいとそう思っています。
彼とは生まれも育ちも違うので敵わぬ恋なのです。
そろそろ時間のようです。
私はこの日のために着飾っていたイヤリングを一つ落とします。
覚醒時にはいつもより愛を込めた贈り物ができるのです。
私の愛をうけとってくださいませ。
彼は叫び上がってよろこんでいました。
それほど喜んで頂けたなら私も嬉しさでいっぱいになります。
また、すぐにお逢いしましょう~♪
意識が回復しました。
また、彼に会えるでしょうか?
早く逢いたいです愛しの彼に……。
私はまたイヤリングを選びます。
お読みいただきありがとうございました。
今回の主人公はファンタジー世界におけるレイスと呼ばれるモンスターです。
特徴は実体が無い事。レベルドレインが使える事(レベルを下げたり。体力を吸収したりします)
今回は配置モンスターなのでリポップしています(同じ場所に同じモンスターが一定時間で湧きなおす)
さて、摩訶不思議ファンタジー物語いかがだったでしょうか?
1作目は特に愉快な感じを目指しました。
2作目は更に不思議な感じを推し進めました。
3作目は悲痛な想いをテーマに書かせていただきました。
次回はどのようなお話がよろしいでしょうか?
どんなモンスターにスポットを当ててみましょうかね?
次作はまだ思いついておりませんが8月10日より長編の投稿を開始いたしますので加えてよろしくお願いします!